二宮敦人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(下巻)がこんなに面白いとは!
絵梨さんの明るい性格が周りの人をグイグイ惹きつける。福原欣一郎仕事以外に興味が無く面白みのない男。そんな彼が心惹かれる程素敵な女性絵梨。欣一郎が幼い頃父親は居なくなった。家族を持つこと大切な人を守ることそれが重荷になり、将来への不安となり怖くなってしまい欣一郎達の前から消えてしまったのだろう。
欣一郎もまた父親と同じ感情に襲われる、が、絵梨の前向きな言葉に不安をかき消され共に歩む事を選ぶ。
記憶障害で病院のベッド意識朦朧の中昔の出来事が次々と現実のように見えて譫言のように呟く。
主治医の桐子が事細かくノートに記し福原の知らない父親欣一郎の絵梨や息子にたいする想いを知ることができる。
本当不器用な父と子です!絵梨さんも天国で呆れながら笑って2人を見守っていたに違いない^ ^。
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Posted by ブクログ
最後の医者シリーズ。前作から6年ぶりだそう。
私は最近知った作家さんだったので、続けて読むことが出来てラッキーでした。
本作は、死別後に遺された家族がテーマ。
大事な人を失った遺族の辛さや悲しみだけでなく、悲しみと寄り添うようになれるまでの変化や辛い気持ちをどう持っていくか、時間を経ての経過などがリアルに描かれている。
また、遺族がテーマで、そちらがメインで描かれていながらも、医者である2人はきちんと(というと語弊があるかもしれないが)隠れることなく主役として登場し、いくつかのストーリーが並行して進んでいく構成力。
3人で生きていく。
重なる言葉も素敵でした。
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Posted by ブクログ
今年のベストになりそうな作品。『最後の秘境 東京藝大』が好きだったので読んでみたが、それ以上の内容だった。小説とはいえ、かなりのところ実体験を反映しているのではないかと思わせる(大学名などは全て実在のままだし)。
大学サークルを自分たちで運営していくことの意味を考えさせられた。一年生はお客さんとして入り、その世界にどっぷりつかりながら、徐々に運営側に回っていく。
このお話の中で一番核になっているのは、「固定」という踊るパートナーの固定の組み合わせを、二つ上の学年の先輩が決めていく仕組みなのだが、女性の割合が多い競技ダンスの世界では、どうしても相手のいない女子が出てきてしまいがちだ。相手がいなければ、ダンスの大会にも出られないわけで、この「固定」をどう決めるのかが、とても重要になる。上級生としては、できるだけみなに納得して欲しいと思って必死で考えて決定するわけだけれど、下級生の側では誰かがどうしても不満に感じてしまうことになる。
この小説は、新入部員の主人公ワンタローがこの競技ダンス部で徐々に成長する姿と、卒業から10年ほど経て作家になった彼が、この小説を書くために当時のことを振り返って、関係者にインタビューをして回る、という内容が交互に並べられて構成されている。
はじめから、この部活が最終的にとっても苦しい内容になったことが書かれているので、どのあたりが苦しかったのだろうということを想像しながら読むことになる。一年生のうちはとても充実して楽しそうなので、これがどうしてそうなってしまうのかなあと考えさせられる。
だけれど、振り返りの作業が終わった時、ワンタローにとってそのつらかった日々の意味も大きく変わっていて、読後感はとても熱い。まだ受け身だった一、二年生の日々に関するどんでん返しもあって、「ああそういうことだったのかあ」という納得感もある。
最高の体験だった。でも二宮さん、他の作品の多くはホラーみたいなんだよなあ。次何読もう。 -
Posted by ブクログ
二宮敦人さんの作品は『最後の医者は桜を見上げて君を想う』以来で2作目。
『さよなら、転生人生』
いわゆるランプの魔神であるビルカが現れ、現世を離れ自分が希望する生き方が出来る「魂」に転生できる物語
転生とは魂のお引越し♪
ワオッ!なんと軽快な・・・
転生先は、魂が抜けた直後の肉体!!
ビルカが条件にあった魂を時空を超えて探し出し、依頼者の魂をその肉体に放り込むのだ。
その他設定として・・・
・知識と記憶は持ち越される
・言語野は能力として備わる
・転生は途中でやめることも出来る
・同じ人以外なら何度でもやり直せる
ほほぅ・・・
何だかメリットしかなさそうな転生ですな。
本作は、以下の章毎に3人の主人公の転生物語
第一章 楽園を捨てる理由
古狩サトルは会社を無断欠勤して訪れた海辺で、ビルカの魔法のランプを見つける。
サトルはブラック企業に勤めるが、今の世界に嫌気がさしていた。転生先には「遊んで暮らせて、誰とも競わずにすむ世界。そりの合わない人とは関わらなくて良くて、仲のいい人とだけ一緒にいられる世界」を希望する。
第二章 人が龍を滅ぼすとき
転生希望者はサトルの友人の本原隆太。
父親が社長の隆太は、父の後継ぎとなることに反発し高校卒業後ニートを続けている。ゲーム漬けの日々を過ごす隆太は、転生先として「強靭な戦士になりドラゴン退治が出来る世界」を希望する。
第三章 ゆるしがたき病
転生ビジネスを始めたサトルに初めて依頼して来たのは、重度のアトピー性皮膚炎に悩まされる鶴田愛美。愛美はアトピーが原因で学校でもいじめにあっていた。「健康な体であれば、肌が健康であってくれれば、他は普通程度でもいいという転生先」を希望する。
ネタバレは避けるとして・・・
とにかく転生先の世界観に先ず驚いた。
国境を渡るのは当たり前で、世界を駆け巡り、遥か彼方へ時空を超える。
人々の暮らしぶり、信仰、精神、文化の有り様から、壮大なスケール感を扱っているのが圧巻だった。そして、その中に忽然と魂を転生された3人の主人公達・・・
3人それぞれの立場やものの見方に、同じ現代人として共感しながら、その背景にある現代の生き方にも、作者からの問いかけを強く感じる。
転生することによって生き方がどう変わるのか、変わらないのか、或いは転生先から戻って来るのか、来ないのか・・・
知識と記憶を持って転生しているだけに、この転生をどう活かすのか・・・
主人公が希望した魂をもってなお、悩み続け、自分の生き方を選択していく様子は実に興味深い。
各章ラストに、転生された時代と場所の種明かしをしてくれる所もにくい演出だった。第二章と三章に至っては、現世に繋がる伏線回収まであり、すっかり魅了されてしまった。
装丁の美しさと各章のタイトルセンスも素敵で拘りを感じた。でも『さよなら、転生人生』だけはちょっと違う様な気がするのは私だけだろうか。
望みどおりに生まれ変わったら、本当に人は幸せになれるのか?自分の人生をみつめるいいきっかけにもなる作品だと思う。
読後は気持ちのいい爽快感と、作者から人生のエールを届けてもらったような気持ちになれた。
是非これはシリーズ化して欲しい♪
文体も読みやすく平易な表現が成されているので読書慣れしていない方にもオススメしやすい作品だった。
これから益々楽しみな作家さんだと思う。