【感想・ネタバレ】女副署長(新潮文庫)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

傑作。

新任間もない県警初の女性副署長にこれでもかとばかりに降りかかる難題の数々。

息をもつかせない緊迫感に一気読みしてしまうが、女性幹部であるが故の人一倍の規律、矜持に一歩引いてしまう署員たちとの交流も清涼剤として味わい深い。

特に花野刑事課長との関係は「検屍官」のケイ・スカーペッタとマリーノ刑事を思い起こさせる。

それにしてもこんなサイコパスみたいな警官が何人もいたら困るな。

0
2021年09月15日

Posted by ブクログ

本作には、名探偵もヒーローも登場しない。
描かれるのは、どこまでも「人間くさい」
公務員としての警察官たち。

中には、署長の妻と娘という「一般人」も出てくるが、
警察署の「関係者」であることは間違いない。

基本的にまじめで、正義感が強く、
自分たちの仕事に誇りを持っている警察官たち。
中には、小ずるい奴とか、反抗的な奴とかもいるが、
それも含めてリアルな「人間としての」警官の群像劇。

タイトルになっている女副署長も、一応主人公だが、
いわゆる「ヒーロー像」とはほど遠い姿に描かれている。
むしろ「普通のオバサン」のような(^ ^

奉職して三十数年のキャリアを誇ってはいるが、
管理畑が多く、捜査の第一線の経験は無い。
そのため、現場のたたき上げ刑事達からは、
何と言うかちょっと下に見られてたりして(^ ^;

それでも、指揮系統としては上下関係があり、
時には横車を押し通すような手も打つ。
それがまた「現場」の反感を買って...
でもみんな、目指しているのは実は同じで...

という、結構ややこしくこんぐらかった舞台背景(^ ^;
台風が直撃してくる、という切羽詰まった中、
あろうことか警察署の敷地内で、
現役警官が何者かに殺害される、という
ショッキングな事件が起こり...

ただでさえ台風対策に人手を取られている中、
封鎖された警察署内にいる全員が容疑者となり...
息詰まる緊張感の中、少しずつ事件の糸がほぐれてくる。

終盤に明らかになる「事件の真相」には、ちょっとびっくり(^ ^;
登場人物が多いので、気を抜いて読んでいると、
誰が誰やら分からなくなるので、要注意(^ ^;

0
2020年08月27日

Posted by ブクログ

地域課警部補の死体が、警察署の敷地内で発見された。胸にはナイフが突き立ち、激しい雨に打たれていた。直後に封鎖された署内に動揺が走る。犯人は庁舎内に隠れているのか。まさか本官なのか。副署長の田添杏美は、所轄署の名誉をかけて犯人を挙げると決意するが……。留置場の異様な出来事、剛腕刑事課長との厳しい対立、解けない謎。

0
2020年09月06日

Posted by ブクログ

某県警における女性初の副署長が主人公の物語。
台風が街を襲う中、あろうことか警察署内で警官が殺害され、更には留置所から留置人が脱走するという混乱ぶり。
半ばまでの前振りが長くてダレ気味でしたが、後半は一気に動き出し、結末までの流れは良かったです。また杏美を容姿端麗で切れ味のあるスーパーウーマンという設定にしなかったところが地に足が着いていて、元警察官という著者ならではのポイントだと思います。
旧態依然の男性社会を象徴する刑事課長と、捜査経験のない女性管理職という分かりやすい対立構図は早くも途中からは変化が見られ、恐らく次作以降は緊張感が残りつつも信頼関係が成立していくのだろうな。

0
2023年07月05日

Posted by ブクログ

元白バイ隊員だった著者がある所轄で発生した事件に立ち向かうストーリー。流石、現場にいた人だけあって描写は非常にリアル。それに対比してか発生する事件が中々に現実離れしていて頭が付いていかなかったのが難点だった。実はあるトリックを活用したミステリになっているのだが必要だったかは不明。他にも台風が接近したことによるトラブルが起こったりとモジュラー型の様相を呈していく面などは名作警察小説をなぞっているように思えた。物語としてはまずまず面白いのだが、猪突猛進の主人公、杏美が苦手だったかも。

0
2023年02月07日

Posted by ブクログ

初めまして松嶋智左先生、事件が起きる前に
警察署の多くの職種の日常業務を丹念に細か
く、しつこく叙述されて反抗のヒントかなと
思いましたが、単純に元警察官だった経歴を
活かした作品作りでしたね(*´▽`*)

0
2022年12月23日

Posted by ブクログ

元女性警察官によるタイトル通り女副署長が活躍するストーリー。警察小説の新ジャンルのような印象を受けた。全3作のようであるが、残り2作が楽しみである。

0
2022年11月28日

Posted by ブクログ

04月-07。3.0点。
女性副署長が主人公。台風が接近、暴風で署員が警戒に当たる中、署員が殺害される。台風被害も拡大、事件は解決するのか。。

台風の接近する中、警察署内で殺人と、ある意味パニックムービーのような展開。終盤に怒濤の展開。まあまあ面白かった。

0
2022年04月11日

Posted by ブクログ

朝日新聞書評の文庫紹介コーナーで第二作目が盛り上げられていたのでデビュー作から読み出したのだが…。作者は元警察官ということで、リアリティはあるんだろうけど、ストーリー運びがもったりしてて、なかなか進まずいらつくな。
途中で複数の視点で同じ場面を語るシーンがあるのだが、全く時間の無駄。効果なし。
犯行手段も動機もまったくリアリティなし。
2.8

0
2022年01月11日

Posted by ブクログ

台風直撃で警戒する中、警察署内で警察官が殺された。台風による被害が出始め、殺人事件の捜査もままならないうちにさらにトラブルが…
犯行の手口はやや荒さがあったが、いわゆる警察小説で楽しかった。3.4

0
2021年08月20日

Posted by ブクログ

台風で大雨の中、警察署内で署員が殺された。現場は駐車場で、監視カメラは映されていない場所。すぐに署内は封鎖され、外に脱走していないことから、犯人は署内の誰か。果たして、誰なのか?

様々な署員の視点で、物語は進行していきます。メインは女副署長の杏美。署内での対立や次々と明らかになる不祥事、台風の中でのトラブルなど1日の出来事を描いています。

とにかく、これ1日の出来事?と思うくらい、多くの出来事が発生や明らかになるため、物語としては濃密でした。
また、登場人物が多いことや署内の構造が文字だけだとわかづらいので、何度も最初に提示している一覧表を読み返していました。
副署長だけでなく、刑事課長の存在も際立っていて、両者との対立は見所かと思います。各々の経験は違えど、プライドをもって働く姿は、輝かしく映っていました。

犯行のトリックですが、様々な偶然が重なった結果なのかなという印象でした。台風という悪い条件があったとしても流石に誰か気づくのでは?と思う自分だけでしょうかと思ってしまいました。

一番気の毒なのは、署長かなと思いました。状況が状況なだけに可哀想すぎだと読み終わった時思ってしまいました。

0
2020年06月16日

「小説」ランキング