松嶋智左のレビュー一覧

  • 虚の聖域 梓凪子の調査報告書

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    「貌のない貌」を先に読んでしまい、順番が逆になってしまったが、梓凪子シリーズの1作目であり「島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」受賞作(これ結構良い作品が受賞している印象)。受賞に相応しい素晴らしい作品。母代わりの長姉との確執・近親憎悪のとげとげしい描写が気になり、そこまで書く必要があるかとは思ったが、プロットと解決に導くプロセスの面白さは抜群に良い。主人公の短気で人間臭く万能感のなさ具合も非常に魅力的で、リアルさが際立つ。読んで絶対損のない一冊。

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    2025年08月14日
  • 貌のない貌 梓凪子の捜査報告書

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    元警察官だけに松嶋氏の小説は本当にリアルな警察小説で、「女副署長」シリーズでもそれが如何なく発揮されているが、本作はそれに輪をかけて事件そのもののプロットと伏線が見事過ぎて、こんなに凄い傑作書けるんだと改めて驚いた次第。主人公の梓凪子のキャラもよく、島尾主任との関係性も清々しく、ほぼ文句のつけどころがない傑作。本書はもっと話題になってもいい作品で、警察小説好きは必読の一冊。順番は逆になったがデビュー作「虚の聖域」(魔手改題)も梓凪子主人公なので読んでみたい。

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    2025年07月25日
  • 巡査たちに敬礼を(新潮文庫)

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    2025.04.09
    警察小説の衣をまとった人間を描いた一冊。あさのあつこの解説を読んで腑に落ちた。
    警察はすぐに退職させられる組織なのだなとも感じた一冊

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    2025年04月09日
  • 警官の標 警察小説アンソロジー

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    ネタバレ

    警察小説名手による警察小説オムニバス。この手の企画は寄せ集め感強く中途半端になることが多い印象だが、本書は例外中の例外。粒揃いでどの作品も素晴らしく面白い。警察組織を舞台にしているが、各著者のそれぞれお得意分野を披露してくれている。特に月村作品は警察小説としてはものすごく特異なのだが、如何にもな感じが面白かった。つまらない作品がなく、読んで損のない一冊。

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    2025年03月10日
  • 戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー

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    7人の作家さんのアンソロジー。

    色々な部署の話で、とても新鮮で面白かった。
    ルームシェアの話が1番好きだったので、もしシリーズ化などしていれば読みたいと思った。

    オススメです。

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    2024年09月11日
  • 女副署長 祭礼(新潮文庫)

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    兎に角ラストが衝撃的。女性副署長ではネタ切れなのか。回を追うごとに出来がよくなっている印象で、ここで終わるのは非常に勿体ない。県内初の女性署長でリスタートしてもらいたいぐらいだが、亡くなってしまってはなあ。田添杏美というキャラは際立っていたので非常に残念です。

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    2024年09月05日
  • 女副署長 緊急配備(新潮文庫)

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    「女副署長」続編。前回の署内での殺人事件で事実上の引責左遷先の閑散署に異動になり、署長病欠で副署長兼署長代理となった田添杏美。今回は前回と違い、署員を見守る位置づけが強くなり、よりリアルな設定が好印象。また、事件のプロットが非常によくできていて、各事件の結びつきが紐解かれる過程の描写がとても良い。県警捜査一課花野班長との関係性も面白い。第3弾も読んでみたい。

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    2024年08月05日
  • 使嗾犯 捜査一課女管理官

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    とても興奮させられる一冊でしたね。
    絡まった糸を根気よく、ほぐしていく感じで…
    まさか、子供が実弾の拳銃とは…
    これからの社会に一石を投じる内容だと思います

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    2024年07月12日
  • 女副署長 祭礼(新潮文庫)

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    副署長という職が板についてきて、ついに県警最大の旭中央署に赴任した杏美。
    上司の女性キャリア署長をサポートしながら、グリズリー花野の使い方も堂にいったものでますます面白くなってきた。
    無事に行方不明事件を解決し、指名手配犯の逮捕にも後継したらいよいよ初のノンキャリア女性署長の誕生だと期待したのに、まさかこんな結末を迎えるとは。。。
    星の数は献花代わりですが、間違いなく読み応えのある素晴らしいシリーズだったと思います。

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    2023年10月12日
  • 三星京香、警察辞めました

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    ネタバレ

    初めて読んだ作家さんです。
    岳人さんが殺害されてしまう展開には驚きましたが読みやすく人の温かさも感じられて面白かったです。

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    2023年08月15日
  • 女副署長 祭礼(新潮文庫)

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     いくつかの流れの収束は、巧みである。もちろん、分かりやすすぎる流れの筋もありはするけど。
     そんなことよりも、登場人物達のキャラクターが好ましい。中でも鉄人ではない副署長の、等身大の姿。
     もっと長いシリーズになって欲しかった。

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    2023年04月25日
  • 女副署長(新潮文庫)

