二宮敦人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前作の「最後の医者は桜を見上げて君を想う」を読んでから、こちらを読みました。登場人物の性格や考え方、人間関係を知った上で読んだ方がよりすんなり読めると思うので、ぜひ桜バージョンから読むのをお勧めします。
今回は2章構成で第1章は同じ病気にかかりながらも考え方次第で全く違う人生を歩むことになった2人の話。第2章は助かる見込みがないと言われながらも、最後まで諦めずに常にポジティブに病気と戦った母親の話。
医療の限界はあると言えど、病気との向き合い方次第でこうも違うものかと考えさせられました。
実はこの"雨上がりの空"バージョンの下巻も読み始めているところ。へぇ〜上巻の話がそう繋がってたんだ!?と、今、面白くなってきたところです。病気や死について考えるきっかけを与えてくれる良い本だと思います。 -
Posted by ブクログ
死に対する考え方が正反対の医師、福原と桐子。その間で揺れる医師、音山。
ライバルであるが、最後には深い友情で再び繋がった3人の素敵なお話。
悲しくはあるけど、心の中が不思議と温かくなるストーリーでした。
「死」に対する向き合い方は医者が決めるものではなくて患者本人が決めるべきで、どれが正解とは言えない。
今、いくら健康だからと言っても、この本に出てきた患者のように、不治の病や難病にかかる可能性は誰にだってある。自分だったらどう決断するか、この本を読みながら改めて「死」について考えるきっかけになったし、いざその時がきたら周りの意見に流されず、自分の意志で生き方を決めたいと感じました。 -
Posted by ブクログ
知らない世界に少し近づけた気がして、とても楽しかった。藝大には多くの専攻があるが、どの領域も学校側は環境を提供すること、知識や技術を指導することまでしかできず、その先は学生自身で築き上げるしかない。学生自身がそのことを深く理解しており、責任感の強さが感じられ、自分の学生時代を振り返って少し恥ずかしくなった。
学生は一つの専門領域の技術をひたすら極めるようなイメージをもっていたが、歴史やつながりを学び、広い視野で理解を深めつつ、自分らしい表現を作り上げるという、非常に複雑で終わりのないような努力を積み上げているのだと知ることができた。苦しく不安がある中で、それでも楽しそうに芸術に向き合う様子がとても魅力的だった。 -
Posted by ブクログ
最近読んだ本の中で、間違いなく一番面白かった一冊。
「殺人鬼」という存在に正面から向き合った作品で、思想の異常さにゾッとしながらも、殺人鬼の妙な説得力に引き込まれてしまう。怖いのに面白くて、知りたくないのに知りたくなる。その相反する感情が、自分の中でせめぎ合いながら最後まで読み切った。
本屋で何気なく手に取ったのが運命だったと思う。冒頭の「殺人の危機にさらされたくなければ、殺人について調べ知り実態を確かめるべきなのです。」
という内容で知りたいと思った。最初の章「故障」を少し読んだだけで、グロテスクな描写や性描写に圧倒されつつも、“怖いけど読みたい”という矛盾した欲望が止まらなくなり、そのままレジへ直行。そこからは仕事の合間や寝る前に夢中になって、気づけば3日で読破していた。
どの章も印象的だったけれど、「選別」だけは読むのがつらかった。戦時中に子どもを自分の手で3人も失う母の話は、単なるフィクションとして切り離せず、娘を持つ自分と重ねてしまい胸が苦しくなった。読みながら「もし自分だったら…」と考えてしまい、手を止めてしまう場面もあった。
それでも全体を通して、この本は“人間の奥底にある残酷さや狂気”を浮かび上がらせるだけでなく、“なぜ私たちは恐怖や死に惹かれるのか”という問いを投げかけてくる。単なるエンタメの枠を超え、好奇心や想像力を揺さぶってくれる体験だったと思う。
読後感は決して軽くはないけれど、ページを閉じたとき「読んでよかった」と素直に思えた一冊。怖いもの見たさを満たしたい人、そして“人間”を深く覗き込みたい人におすすめしたい。