コナン・ドイルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズシリーズの中でも、特に雰囲気を楽しめる作品でした。
名家に伝わる魔犬の呪いという設定から、最初はかなり古典的な怪奇小説を想像していましたが、読み進めるほどにその不気味な空気に引き込まれました。
荒涼とした湿地や霧、夜の屋敷など、何かが潜んでいそうな雰囲気がとても印象的で、事件そのものよりも「この先で何が起きるんだろう」という緊張感を楽しんでいたように思います。
ホームズの推理はもちろんですが、今回はワトソンが自分で考え、動きながら真相に近づいていくところも面白く、いつもとは少し違った読み応えがありました。
100年以上前に書かれた作品とは思えないほど読みやすく、恐怖と推理をここまで自然に組み合わせていることに驚かされました。
読み終えてみると、謎解き以上にあの不気味な湿地の景色が心に残る、雰囲気まで楽しめる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小さな謎の事件から調査を進めていくと、どんどんと泥沼のような深みにはまっていき、さらに大きな展開が広がっていく。死体が発見され、ホームズだけはわかってきているようだが不気味な手がかりばかりが見つかり、証拠を探して何度か失敗しつつも、ついにはスリリングな手に汗握る逃走劇が繰り広げらるさまはミステリ小説の基礎そのもの。
そして地盤ある歴史から生まれた闇が語られるが、そのさまを聞くホームズの心境はどんなものだろうかと緋色の研究を思い出して考えてしまった。
感情を動かすことは嫌うホームズだけれど、彼の短編集で垣間見える許す/許せないのラインなどを考えれば、今回の謎は解けたところで脱力しても仕方ないものだったのではと思ってしまう。感情が動くことの恐ろしさをホームズは他人の行動だけを見て知っているわけではないだろうから。
また、少なくともワトソンは今回の犯人に同情の余地はないというか、おそろしさを感じている。やはり謎の大小よりも、そういうことだったのかという納得よりも、読者も犯人には同情したいものなのかもしれない。
また個人的に面白かったところは眠たいワトソンが適当なことを言うシリーズ。
「また夢現なワトソンがひまし油は二滴以上のむのはきわめて危険で、鎮静剤にはストリキニーネを大量にのむのがよいと教えたのを耳にはさんだといって、ホームズはあとで冷やかした。」←笑
-
Posted by ブクログ
謎めいた暗号文
古くからある洋館
密室での惨殺事件
物語の前半は探偵ホームズのミステリーに相応しい設定で、見事に謎を解き明かす。
ところが後半、ガラリと違う雰囲気の物語が始まる。
前半の事件のアメリカの炭鉱町で、20年前に起こったある出来事が語られていく。
そこにはホームズとワトソンは登場しないが、前半の事件のいきさつが明らかになる。
タイトル「恐怖の谷」はそこにあった。
18〜19世紀の産業革命がもたらしたのは、過酷な労働、貧富の格差で、ゆえに労働者の団結、社会主義の台頭が始まる。
20世紀初頭、世界大戦と大恐慌で急激に増加した労働者集団の中には、物語にあるように「なんだかわからない恐ろしい集団」と感じられるものもあったかもしれない。
物語の本筋ではないが、執筆当時の世相を垣間見ることもできた。 -
Posted by ブクログ
『緋色の研究』と同じくらい聞き覚えのある『4つの署名』
読んだことはなくてもタイトルくらいは聞いたことがある選手権みたいなものがあれば、『そして誰もいなくなった』の次の次くらいにはランクインしそうなほど、名前は有名である。
そんなことは置いといても、この作品は前作に比べると、ずいぶん推理小説というよりは冒険活劇といった感じの内容だと思われる。
ボートの追いかけ合いやら未開人など、ハラハラドキドキの展開が待ち受けている。
トリックがなんだとかそんなことはどうでもよくて、ホームズとワトソンが繰り広げるアクションに身を委ねればよい。
そして、ワトソンの恋の行方も描かれている。アクションとラブロマンス、そしてミステリーが組み合わさったなら、これはきっと当時も売れに売れたことだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシャーロック・ホームズ3冊目(*^ᴗ^)
ホームズの言った
「きみは見てはいるが観察はしていないのだよ。」
というのが印象に残る。
確かに普段何気なく過ごしていつも見ているつもりでも、それはただ見ているだけ。階段が何段かなんて数えないし、それがホームズの観察眼なんだなと感じた。
でもワトスン博士もホームズと過ごす中で観察の仕方が上手になってきている!
今回は短編集になっているので1つ1つの話が短くサクサク読むことができた。でもほんとホームズの元には様々な奇妙な事件がやってくるなぁと感じる(笑)
ボヘミア王の事件ではアイリーン・アドラーという女性がいかに頭の回転が早いのか分かったし、まさかホームズを出し抜くとは!!この後から女性を軽視しなくなったという。
赤毛連盟、唇のねじれた男なんかは聞いたことがあるというか昔読んだ記憶があるようなないような(どっち)でもとっても面白かった!
下巻もあるようなのでこちらも楽しみ(*^^*)