松嶋智左のレビュー一覧
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松嶋智左『女副署長 祭礼』新潮文庫。
シリーズ第3弾にしてシリーズ完結編の文庫書き下ろし作品。
随分と思い切った完結編を用意したものだ。男性作家でも、ここまでの結末はなかなか書けるものではない。惜しむらくは、その後が少し冗長になり、せっかくの余韻が霞んでしまったことだ。
副署長田添杏美が勤める旭中央署は、6年前に起きた少女行方不明事件と犯人を取り逃がした強盗事件の2つの未解決事件を抱えていた。そこに新たな女性署長が赴任して来た。
ある日、監察から杏美に声が掛かり、キャリアの女性署長が抱える問題を排除するよう極秘の命令が下される。
そんな中、未解決の強盗事件に動きがあり、署内は騒然とな -
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松嶋智左『黒バイ捜査隊 巡査部長・野路明良』祥伝社文庫。
シリーズ第2弾。書き下ろし。前作はライトな雰囲気の中、色々と詰め込み過ぎて空回りした感じだったが、本作はどうか。
前作とは比べ物にならない、なかなか読ませる硬質の警察小説だった。
巡査部長に昇進した野路明良は運転免許センターに異動する。異動して間もない野路は新設された黒バイ捜査隊の訓練も担っていたが、その黒バイ捜査隊が追跡した不審車両が事故を起こし、運転手は死亡、車内からICチップが書き換えられた精巧な偽造免許証が発見される。
その直後、運転免許センターの鳴瀬係長が庁舎から飛び降り重体になる。免許証偽造に鳴瀬係長が関係しているの -
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松嶋智左『女副署長』新潮文庫。
警察署を舞台にした密室殺人という面白いテーマ。途中、中弛みした感はあるが終盤から結末までの怒濤の展開は見事。
台風の直撃により、警察署内に大勢の警官が当直にあたる中、警察署の敷地内で地域課警部補の刺殺死体が発見される。肝心の証拠が洗い流される程の激しい雨の中、警察署は封鎖され、署内の全警察官を対象にした前代未聞の捜査が始まる。
主人公の女副署長・田添杏美は余り活躍しないなと思っていたら、終盤になり、彼女あってこその怒濤のストーリーが展開する。著者が元女性白バイ隊というだけに、警察組織の詳細や実際にあったのかと思うような不祥事や組織の腐敗までもが描かれる。
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梓凪子が母親役を務めてくれシングルマザーとなった未央子の息子 輝也の死亡原因を調査する物語だが、元警察官だった凪子の縦横無尽の活躍が楽しめた.探偵会社の調査員である凪子が輝也の中学校に乗り込んで事情を聞くが、芳しい結果は得られない.ようやく輝也の親友だった澤下拓人から話を聞き、調査が軌道に乗る.様々な情報を得た凪子は未央子と大埜豊久の関係を突き止める.豊久は婿養子で弟 樫木久志がいるが、健康を害して余命が少ない.拓人の兄 翔平らが絡む薬物問題、さらには相続問題が背景にあり、意外な人物が輝也の死に関わっていることが判明する.凪子がその人物を追い詰める場面が秀逸だ.面白かった.