あらすじ
続々重版、25万部突破!本読み書店員が選ぶ「感動小説」第1位!
自分の余命を知った時、あなたならどうしますか?
死を肯定する医者×生に賭ける医者
対立する二人の医者と患者の最後の日々――
衝撃と感動の医療ドラマ!
あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは? 究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ誕生!
【文庫書き下ろし】
<全国の書店員様からのおすすめコメント>
とてもとても重い作品で、死ぬ事について何度も何度も考えさせられました。その中で最後の最後に一粒だけ用意されていた小さな希望に私は自然に涙を流していました。
(TSUTAYA 三軒茶屋店 栗俣様)
「あなたは大切な人の余命を知った時、どうしますか?」対立する2人の医者を通して命の重さを考えさせられました。
(紀伊國屋書店 新宿本店 宮本様)
医者達が織りなす「生」についての物語は考えさせられる部分が多く、ラストは涙が止まりませんでした。
(オリオン書房 ノルテ店 澤村様)
著者の集大成的なこの作品は涙がこぼれる場面が多々ありますので通勤・通学中に読まれる場合はご注意ください。
(福岡金文堂 姪浜南店 林田様)
医師達の「本気」が文字から浮かびあがってくるようでした。彼らは本当に、強い。人間賛歌とはこのような作品のことを指すのではないでしょうか。
(宮脇書店 本店 藤村様)
死の恐怖が安らぎと受容に変わったとき、本当に生きる意味とは何なのか、迷いながらも最後まで戦い抜いた患者、医師達に涙があふれました。
(伊吉書院 類家店 上道様)
「死」を透かして見えてくる「生きる」ことの真の意味。死が怖れから安らぎに変わる瞬間をあなたは知るでしょう。
(東郷倶楽部 代表 医師 東郷清児)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本を読んで深く感じたことがある。
元気であることは幸せなこと。健康であることは何事にも代えがたい。日常生活での嫌なこと苦しいこと腹が立つことなどちっぽけな出来事。
新ためて健康でいられることに感謝したい。
Posted by ブクログ
死神と呼ばれる医者、桐子。彼は、死を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末は。誰もがいずれは死んでしまうけれど、死との向き合いかた、死ぬまでの時間を精一杯過ごす人の生とむきあうことが、読んでいて苦しくなった。今ただ生きていることが、とんでもなく感謝すべきだと感じた。
Posted by ブクログ
本を読んで泣くという経験がこれまで2、3回あったかなって思うけど、今回は涙なしには読めませんでした。
「生きる」ことの意味。最後まで闘う方法、考え方が対角にあるような2人だったけど「医者」として懸命に闘っていた。
Posted by ブクログ
読むのが辛かったり、号泣しながら何とか読み終えました。
私が完治が難しい病気になったらどうするだろうかと、読みながら考えてました。
死を受けいれたまりえさんのご両親の「生きてるだけで……いいのに」という言葉は忘れられません。
それでもご両親はまりえさんの意思を尊重して、自分たちの娘は頑張ってて凄い、偉いと言います。
素晴らしい作品でした。
読んで良かったです。
Posted by ブクログ
何度も泣かされました。
出てくる病気が皆辛そうで凄く怖いです。
何がなんでも諦めるな治療を続けろ!と燃えたぎる医師とあなたの病いで今の治療は苦しい思いをしても少しだけ長く生きられるだけのこと…と患者に言ってしまう医師。
どちらも間違っていないけれど…
難しい問題を抱えているお話しでした。
Posted by ブクログ
