松嶋智左のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
松嶋知左『出署拒否 巡査部長・野路明良』祥伝社文庫。
シリーズ第3弾。珍しく1年以上寝かせていたようだ。ついに未読の新刊文庫が手元に無くなり、途方に暮れていたら、本棚の片隅から3冊の未読本を発見。
警務課教養係の野路明良を事件捜査の探偵役にするには少々無理がありそうだ。事件の直接捜査が出来ないがために、ワンクッション、ツークッションあるので煩わしい。
かつて白バイ隊のエースと呼ばれた野路明良は自ら起こした車の事故で同僚を亡くし、自身の手にも障害を残したため、警務課など内勤業務に甘んじていた。
津賀署管内で起きた老女殺害事件で慌ただくなる中、野路明良は出署を拒否して引き篭もる新人警官の -
Posted by ブクログ
ネタバレ松嶋智佐先生の女主人公らしく最初にやらかす・・・(刑事部長を殴り)三星京香、警官を辞めましたが、離婚後の愛娘の親権確保のため大至急就職が必要!で、離婚調停弁護士にして幼馴染の所属する事務所に就職・・・
この作家を見くびっておりました、いつもの如く女性故の鬱屈した心情を前面に押し出すのかと思いきや、闇雲に駆け巡るだけじゃない主人公!は今までの女性より倍は賢い三星京香である
幼子を抱えた母親が人生のどん底期に、幼馴染が殺害されるのだが、お互いが仄かに恋心があるものの多少のすれ違いで結ばれなかったくだりが少し悲しい、シリーズに成りそうな作品だから後々も幼馴染(藤原岳人)との掛け合いが思い出で出てき -
Posted by ブクログ
某県警における女性初の副署長が主人公の物語。
台風が街を襲う中、あろうことか警察署内で警官が殺害され、更には留置所から留置人が脱走するという混乱ぶり。
半ばまでの前振りが長くてダレ気味でしたが、後半は一気に動き出し、結末までの流れは良かったです。また杏美を容姿端麗で切れ味のあるスーパーウーマンという設定にしなかったところが地に足が着いていて、元警察官という著者ならではのポイントだと思います。
旧態依然の男性社会を象徴する刑事課長と、捜査経験のない女性管理職という分かりやすい対立構図は早くも途中からは変化が見られ、恐らく次作以降は緊張感が残りつつも信頼関係が成立していくのだろうな。