長月天音のレビュー一覧
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どんな人でも一人ずつ違った人生があるように、亡くなった人の生きていた時の思いが伝わってくる。本当は家に帰って家族と過ごすはずだったけど叶わなかった無念な気持ちも、残された妻や幼い子供たちの気持ちも切なくて、気丈に振る舞うけど本当は今にも崩れてしまいそうな心にそっと寄り添うような、美空、漆原さん、里見さん達にこっちも救われた気持ちにさせられた。
頑張り屋がゆえに焦って疲れ切ってしまったけど、誇りを持って仕事をしていたというエピソードだったり、6年間帰ってこない人を待ち続けるけどやっと区切りをつけられたというエピソードだったり、読んでて泣いてしまいそうになるけど暗いばかりではないと感じた。
美空と -
Posted by ブクログ
ネタバレキッチン常夜灯シリーズ、第3弾。
前回の主人公の「つぐみ」は今回は準主役として活躍。
前回悩んでいた人物のその後がわかる…っていうのも私の好きなポイント!
今回はデザートを作る製菓工場にスポットライトがあたります。
なかなか難しい人間関係。
これを解決するために苦戦するけれど、なかなか上手くいかない。
そんな時は安らげる場所で美味しいものを食べる。
頑なになっていたかなめの心も次第に柔らかくなり、周りの状況を広く見ることができるようになる。
最後は無理のないハッピーエンドなのがこのお話の好きなところなのです。
余談ですが…
色んな本で料理の食材や調理方法などは読んでいて面倒になるも -
Posted by ブクログ
ご主人の闘病を支えられた作者の経験、気持ちが込められているからでしょうか。
謎解き、としつつも、ラブストーリーであると感じます。
愛する人の痛み、苦しみを間近で見ながら、どうすることもできない葛藤。
大丈夫だと言い聞かせながら、不安に耐える日々。
遺していく側の配慮にも、愛情の深さが見えてしまいます。
甘いケーキ、その食感、その香り。
それらに絡めながらのストーリーなのに、口に入れることも出来ないなんて。
読み終わった今、悲しいのと、寂しいのと、温かい気持ちとがないまぜになっていて、うまく言えませんが、夫婦ってこうありたいと思える作品だと思いました。