この物語にはもうすぐ子供が産まれる会社員、3年頑張ってようやく医学部に合格できた大学生、患者と一緒に迷い悩む、なかなか答えが出せない苦しさを分かち合うあえる医者の3人が、完治不可能な病気になり、究極の選択を強いられます。
医療の話だとわかって読み始めたものの、私も、治らない病気を抱えている家族がいるので、医者の言葉や患者の立場をすごくリアルに感じてしまい、途中読むのが辛かったです。
でも何とか最後まで読みました。死を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道を進める桐子と、完治不可能でも奇跡を信じて最後まで生きることを諦めるなという福原。この2人の医者の成長も読み応えがありました。
今日元気だからといって、明日もそうだとは限らない。私も毎日を後悔しないよう、今日も頑張ったな、楽しかったなと思える日々を過ごそうと思います。
Posted by ブクログ
完治することが不可能な病気を患った場合、つらくても治療を続けるのか、緩和ケアに切り替えるのか、とても難しい問題だと思います。
私個人としては、苦しみ続けるよりも残りの人生をその人らしく生きる道がいいのではと漠然と思ってきました。
ただ、それはあくまである程度人生を長く過ごされた患者さんを想定していたのだなと今回気が付きました。
新婚で奥さんが妊娠中の会社員。
3浪してやっと医学部に合格したばかりの大学生。
たくさんの患者を救おうとしている医師。
病気は人を選ばないとはいえ、この人たちの状況、心境を想像すると、簡単に緩和ケアがいいのでは、なんて思えない。
彼らが何を思い何を選択していくのか、その葛藤がとてもリアルで胸が痛くなりました。
自分ならどうするか、考えても考えても答えは出てこない。
家族の立場になっても答えは出ない。
涙が止まらない作品でした。
Posted by ブクログ
医療を諦めた今でも忘れられない作品です。命に対する選択というのはある日突然やってきてしまいます。明日があるとは限らないのは、健康な人も病が命を蝕んでいる人も変わらないのに、当たり前の明日を信じています。きっとそれは必ずしも悪いことではない。でも、自分らしい戦い方を自分で選びたいです、わたしの人生だから
Posted by ブクログ
とても素敵な作品でした。医療ものは初めて読んだのですが、本当に辛い現場だなと思います。
正直、心が元気な時でないとかなり凹みますし、引きずります。まだ心に針が引っかかって取れない感じがしています……。
私も、もう少し大事に生きていこうと思いました。
Posted by ブクログ
命とは
生きるとは
死ぬとは
「死」を受け入れ残りの日々を大切に生きる道を説く医者桐子
奇跡を信じて最期まで治療の余地を探り「生」を諦めない医者福原
描かれる患者側の気持ち、医者側の気持ち
何を大切にし軸にするのかは人それぞれ
選択って難しい
章名の通り、死からは逃れられない状況で
圧倒的な苦しさや悲しさの中にもその選択には微かな希望や温かさもあって
感情を揺さぶられる作品だった
Posted by ブクログ
キレイ事や、装飾されたドラマのような
死を描くのではなく、
目を覆いたくなるような、現実の描写。
命について、生きるということについて
深く考えさせられた。
桐子という医者が、急性骨髄性白血病の患者と
語り合うシーン。
生きたい、だけど、数%の奇跡の可能性を何度もくぐり抜けるために、身を切り、骨肉を千切るような
苦しみの治療に耐えなければいけないのか。
そんなのは、ただベルトコンベアに乗っているのと
おなじなのではないかと。訴える患者。
あなたにとって命とはどんなものですか。
きちんと考えたことさありますか。
ベルトコンベアを自ら降りるという選択もあるのだ。自分の足で死に向かって歩くんですよ。
生き方を失った生は死に等しいのではないでしょうか。逆に生き方を維持して死ぬことは
生に等しいのではないでしょうか。と
医者はいう。
数%の可能性にかけて治療することも、
