長月天音のレビュー一覧
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シリーズ4作目『ほどなく、お別れです 遠くの空へ』
先輩の水神さんが自らの「生前葬」を美空に託す。
その大役を必死に務める美空の姿と、それを見守る周囲の眼差しに、シリーズを通した絆を感じて胸がいっぱいになりました。
読みながら思い出したのは、あのコロナ禍。
お見舞いも看取りも叶わず、遺骨となって帰ってくるしかなかった、あの切実な日々。
完全に忘れかけていたけれど、あの時流せなかった涙を、この本がそっと掬い上げてくれた気がします。
漆原さんに合格祝いを問われ、美空が願った「スカイツリー」。
その本当の意味を知ったとき、ギュッと閉ざされていた心が、眩いほどの光で満たされました。
悲しみの -
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【あらすじ】
銀座のはずれにある〈ちぐさ百貨店〉はちょっと変わった雑貨屋。
40歳にして無職となってしまった綺羅の祖母である美寿々が営んでいるのだが、彼女の焼くたい焼きが銀座名物となっているのだ。
ある事情から美寿々と疎遠になっていた綺羅は、18年振りに店を訪ねることになるのだが ——— 。
【感想】
『キッチン常夜灯』ですっかりファンになってしまった長月先生の作品です。
こちらは大好きな雑貨屋さんのお話。甘〜いたい焼きが登場しますが、お話はかなりシビアな面も。
その中で美寿々おばあちゃんの筋の通った生き様がかっこいいなと思いながら読み進めました。
人それぞれに抱えている事情や過 -
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みもざちゃんがいつ倒れてしまうんだろうとヒヤヒヤしながら読み進めた…が、そんな怖い展開はなく、常夜灯や新たな環境で出会う人々との対話を通して、少しずつ自分と向き合っていく。
永倉さんを説得するシーンはすごいなと思ったが、あんなふうに現実でしっかり物を言えるというのは、すごく難しいことなのです…。
しかし、最悪と思った出来事でも、何かを拾うことはできる。物事は起こるべくして起こる場合もある。そう考えて、過剰に恐れず地道に生きていけば、いつかは楽になれるかもしれない。そんな気持ちになりました。
奈々子さんのエピソードは、長月さん自身の体験が少し入っているのかなと思いました。
出てくる料理は他のシ -
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キッチン常夜灯も4冊目。
今回の主人公はファミリーレストラン「シリウス」池袋店店長 鳥羽いつき 間もなく45歳を迎えるベテラン社員。
長く働いている会社で、出世もしてきたけれど
辞めていった同期は結婚も出産もしているし
会社では、「女性活躍」と銘打って若い女性が努力もせず、店長になっている。
静かだった会議は若手の女の子たちがどんどん発言している。
会社は変わってしまった。
昔は良かった…などなど、共感出来る場面が続く冒頭
そして、キッチン常夜灯と出会い物語は動き出す。
定番化されている流れなので、まだかなまだかなとワクワクする。 キッチン常夜灯が登場すると今回はどんなお料理が沁み渡るの -
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街の裏路地で夜から朝にかけてオープンする「キッチン常夜灯」
都会の一角で行き場のない人々の明確な行き先として、ひっそり佇む…
チェーン系レストランの店長みもざはアパートが火事になり、会社の倉庫に移り、近くにあった「キッチン常夜灯」に入る
そこには寡黙なシェフが作るおいしい料理が待っていた
手の込んだスープ、シャルキュトリー、ピペラード、トリップ、仔羊の料理…アップルパイからおにぎりにお味噌汁まで…
疲れ果ててたどり着き、空っぽになった体に、新しい力を注ぎこんでくれるシェフの料理
そして居心地のいい空間…
多忙な仕事、ままならない人間関係、眠れない夜
いつもキッチン常夜灯が迎えてくれる