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    傑作。

    新任間もない県警初の女性副署長にこれでもかとばかりに降りかかる難題の数々。

    息をもつかせない緊迫感に一気読みしてしまうが、女性幹部であるが故の人一倍の規律、矜持に一歩引いてしまう署員たちとの交流も清涼剤として味わい深い。

    特に花野刑事課長との関係は「検屍官」のケイ・スカーペッタとマリーノ刑事を思い起こさせる。

    それにしてもこんなサイコパスみたいな警官が何人もいたら困るな。

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    2021年09月15日
  • 女副署長(新潮文庫)

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    本作には、名探偵もヒーローも登場しない。
    描かれるのは、どこまでも「人間くさい」
    公務員としての警察官たち。

    中には、署長の妻と娘という「一般人」も出てくるが、
    警察署の「関係者」であることは間違いない。

    基本的にまじめで、正義感が強く、
    自分たちの仕事に誇りを持っている警察官たち。
    中には、小ずるい奴とか、反抗的な奴とかもいるが、
    それも含めてリアルな「人間としての」警官の群像劇。

    タイトルになっている女副署長も、一応主人公だが、
    いわゆる「ヒーロー像」とはほど遠い姿に描かれている。
    むしろ「普通のオバサン」のような(^ ^

    奉職して三十数年のキャリアを誇ってはいるが、
    管理畑が多く

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    2020年08月27日
  • 流警 新生美術館ジャック

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    前作に続いてさらに面白かった 美術館の占拠事件との事で大事件すぎないかな?と思ったけど最後まで興味深く読め楽しめました 別の作品も読みたいです

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    2025年11月28日
  • 刑事ヤギノメ 奇妙な相棒

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    広い視野と観察眼、そして観察に基く推察、ある意味では事件捜査の基本に立ち返ったような作品。作者の描く女性キャラは比較的タフなイメージがありますが、本作の主人公は病み上がりで虚弱。体力担当は若い刑事に任せて、主人公は頭脳担当になってます。必要な情報は作中に描写されるので、読み手もちゃんと推理を楽しめる内容になってます。

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    2025年11月09日
  • 降格刑事

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    ネタバレ

    洞察力に優れるが、やる気はゼロ。無責任で、捜査中でも定時で帰りたがる。元警視の司馬礼二は不祥事で降格し、出世株から転落したダメ刑事。ある日、新米刑事の犬川椋と女子大生失踪案件を追うことに。当初は事件性も不明だったが、別の事件との繫がりが判明し状況は一変。彼女の秘密とは? 元白バイ隊員の著者が、刑事の心理と矜持を描く警察小説。

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    2025年11月06日
  • 女副署長 祭礼(新潮文庫)

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    ネタバレ

    副署長3部作完結編。完結するのだから次は署長かと思ったら真逆の結末で、このシリーズを有無をいわさず終わらせる展開。見覚えのある人とすれ違ったシーンは救出の予告かと思ったら、、、
    (本シリーズ以外は読んでないので分からないが)もしかしたら元白バイ隊員の作者が下手な嘘や古巣に迷惑になるような創作なく管理職を描くのにも限界があったのかもしれない。

    前2作に比べて序盤の登場人物紹介パートは短く、スピーディーな展開。キャリアを守る警察組織とキャリアに食い込む反社、誘拐事件を扱う警察の様子などが非常に興味深い警察小説でした。

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    2025年10月27日
  • 女副署長 緊急配備(新潮文庫)

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    女副署長シリーズは3作で完結するらしい、ということで前作の記憶のあるうちにまとめて読むことにした。署内トラブルのあった前作の責任から責任をとって田舎に飛ばされた2作目。
    今作も元警察官らしい、署長代行の姿や交番勤務の様子、そして緊急配備という刑事ドラマでよく見るイベントを裏方から見た様子、警備課の様子など、色々と見られて楽しい。
    また、前作を解決して評価を受けた花野さん(主人公が飛ばされたのと対照的)が出てくるのも嬉しい。
    ストーリーも、新たな登場人物紹介パートが退屈なのは前作譲り。もっとも、推理ものではないとはいえ、多少の犯人探し動機探しもあり、殺人と警官傷害の2事件を軸に進んでいくようにな

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    2025年10月17日
  • 県警本部捜査一課R

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    ネタバレ

    松嶋智佐先生の書く女性主人公は、いつも性別の壁と衝突し難渋していく、どちらかと言うと読んでいて閉塞感に苛まれるのだが、今回のアラフォー警部は班長として癖のある課員を適材適所で使いまわし事件解決が早い・・・早くしないと「推しの宇都宮蒼」の出場する大会チケットが無駄になるからである、恋ではないが思いつめた心情からでる気づき・名推理が最高の検挙率を誇るというコミカルな設定が成功している作品

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    2025年10月16日
  • 女副署長(新潮文庫)

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    元警察官というとてつもない説得力に基づいて書かれた警察小説。
    序盤の登場人物(=犯人候補)紹介パートが読んでいて疲れるが、ひとたび事件が起きて話が進み出すと主人公と刑事課長を軸にどんどん勢いが出て(そのせいで、せっかく冒頭に現場図と登場人物一覧があったのに頭からすっ飛んで読後に思い出した)、ほかの警察官も生き生きしてくるので読みやすい。楽しく読めた。
    序盤に出てきた留置場のアレコレについては、警察官が書いているので説得力がありつつ、本当にそんなことが起こり得るのだろうか。

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    2025年10月03日