自分らしく死ぬことも、
自分で選択する。
それが、病院の中で、ただのベルトコンベアに乗った製品にならないこと。
自分の命を自分で舵をとること
舵は医者の手や、奇跡に
あるわけではないということ
深くささった。
Posted by ブクログ
死に向き合う医師の話。
とても良かった。初めは、ライトノベルチックな感じかと思い読み進めたが、読み終わってびっくり、全然違うし、内容も題材も凄い。
女子大生の所の話は涙が出そうになった。
価値観、倫理、考え方、色んなものを総合的に鑑みても良い作品だと思う。
Posted by ブクログ
突然余命を宣告されたら残りの人生を過ごすか、どんな状態の患者でも救おうとする医者と、生と死に向き合っているからこそ死を受け入れ限られた時間をその人らしく過ごすべきだと考える医者の両極端の存在を通し、考えさせられるお話だった。音山の願いを、出世のチャンスを捨てて最後の最後に叶える手術をする福原と桐子の3人の友情にぐっときた。歩み寄れなくても友情は友情なんだな。
Posted by ブクログ
二宮敦人さんは初読みの作家さんだった。
装丁デザインの美しさに魅かれて手に取り、イラストのイメージから、勝手に軽いタッチの小説だと思ったら、しっかりと重たい内容の医療小説だった。
【あらすじ】
物語の舞台は武蔵野七十七病院
副院長の「福原雅和」は患者の命を救い、奇跡が起きることに執念を燃やす天才的な外科医
一方、患者には死を選ぶ権利があるという信念で、残された時間を有意義に過ごし、尊厳死を勧める「桐子修司」
両者の間を取り持ちつつ、自身の在り方を問い続ける「音山晴夫」
大学からの同期である彼等の「医師」として或いは「人間」としての信念が交錯しながら、3名の患者の闘病を描く形で物語は進む。
【レビュー】
何度も何度も涙が溢れて、一話読み進める毎に脱力感が凄まじく、放心状態になりながらも夢中で読み進めた。
誰もが避けて通ることは出来ない「死」
いつ訪れるかも分からず、明日生きている保証もない毎日なのに、多くの人が直面するまで無防備で、直面する時に初めて自身の無力さを知るのだろう。
医療現場の緊迫した現実や、病院内の異質で異空間な様子、生と死が隣り合わせの日常、、、
平穏な生活のすぐ側で、実際に起きている医療現場の様子が、圧倒的なリアリティで迫ってくる。
病と真っ向から闘う姿勢の福原は、逞しくて強くて、一寸の迷いも感じない。私も患者だったら希望の光を見出したくなるだろう。
ただ、治る見込みが無いならば、尊厳死という選択肢こそが救いだとも思う。桐子は作中で死神と呼ばれているが、死を受け入れるという考え方には、私も賛同したい。
そして対極的な両者の間で揺れる音山。
患者と一緒に悩み苦しんでくれる医師というのは、頼りないが温かで人間味を感じる。ただ医師の忙殺される日々では、精神が保たないのではと心配になる。
読みながら、何度も何度も、自分の死生観を見つめることができた。亡くなった友人や家族のことを偲び、これからの大切な人との過ごし方や、これからの人生の時間の使い方にも思いを馳せた。
本当に色々なことを考えさせられた。
日常生活では、なかなか考えることが少ない、そういう機会が持てたことこそが、読後の何よりの恩恵だった。
本作に出会えたことに心から感謝したい。
感涙必至なので読む場所に注意だが、
とてもオススメ!!
二宮敦人さんの他の作品も読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
人は必ず死に向かう。
でも日常を送る中で、死について考えている人はそういないと思う。
そんな私たちに、いきなり死が向かってきたら?
人生80年と言われている今、まだまだ先だと思っている私が、いきなり死と向き合えるだろうか?
対象的な2人の医師。
どちらの考えも正しいと思うけれど、私なら人としての尊厳を重視した死を迎えたいと考えるかな……?
