二宮敦人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
増田文学賞の受賞で作家となった笹野は、年に一回行われる飲み会に参加していた。増田飲みと呼ばれるその会は増田文学賞でデビューを飾った作家達が集まるという特殊な会であった。個性的な作家達に囲まれ、楽しい会になるはずであったが……。
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初読みの作家さん。二宮敦人さんの書籍は何冊かタイトルに惹かれ所持しているが、読んだのは初めて。他の作品のタイトルやあらすじがグロテスクなものを思わせる陰鬱なイメージを持っている作家さんだったが、こちらの小説はかなりコミカルな内容のミステリ小説だった。
要所要所でグロテスクな表現があり、凄惨な様子もあったのだがそれさえも押し流してしまうような爽快感のあるテン -
購入済み
最後
全体を通して、簡素であるよう丁寧に気持ちが向けられた文が読みやすい。展開も無理矢理感は少なく自然。
しかし最後。パパ福原の回想を一人称、福原は三人称だったものが激しく混同。表現上意図されたものであろうと、いきなり読みにくく素人文のようになるところは助けて欲しくなる。 -
無料版購入済み
やっぱりすごい!
やっぱりすごいなあ厳しい世界だなあとひしひしと感じました。それでも続けられるのは楽しいが根底にあるからなんだろうな。小説の方も読んでみたい。
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Posted by ブクログ
数学は言語。
文系に偏りまくっている私は基本的に学校教育レベルの理数科目がほとんどギリギリ(アウト)だけど、アコガレみたいなものがあって、数学の本を読んだりしています。
数学史の本で歴史上有名な数学者(ガウスとかフェルマーとか)の電気みたいなのは読んだことあったけど、数学者へのインタビューは初めてで、面白かったです。正直研究内容の細かい話は難しいけど、数学や専門分野に対してどう思っているのか、何が楽しくて研究しているのか、などを語る目線が見えるような文章でした。研究者ではなくても、数学と現実世界を結びつける職業の人たちもとても魅力的な活動をしてるんだなあと感じます。
著者の二宮さんは芸大の本も -
Posted by ブクログ
あと一年で失明する女。就職活動を開始した男子大学生。蚊に刺されやすい男。初体験を空想する女子高生。ブスだと気にするOL。夏休みの宿題を始める少年…
彼らがつける「日記」。初めは普通の日常だったはずなのに、ささいなこだわりやきっかけから妄想に固執するようになり、だんだん狂っていく。
Dの日記、Zのブログあたりがすき。
Uの送信メールボックス、も予想できる展開ながら面白かった。
ラスト「私の日記」、ちょっと唸った。自分の中に存在する狂気。その時は変だという自覚がなくても、書き出してみると狂気に満ちているかもしれない。
私は正常です。
大丈夫!