あらすじ
県警本部刑事部捜査一課の三星京香は、あることから刑事部長に拳を振り上げてしまい、10年の警察人生に終止符を打った。京香が頼ったのは、幼馴染で京香がかつて恋心を抱いていた藤原岳人。彼は新進気鋭の弁護士として県内でも有数の法律事務所に勤務しており、その事務所に京香は調査員として再就職したのだ。だが彼女が最初に任された調査に出た夜、岳人が殺されてしまう。いったい誰が、なんのために? 元刑事・京香が走り始める!!「女副署長」シリーズで話題沸騰、元警察官の著者による、新しい警察小説!
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Posted by ブクログ
三星京香。176cmの長身と県警で特練生に選抜されるほどの剣道の腕を誇り、強い正義感とエネルギッシュかつ粘り強い捜査能力を有するなど、県警内でも高い評価を受けていた。
27歳で巡査部長に昇進したのを機に県警本部捜査1課に抜擢され、その能力を遺憾なく発揮していた京香だったが……。
正義感を貫いた結果、警察を逐われたあげく同僚の夫から離婚を切り出されてしまうなど、人生詰んだ状態になった京香の第二の人生を描くサスペンスミステリー。シリーズ1作目。
◇
思わず手が出た。とっさのことだった。あっと思ったときには右手が始動しており、しかも伸ばした腕の先は拳になっていた。
坂巻刑事部長は不思議そうな顔をしたまま顔面に迫る京香の拳を鼻で受け止め、スローモーション映像を見るように倒れていった。
京香にとって不運だったのは、坂巻がメタボ体型で女性警察官の拳すら跳ね返せない体幹でしかなかったことと、刑事部長室の床に雑多なものが転がっていたことだった。
顎をのけぞらせ後方によろけた坂巻は、足下に転がっていた鉄アレイに足を取られて仰向けにひっくり返った。
さらに運の悪いことに、ひっくり返った先の壁際にはチェストがあり、その側面に後頭部を強く打ち付けた坂巻は…… ( プロローグ ) ※全28話とプロローグからなる。
* * * * *
元警察官の女性がミステリーをお書きになったと知り、興味が湧きました。
タイトルや表紙イラストを見て、軽いコメディ風の作りで読みやすいだけの作品かなと思ったのですが、読んでみるといい意味で期待を裏切ってくれました。
例えば、京香の幼なじみとして登場する藤原岳人についてネタ明かししておきます。
岳人は弁護士として、県内大手の法律事務所に勤めています。失業と離婚で1人娘を抱えて困窮する京香を見かねた岳人は、自身が勤める「うと法律事務所」への就職を斡旋。
おまけに京香が残業する際は、岳人が京香の5歳の娘つみきを保育園に迎えに行き、ひとり暮らしの自宅に連れ帰って面倒を見てやったりもするのです。
その岳人と京香は子どもの頃から互いに惹かれ合っていたという下地があり、今回のことで2人の距離が物理的にも精神的にも縮まったという展開になりました。
岳人はきっと、京香を支える最重要人物になるに違いない。この流れではそう思うのが自然でしょう。なのに、序盤の最後に岳人は惨殺されてしまいます。
岳人は、なぜ? そして誰に? 殺されたのか。ここから物語が動き始めるのです。
この岳人の弔い合戦だとばかりに事務所が総力を挙げて調査( 捜査 )に乗り出すことになり、京香も尖兵として大活躍するという意味では、なるほど岳人は重要人物です。
でも岳人の死はまったく予想だにしなかっただけに、驚きもしたしひどくショックも受けました。
こんな感じで、意表を突くようなストーリーがけっこうハードに展開していくので、読んでいても途中でダレるということがありません。
もう1つ、シリーズの魅力になっているのが京香のバディです。
芦沢夢良。うと法律事務所に勤める26歳のパラリーガルの女性です。
この夢良は不正が許せない潔癖気質で融通があまり利きません。でも常に一生懸命であり、誠実に物事に向き合う姿は健気でチャーミングそのものです。 ( 夢良はある事情から警察に対して嫌悪感を持っているのですが、詳細については作品をお読みください。)
そんな夢良が、法律事務所に不慣れな京香の調査をサポートすることになります。
大雑把なところがあり考えるよりまず行動してしまう京香に対して、小さなことでも行動する前に熟慮したい夢良。
アクセルの京香とブレーキの夢良という対照的な2人が、衝突しながら調査活動に勤しむさまがおもしろい。このあたりも物語をイッキ読みさせる理由の1つです。
大晦日。早々に床に入り除夜の鐘が鳴るまでの時間を楽しく過ごさせてくれた1冊でした。
☆本作は法律事務所が舞台とはいえ、リーガルミステリーではありません。あくまで主人公の京香が刑事時代のスキルや人脈を駆使して事件解決につなげていくというサスペンスミステリーですので、ご注意ください。
Posted by ブクログ
主人公が警察をやめたというのがタイトルなので、警察の捜査と民間の捜査の差みたいなものをもうちょっと見せてくれるとよかったかな。
物語は面白かったです。不謹慎だけど主人公の幼馴染の弁護士が殺害されて以降がぜん面白くなります。
Posted by ブクログ
正義感が暴走して警察を辞め、離婚した京香が弁護士事務所の調査員として就職して、刑事の経験を活かした異端の存在として活躍するという展開。
岳人が殺されずに協力しあう関係の方が面白そうだし、事件に関しては意外と平凡だったけれど、作品のふ 雰囲気は面白いので今後に期待したい。
Posted by ブクログ
後輩の為に、思わず上司を殴って警察を辞める、
といういきなりの始まりから怒涛の展開。
そして、予想もできなかった犯人。 面白かったꉂꉂ
元警察官の松嶋さんだから描けるリアリティーのある作品でした。
正義感が強くて、カッコいいけど…
お母さんとしてはどうなのかな
Posted by ブクログ
松嶋智佐先生の女主人公らしく最初にやらかす・・・(刑事部長を殴り)三星京香、警官を辞めましたが、離婚後の愛娘の親権確保のため大至急就職が必要!で、離婚調停弁護士にして幼馴染の所属する事務所に就職・・・
この作家を見くびっておりました、いつもの如く女性故の鬱屈した心情を前面に押し出すのかと思いきや、闇雲に駆け巡るだけじゃない主人公!は今までの女性より倍は賢い三星京香である
幼子を抱えた母親が人生のどん底期に、幼馴染が殺害されるのだが、お互いが仄かに恋心があるものの多少のすれ違いで結ばれなかったくだりが少し悲しい、シリーズに成りそうな作品だから後々も幼馴染(藤原岳人)との掛け合いが思い出で出てきそうな気がする
作品を読んでいて珍しく解決の糸口に気が付いた(ネタバレ)岳人が京香の娘を幼稚園から連れて自宅に戻り事件に遭遇、京香と(事務所同僚の)夢良が遺体の発見者になったのだが・・・(自粛)