二宮敦人のレビュー一覧
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桐子先生の幼少期の続き。
今の桐子先生とは少し違う「死までの生き方を選ぶ」というより「生を諦めている」という感じ。
子どもの頃に入退院を繰り返して、周りの子どもたちと同じように生活できない自分を見ていたら、そうなっても仕方がないと思う。
むしろ、そこからどうして医師になる道を選ぶことになったのか、桐子先生の生きたかに興味がわきました。
桐子少年と同室の女性。
上巻では何も気が付かなかったのですが、まさか彼女がキーパーソンだったとは。
客観的に見ればわかることも、受け入れることは容易ではないし、そのためにかかる時間も、受け止め方も人それぞれ。
何が正解かなんて誰にもわからないけど、奇跡を願わず -
Posted by ブクログ
治らない病気であっても「延命」を諦めない福原先生と、「死」も選択のひとつと考える桐子先生。
前作とは置かれた環境が変わっても二人の考え方は変わらないようで。
今回の患者は難病にかかった恋人同士。
彼女は福原先生を、彼氏は桐子先生を受診。
同じ病気で、ほぼ同じタイミングで感染しているのに、二人の経過が全く違う。
前作で何となく二人の考えは理解したつもりでしたが、今回はあまりにも差があって、戸惑う。
患者が拒否しても、治る見込みがあるなら受診させるべきではと私も感じてしまって、患者の要望に寄り添うということが、正しいのかわからなくなりました。
ふたつ目のケースは、桐子先生の幼少期のお話。
過去 -
Posted by ブクログ
これは面白い!前作よりも面白さは確実にパワーアップしている。福原や桐子の幼少期、はたまた福原の父親の過去などが描かれた今作は物語をより深くしていて、それぞれの本当の気持ちとかが伝わってくる。
上巻から続いている『とある母親の死』。桐子の隣のベッドに入院してきたエリはとにかく前向きで、読者である私たちにもたくさんの前向きな言葉を投げかけてくれる。
そして『とある医者の死』。また誰か死んでしまうのかと辛い気持ちで読み始めると、まさかのあの人。そんなに勿体ぶることでもないので、言ってしまうが、福原の父親である医院長が認知症に罹る。福原は父親の治療を桐子に依頼する。
前作ではそれぞれの -
Posted by ブクログ
前作から連続で読んだので、それぞれのキャラなどを忘れることなく読めた。どうしてもこのようなシリーズ本となると、前回の内容やキャラクターを忘れてしまうことが多いので、私みたいな忘れやすい人間には連続で読むのはいいな。
さて、前回医院長である父親の命令に背いた福原は何もさせてもらえずにいた。一方、病院を追われた桐子は小さな診療所を始める。
そんな2人の元に訪れた患者はAIDSに感染していた。AIDSになり、ダメな彼氏と別れて福原の元を訪れた彼女。彼女に去られて病気から目を背けていたが、桐子の元を訪れた彼氏。それぞれの運命は。
第2章では、桐子がまだ少年の頃の話が描かれている。アレルギ