コナン・ドイルのレビュー一覧
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「空き家の冒険」は、ちゃんと読んだの初めてかもしれない。よかったな、ホームズ、復活して。しかも10年も待たずに、「最後の事件」を読み終えた10分後に読める幸せ。
「踊る人形」はこの巻なのね。これは子どものころ読んですごく好きだった。でも、じつはけっこう悲惨な話なんだよね。子どものときって、自分がおもしろいと思ったところだけ吸収して、あとは都合よく忘れちゃうんだ。わたしだけ?
「6つのナポレオン像」も、発想からしておもしろい。そうかと思うと最後の「第二のしみ」では、いきなり「現在は引退して研究と養蜂にいそしむ日々」なんて出てきたりして、なんというか、いったい時系列的にどうなっているんだろうという好奇心をかき立て、シャーロキアンの誕生をうながすような、書き方をしているのがおもしろいな。 -
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シャーロックホームズシリーズには数多くの名言がありますが、自分の考え方に影響を与えたと言える名言が二つあります。この本で語られた「屋根裏部屋」の理論はその一つ。
『人の記憶には限界があり、見たこと聞いたことをすべて覚えていては本当に大切なことを忘れてしまう。また雑多に保存して必要な情報を取り出すのに時間が掛かってしまっては機を逸する。だから記憶は丁寧に整理しておく必要があるし、余計な記憶は "忘れる努力" をしなくてはいけない。』
このような話だったかと思います。小学生当時読んだときに衝撃を受けました。余計な情報で溢れた世の中から、自分に必要な情報を見極める能力の必要性、情報を正しく解釈して記憶することの大切さに気づかせてくれました。 -
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シャーロックホームズの素晴らしさはトリックだとかどんでん返しにあるのではない。
ワトスンの語りから垣間見えるホームズという人間、ワトスンとの関係、魅力的な依頼人と犯人にあると思う。
基本的に人物の心情について細かに書いてあることは少なく、事実が多い。だからこそシリーズを読み進める過程でホームズの人間像が少しずつ自分の中で厚みを帯びてきて気がついたらお気に入りの人になっている。
まるで本当に事件を通して友達になったみたいに!
きっと世界中、たくさんの時代の人がホームズに夢中になってホームズを作り上げてきたんだと思う。だからこそ映画化、ドラマ化が絶えなくて。
「最後の挨拶」は今までの短編とは雰囲気が違う。三人称で引退後のホームズ。ワトスンも初老。時が作り出すものはなんだか少し悲しい。それと同時に愛しくもある。ワトスンとホームズの友情も気づけば何十年積み重ねたものなんだなあって思った。ワトスンはまた戦争に行くみたいだ。もうホームズと会えないかもしれない。東風の話をするホームズとのんびり答えるワトスンに胸が締め付けられた。小説の中の主人公はやろうと思えば歳をとらないこともできる。それでもやはり沢山の事件を通して歳を重ねたワトスンとホームズがわたしは大好きだ。
シャーロックホームズシリーズは紛れもなく2人の男の人生の断片を描いていると思う。
忘れ去られることが死ぬということなら、シャーロックホームズはたとえ現実にいなかったとしても、数え切れない数の人の中に命を宿した紛れも無いヴィクトリア朝時代のイギリスに生きた探偵だ。 -
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今更ながらにホームズを読破してみようと思い立って「緋色の研究」から読み始めたのだが、ついに読み終えてしまった。
舞台はもう1900年代。電話が登場しているし、ロンドンの雰囲気は「緋色の研究」の頃から比べてだいぶ変わった。ホームズも隠退してしまうし。でも彼の頭脳は衰えを見せず、まるで年をとったという感じがしない。同居をやめてあまり会わなくなったとはいえ、ワトスンとの友情も変わらず強固でなんだか嬉しい。「三人ガリデブ」の一幕は胸が熱くなる。
でも、あんなに仕事が大好きだったホームズが何故隠退を夢見ていたのかよくわからない。ドイルがホームズから引退したがっていたことが反映されているのか?笑
この巻で印象に残ったのは「高名な依頼人」。ホームズVS手強い女性の話は面白い。いつもと違って翻弄されるホームズが見れるから。ちょっとアイリーンを思い出した。
悪い意味で印象に残ったのは「這う男」。これはもうファンタジーでは。
ホームズとお別れするのは寂しい。ドイルにホームズを書き続けてくれと懇願したシャーロキアンの気持ち、今ならわかる。 -
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ホームズ長編の最高傑作では?
探偵小説という枠組みに収まらず。冒険小説、アクションあり、身の毛もよだつ怪奇、ホラーあり。小説という娯楽の醍醐味を味わう。
翻訳の読み易さ故、舞台ダートムアがまた魅力的。荒涼とした大地、不吉な岩肌、閉じた空気感、悪魔の存在。情景がはっきり目に浮かぶ。
ワトソン医師の探偵活動、主役は私だと言わんばかりの大冒険に心躍る。だが、ホームズが登場した時の安心感といったらもう。ワトソンには申し訳ないが役者が違うのである。
探偵と助手。ホームズ以降、様々な形でミステリ作家により描かれ続けているが、ワトソンのような、悪に屈しない正義感をもった王道な助手に、出会いたくなってしまった。立ち返ってこの関係性に戻るのもありかもしれない。 -
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ネタバレホームズシリーズの最後の長編。
短編も含めて、個人的に一番好きな物語だった。今までで一番トリック部分に驚かされたから。
前半より後半が面白かった。ギャング物語として普通に楽しめて、勿論ミステリとしても楽しめるので一挙両得。やっぱりホームズの長編って二部構成の方が好きだなあ。
というかワトスンの健忘症……なんでここまで書いといてモリアティ忘れてんの? 笑ってしまった。いくら「最後の事件」執筆から二十年以上経っているから仕方ないと言えば仕方ないけど、なんで作者も出版社も誰一人矛盾に気づかないんだろう。この時代のイギリスって、編集者っていなかったんだろうか。
このあたりのことを書いたあとがきに「ワトソニアン」なる言葉がでてきてびっくりした。シャーロキアンは知っていたけど、ワトソニアンなる派もいたのか。気になって検索したが出てこなかった。日本のワトソニアンはネットからは距離をとっているのかもしれない。 -
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冒頭は前巻からの続きなんですが、続く新たなエピソードでは、女王陛下、マイクロフト・ホームズ、そして「あの女」とホームズファンにはお馴染みのキャラが続々と登場。
シャーロックとジョンのそれと同様、マイクロフトとシャーロックの関係性も、「正典」よりもBBCドラマ「シャーロック」の設定を色濃く引き継いでますね。
「あの女」ことアイリーン・アドラーが出てくるからには、当該エピソードのベースは当然「ボヘミアの醜聞」なんですが、原作のエッセンスはそのままに大胆に脚色され、物語のスケールはより大きくなっていて唸らされます。
マイクロフトの役職というか立場も、既出のキャラと意外な繋げ方をしてきて、「ほう、そう来たかぁ」と、感心してしまいました。
それから、「ジェームズ・モリアーティ」が、キャラ個人であると同時に、もう一つ別の姿であることが明言されたことも、この巻の大きな特色といえます。
ライヘンバッハに至るまで、まだまだ長い間楽しませてもらえそうです(^-^)