岡嶋二人のレビュー一覧
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本作は競馬場と北海道の牧場が舞台背景です。北海道の牧場で起きたほんの小さな事故が発端になり東京~北海道でエリートサラブレッドの行方を廻って馬主・警察が犯人を追う物語です。
まず、感心するのは今回誘拐?盗難?された素材が「馬」である事、普通?(犯罪に普通も常識もないでしょうが)盗むなら現金や換金性の高い物を選びますが犯人が盗んだのは転売も出来ない登録が必要な馬主となってレース出場も叶わない事がはっきりしている素材を扱った小説であると事です。
著者は競馬好きとの事で本ミステリーを執筆したとの事ですが盗難に至る真の理由や2重に張られた犯罪トリックと身代金の行方等が新鮮な上に本ミステリーは他と -
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現在はダカールラリーと名称が変わり舞台も南アメリカに移ってるのですが、この作品は日本企業(パイオニア)が冠スポンサー時代の1988年クリスマスのパリから1989年1月13日セネガル迄のレースでミステリー作家の”岡嶋二人”こと井上泉と徳山諄一が競技者と同じルートを四輪駆動車で同行取材した記録です。
パリダカファンの私は最近著者の小説を読み始めた事もあってこの体験記に世界一過酷なサバイバルレースが著者の目を通してどんな風に語られるのか興味深々でした。
普通のレース参戦記や同行取材記だとどうしてもレース参加者の勝負やチーム、ライバルの動き等やはり競技中心になるのでしょうが、本作の目線は全く違 -
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実体験としては夜中に酔っ払いに絡まれるって事はあまり経験しないですが、本作は帰宅途中の深夜に酔っ払いに絡まれてちょっとした喧嘩が死亡事故へと発展して行く。
5件の事故では被害者も犯人も何ら関係の無く殺人とは無縁の事件なのだが、共通している点がある。被害者の年齢が20代である事、被害者は亡くなる前日から行方が判らなくなっていた。
事件を解決するのは警視庁の刑事部長から依頼された警察関係なのか探偵なのか意味不明な3人組みだが彼等の推理と行動力で事件の関連性と犯人グループを追い詰める。
著者「岡嶋二人」の今回の作品にはまたしても凄いの一言です。酔っ払いの喧嘩から殺人事件へと展開し犯人の方 -
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怪我をして現役を引退した元ジュニアウェルター級の世界チャンピオンの赤ん坊が誘拐された、犯人からの要求はお金ではなく、何と二日後に控えている同じジムの次期世界チャンプと期待されている甥のタイトルマッチ戦でのノックアウト勝を要求するものだった!
相手に負けろという要求なら理解出来るが勝利しないと赤ん坊を殺すという、不思議な事件に関係者、警察は戸惑う、そんな中、甥で必勝が子供を救う手段だとプレッシャーが掛かり軽い練習中に何と右中指の付け根の骨にひびが入りノックアウトどころか出場自体が危ぶまれる事態となる。
警察やジム関係者の協力により、犯人はチャンピオンに成れなかったボクサーが有力との線で捜査は -
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過去作品シリーズ。岡嶋二人の初期競馬三部作(?)の三冊目。
ある時、日本中央競馬会に1通の脅迫状が届く。
その内容は『日曜日の第10レースで1番の馬を勝たせろ。要求が聞き入れられない場合は伝貧ウィルスを打つ』
と言うもの。
伝貧とはウマ科の動物に伝染する病気で、これに罹ってしまった場合は安楽死処分しか施す事が出来ないものだ。
そして実際に10レースで1番の馬は負け、伝貧ウィルスはラストコールという馬に接種されていた。
日本中央競馬会の理事を義理の父に持ち、日本中央競馬会の保安課で働く主人公・八坂心太郎は、
この調査をする為、北海道へと向かった。
そこで知ったのは、今回の事件が7年前の伝貧騒ぎ -
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「七日間の身代金」
プロデビューを目指す若き音楽家カップルの千秋と要之介。ある日、富豪の後添いとなった友人から、弟と先妻の息子が一緒に誘拐されたと相談を受ける。身代金の受け渡し場所は逃げ場の無い小島で、事件は直ぐに解決すると思われたが・・・。
岡嶋二人は、ニール・サイモンの戯曲「おかしな二人」のもじりである。この戯曲は、オスカー・マディソン(妻と離婚したずぼらな性格のスポーツ記者)とフェリックス・アンガー(几帳面な性格のニュース記者でポーカー仲間。「妻に逃げられた」と転がり込んできた)が織り成すコメディ。この愉快な戯曲をもじるわけだから、岡嶋二人はユーモア小説を得意としている・・・という訳