3人の患者さんの壮絶な治療と覚悟。
とても考えさせられる作品でした。
Posted by ブクログ
避けられない死を前に、患者と医者が何を想って何を選ぶのかを描いた医療小説です。
舞台は地域の基幹病院。そこに勤める大学の同期だった三人は、三人とも全く異なる性格をしている。病院経営者の父を持ち自らも副院長として勤めている情熱に燃えた凄腕の外科医、患者の希望に寄り添いその望みをかなえるためであれば『死に方』の相談にも乗る冷静な変わり者の皮膚科医、両極端な同期二人の間でどっちにもつけずに悩む心優しい苦労性の内科医。患者のためを思って医療を施す彼らは、その向き合い方も三者三様。しかし、どれほどの治療を試みても死が避けられない状況もある。その圧倒的な『死』という現実を前に、彼らがまたは患者が選ぶのはどのような道なのか。
命について、生について、死について、色々と考えさせられる話でした。
私は、昨年祖母を看取りました。病院の先生は『次に来たら入院だよ』と何度も何度も言い、祖母は病院に行くたびに『入院はしません、家に帰ります』と強く主張して帰宅するということを繰り返しました。これ以上の延命治療はしない。自宅で自分の思うように過ごしたい。それは、治療をやめることを選択することで『死』を選択するのではなく、『最後の生き方』を選択することだったように思います。その祖母の姿勢が、今回の話を読んでいると思い起こされてなりませんでした。
人は、いずれ死んでしまう。死なない人はいないし、思い通りの死に方ができる人などいないに等しい。そんなことは当たり前なのに、その時になるまでそのことについて考えるのは稀であると思います。いつでも、それが突き付けられるのはきっと唐突で、理不尽なものなのでしょう。それにどう向き合って、何を選ぶのか、どんな思いで決断するのか。誰かの病気や怪我を治す話ではなく、誰かの『死』に際した話をメインに物語が進んでいくのは、逆に新鮮なような気がしました。
最終章は読むのがとてもつらかったです。けれど、この『死』を乗り越えた彼らがこの後どうなっていくのかが気になります。
この作品はシリーズの続編もあるようなので、また心のエネルギーが十分溜まったら続きを読んでいきたいと思います。
Posted by ブクログ
いつも通り過ごしていた中、突如生死がかかった選択を突きつけられたらどう思うのか
患者本人も、医者も、それぞれ信念や価値観があるんだな、と感じたし、最終的な局面で自分の本当に大事なことは?に向き合い覚悟を決めること、それまでのプロセス含めかっこいいなと思った(この感想文だと表現薄すぎるけど…)
ただ生きるのが本人にとって正でもないし、
死を選択することが悪でもない
桐子先生が死を悪としていないことは救いだと思うし、
最期まで自分の人生を全うできる、肯定してくれてる気がして、死が希望にも感じれたのは初めて。
他人事ではなく自分事になればまた考え方も変わるだろうし、その描写も丁寧で素敵だった
奇跡を信じて最後まで戦うからこそ見える世界と、死は早めるけど自分らしい生を叶えられること。
真逆な価値観だけど、患者を本気で想うからこそという根幹は同じ。
福原先生は生、完治に向け諦めず戦う
桐子先生は時に死の選択を提示する
両極端な2人の医者の同期である音山先生は
どっちつかずというか、自分はどうなんだろう?と在り方に悩んでいた方。
音山先生とまりえさんの回で、「一緒に迷ってくれる人から救い」「極端な2人じゃ救えない、間の立場だから救えた」というような部分は、私にとっても救いになった
尖らなくてもいいし、分かりやすくなる必要もないし、悩んでもいいんだなぁとも思う
FM802浅井さんのモーニングストーリーで知った作品の1巻目
シリーズものだから読んでみる
Posted by ブクログ
学校 ★★☆ 大人 ★★★
地域基幹病院七十字病院には「死神」と呼ばれる医師がいる。
その医師・桐子修司は末期の患者に対して延命の難しさを隠すことなく告げ、残りの時間をどう使うかの選択を患者にゆだねるのだ。
