長月天音のレビュー一覧
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シリーズ2作目。
このシリーズを読んでいると、人生が終わるその人と家族にはそれぞれの死とその受け止め方がある。
幼い子どもと一緒に遺された家族、交通事故で突然高校生の息子を失った親、海から帰らなかった家族や恋人…いくら時間があっても区切りをつけることは難しい。無理に区切りをつける必要はなくて、前に進むためのそこにある種を見落とさないことなのかな。それを坂東会館のみんなは助けてくれる。
漆原さんは美空のいいところ、苦手なところををよく見ていて、もちろん自分の知識や経験も惜しみなく伝えてくれるけれど、自分と同じ通りにやる必要はないと思っていると思う。こんな上司部下関係は素敵。
これから美空 -
Posted by ブクログ
「ほどなく、お別れです」の3冊目。
美空が坂東会館の社員になって2年目の繁忙期に入ろうとする頃から始まる物語。
今回もまた、孤独死だったり、火災で亡くなった祖母と孫であったり、故人の妻と姉の確執が激しかったり、という訳アリの葬儀が描かれる。
前半は大手葬儀社でも働いたことがある小暮が入社してきてその言動が波紋を起こしたり、美空の気持ちが入りすぎて遺族を置き去りにした司会がクレームになったり、イラっとしたりザラっとしたり、ちょっとテンションが上がらない話が続く。
別れた夫が妻の葬儀に出席をしてくる顛末を描く四話目が家族の在り様を語ってなかなかいい話で、そこから小暮や漆原の家族の話につながってう -
Posted by ブクログ
キッチン常夜灯シリーズ第二巻。
こんなお店行ってみたいなあ。人生を変えるような料理と人々。常連になって、人生を好転させたいね。
主人公は仕事が忙しく彼氏とすれ違う適齢期の女性。会いたいだの、あの時の言葉にはこう応えてあげられればよかっただの、女性の思い悩む感情の描写は冗長で、おじさんには退屈だったかも。
また何でもかんでもキッチン常夜灯に行けば答えがあり、解決するというのも主人公補正のようで私としては面白くない。もっとうまくいかなくたっていいし、不幸であってもいい。
飲食関係で頑張る人、仕事にやりがいが見出だしたい人などは元気がもらえていいかもしれない。 -
Posted by ブクログ
祖母が切り盛りしている雑貨店。そこは雑貨だけでなくたい焼きも販売している一風変わったお店。そこには真に物大切にするお客様が来店してくる。
祖母は一見冷たいように見えるけど、思いやりもあって話好き。主人公とすれ違った原因の出来事も綺羅を思ってのことだったんだな。
更に辛い事実を突きつけられる前に悪者になってまで守ったのかな。
出生の秘密が明かされる話は重め…それでも家族の繋がりを再確認し前を向いて頑張っていて、人生何が起こるかわからないけど前を向くのが大切なことだった。
葵くんは今後どうなるのだろう。家族を欺き続けるには限界があるのできっと自ら打ち明けるのだろう。
装丁がオシャレですべてお話に -
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三十六歳独身女性・泊日文(とまりひふみ)頼りにしていた男友達の結婚を機に誰にも頼らず生きていこうと「おひとりさまノート」をつけていく話
自分自身の未来が心もとなく
一人で生きていくと決めたくせに、本当に自分が一人で生きていけるのか不安で
「おひとりさまノート」を書く
一人で備えておくことや、いざという時の対処法ばかりを記していたノート
いつしか今後の展望を書くことが多くなり「一人で生き抜くために」ではなく、「一人でよりよく生きるために」
と思うようになる
一人で生きていくことは困難なことばかりでもなく、ひととの繋がりがあることを知り、築いた関係を大切に育もうとする
「おひとりさま」に