その冷酷とも思える率直さは患者やその家族を激怒させるものだが、その言葉を受け入れ感謝の言葉を残す患者もいるのだ。
そんな桐子を苦々しく思っているのが、桐子と同期で七十字病院副院長の福原雅和だ。
彼は天才ともいわれる外科医で、その前向きな熱量で患者に勇気を与え、病気と真正面から闘う医師である。
福原から見ると手を尽くす前に死を選ばせるような忠告をする桐子が医師として許せないのだ。
正反対な二人のもう一人の同期・音山晴夫は、揺らがない二人を羨ましく感じ、自分の中途半端さに思い悩む。
そんななか三人が卒業した東教医科大学に入学したばかりの少女・川澄まりえが音山の診察を受けにきた。
音山はまりえの病気と向き合うなかで、自分らしい医師としての立ち位置を考えていくようになるのだが…。
「死」と向き合うということに現実味がなく、QOLについて考えてもどこかで聞いたような意見しかがでてこない生徒には一読をおすすめしたい。
Posted by ブクログ
医者の世界についての設定に無理があり、どうしても違和感を感じてしまったが、自分の生命に向き合おうとする人達の物語は胸を打ったし、両極端な二人の医師の考え方の違いも楽しめた
Posted by ブクログ
この物語では3人の人が亡くなります。会社員と医学生と医者。それぞれにはそれぞれの事情があって、死ぬわけにはいかない。そもそも、誰にも事情はあって、死にたくないですよね。でも、突然病気に襲われて死んでしまいます。
1人目の会社員は、大切なプレゼンを控えていて、プレゼン当日に検査を受けると白血病と診断され、その日から入院を余儀なくされます。その会社員には妊婦である奥さんもいて、これから生まれてくる長男のためにどうしても生きたい。
2人目の医学生は、3浪してやっと合格した医大に入学。でも、その頃から体に異変が起こります。病名は筋萎縮性側索硬化症。今の科学でも原因不明の治らない病気とされる難病です。
3人目の医者は、2人目の患者の主治医。医者は両親が亡くなり、祖母に育てられ、毎週祖母に電話して声を聴かせている。祖母は医者からの電話を何より楽しみにしている。喉に癌が広がっていて、他にも転移していた。あとが短い祖母よりも長く生きたい。そして最後まで声を聴かせたい。
この病院には、福原、桐子、音山という同期の3人が在籍していて、考え方はバラバラ。でも、この個性豊かな3人は、自分の信念に基づいて行動している。
どんな患者でも、何としてでも助けるという強い意思を持つ福原。
完治しない患者には辛い延命治療を推奨せずに、残りの大切な時間を自分らしく生きることを進める桐子。
優柔不断だが、患者に寄り添い、患者と一緒に最善の道を探そうとする音山。
私なら誰に診てもらいたいだろう。自分の身内であったり大切な人だったら、間違いなく福原に診てもらいたいが、私が診てもらうなら桐子か音山かなぁ。
最後に福原がとった行動には拍手を送りたい。
Posted by ブクログ
病と戦うこと、生を諦めないこと、反対に自分はどう死にたいか、など「死」をテーマにした重たい作品。
生に執着する医者と死を受け入れる医者、そして自分は死と向き合えているのかと悩みながらも奮闘する医者の同期三人が、誰も間違っていなくて相容れない様子がもどかしい。
病と戦う患者さんたちの死の数よりも、生に向けた想いが強くて苦しくなる。
いつか自分が病と戦う立場になったら、この本の言葉がとても救いになる気がして、今度読む時にはマーカー引いてすぐ出せる場所にでも置いておきたい。
Posted by ブクログ
章題からして結末は分かっているのに涙が止まらなかった。
特に最終章はどの人物のことを指しているのか。ソワソワしながら読み進めた。
命の重さや尊さ、そして死を選択するということ。
医療系の話だけれど難しいエピソードは無く、純粋に命というものと向き合えた気がする。
Posted by ブクログ
表紙とタイトルの印象から、感涙至極の強要的ラノベ系?と、邪推したことを猛省します! いやいやどうして、素晴らしい作品でした。未読の方は即読まれたし! 後悔しません(多分)!
"医療もの"によくある権力や金、妬みや陰謀、また天才的な技術、愛情等を主軸とした感動的な物語とは一線を画しています。
本書は、対極の医療を信条とする2人の医師とその狭間にいる医師による死生観の物語と言えます。
不治の病でも決して諦めず、どこまでも救おうと全力を注ぐ福原。死を受け入れ、余命をどう生きるかに重きを置く桐子(あだ名が死神)。この2人の医師が、3人の患者の死と直面します。
人間の本質を突き、医療のリアルな実態描写に引き込まれました。特に2人の医師が極端に反りの合わない描写で、余計に感情が揺さぶられ自分事として考えさせられます。何せ人間の致死率は100%ですから‥。さらに、「あなたならどうする?」と、重い課題を突きつけられているようです。
延命か尊厳死か‥。どちらが正解か簡単には割り切れない問題で、両者それぞれに欠けてはいけない視点があると思います。両者ともに筋が通っているので‥。
「どういう死に方をしたいかと考えることは、残された生をどう生きたいかと考えることだ」という発想は至極納得します。
限りある「生」を意味あるものにしたいと、改めて思わされた一冊でした。
話は逸れますが、本のタイトル・表紙・帯が、本の購入、読むか否かの判断への影響を、またしても考えさせられました。難しいんだなぁこれがー! 自分のカンに従っても、当たり外れはありますよね‥。
Posted by ブクログ
これから死ぬ人がどんな感情を抱くのかとかが、すごく自分の身に起きたかのように知れた。どの医者も広い意味で人を救うのを全うすることに変わりはないけれど、それでもこの考えの医者が全部正しいとかがあるわけではなくて、医者同士でも対立ってあるんだと思った。これから生きるのか生きるのをやめるのかは本人が決めることであって、決断してから周りが違う価値観を押し付けるのは一番あってはならないと思う。
自分を生きる
近々本書の続編が映像化されるというので、読み始めました。
白血病の実情について、ドラマなどでの知識しかなく、その厳しさを改めて知りました。
医療ものは本もドラマも数多く世に出ていて目にしていますが、エンターテインメントとて受け取っていたんだなと思います。
医師も一人の人間で、生き方についての考え方は様々であるはずです。
ただ、その信念に従って患者の命に向き合っている医師はどれくらいいるのか。
そう考えたとき、自分は自分の生き方にどれだけ真正面から向き合っているのかと、考えさせられました。
人は自分のためだけには生きられない、そんな生き物なんじゃないでしょうか。
Posted by ブクログ
病気で「死ぬ」ということはどういうことなのか、どう捉えたらいいのか、どう行動したらいいのか、そんなことを登場人物を介して垣間見た気がする。
章に分かれておりテンポも良くとても読みやすい。
続きが気になりすぐに読んでしまった。
次巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
あなたへのおすすめ、として著者の別の本が出てきて、同じ著者の文庫本の中から最高スコアの本、ということで選んで読んでみた。
三つのお話の中では、最初の「とある会社員の死」が一番自分の立場に近いので、その、あまりに壮絶な死に様に、涙なくしては読めなかった。急性骨髄性白血病となり、産まれくる我が子に会うことなく、新妻に我が子を託して、父は懸命に戦ったと我が子に伝えるように頼む遺書を、本人の絶命直前に妻が読んで絶叫する場面は、とてもこたえた。
ひとの生き死には病院の中の閉じた世界で起きることが常態化したとはいえ、その中で生きてきる医者・看護師にとっては、死は日常であり、その中で麻痺してしまった方がよほど楽な筈なのに、真摯に死に向き合う物語。
Posted by ブクログ
考え方が違う2人の医師と「死」を前にした人々の物語。
どんな手を使ってでも患者を助け、命を繋ぐことを諦めない福原。余命宣告され残された日々を自分らしく生きることを説く桐子。
個人的には常に闘志を燃やし、技術が人一倍鍛錬された福原医師より、患者の意見を尊重する冷静な桐子医師のほうが医師として有能なのではと感じます。
あくまでも私個人の意見です
Posted by ブクログ
死を受け入れる医者と生にしがみつく医者。どちらもそれぞれ信念があって、けどちょっとどちらも極端過ぎるので、間の音山先生は人間らしいような気がする。
私は患者が決めていいと思う。自分の命は自分で全うしていいんじゃないかな。
命を考えさせる作品
生き方ってひとつではないし、命ある限り何通りも存在する
ただ生きてるだけが幸せじゃないと深く感じました。
目が見え、耳が聞こえ、ご飯を美味しく感じられ、自分で身支度ができたり、そんな普段なら何とも感じないことが幸せなんだなあ。
ただ、誰がどのように死んでくのかそういったのが初めに分かるため、ハラハラ感が全くない