七尾与史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
○安楽椅子探偵にネット捜査を加えた最強コンビの圏内ちゃんが探す犯人は一体誰!?
主人公は町村緑子こと、ハンドルネーム「圏内ちゃん」。治療のできない歯医者である見内朔太郎と結婚している。
圏内ちゃんの特徴と言えば、なんといってもネット上の「忌女板」で特定班として大きな役割を果たしていることだ。画像解析をし数少ない手がかりから犯人への手がかりを見つけ出す。
そしてもう一つの重要な特徴が、携帯の電波が3本あるところでないと動き回れないことだ。朔太郎がいることの意味はここにある。
今回の物語は、大学生赤堀が電車内で子持ちの母親に怒号を飛ばしたところから始まる。赤堀がツイッターアカウントでそれを報告すると直ちに炎上し、特定班が大学名やアパートの部屋番号、さらには匿名でしていたブログまで特定されてしまい、大学からはおそらく停学処分、内定先からは内定取り消しの憂き目にあうことになる。
ここで圏内ちゃんは、赤堀が大学で何か拾いものをしたという書き込みに目を留め、大学関係者へ協力を求める。すると、その大学生の穴井が死亡するのを皮切りに、計3名の協力者が死亡してしまう。焦った圏内ちゃんは犯人捜しを試みるが・・・
一方、警視庁管内葵町東公園では左手が切断され殺害された遺体が見つかる。ピンときた汐見坂と瀧口は、昨年12月末の井の頭公園での遺体も視野にいれ、さらに十一年前の浜松で起こった事件も洗いなおすことになり一路浜松へ。なかなか手がかりが見つけられない中、新たな殺人が・・・
敬明大学での一件と浜松での一件が徐々にクロスしていくところで、警察は赤堀にたどり着き、やがて圏内ちゃんに操作を協力してもらうことになる。
この事件の真相は、圏内ちゃんは謎を解けるのか!?
安楽椅子探偵にネット捜査というものを付け足した新感覚小説。
頼りない(ように見える)周りの面々との対比もあって、とても頼りがいのある圏内ちゃんがいまの世の中にいたら心強いだろうなぁ! -
Posted by ブクログ
ネタバレ山手線に現れるという探偵と助手兼広報担当の小学生と自称ミステリ作家の三人組によるミステリ。この著者の他の作品に比べればマイルドになっている。その分、小中学生でも読みやすいと思う。
内容はある大学生がビデオを回していると小学生がホームに転落するところから始まる。最初は「え?」と思ったが、話が進みにつれ重要なエピソードだとわかる。山手線探偵三人組の事件の始まりは痴漢の冤罪を着せられた男を推理で救う。そこから話が膨らんでいく。最後に最初のエピソードの真実がわかる。いつものアクの強さがないので少々物足りなさもあるが、安心して読めるという点で星五つ。小学生のシホが殺人事件の重さを中和している。 -
Posted by ブクログ
いやもうこのタイトルがズルい。『全裸刑事』だなんて。手に取るに決まっているじゃん、周りに人がいないのを確認してから。
連作短編集なので、一話あたりが短くとても読みやすい。しかし内容は大変真摯に「シモ」である。あらゆるものの名前や世界観など、徹頭徹尾貫かれていて、もはやこちらがどれだけ作者の頑張りに気付いて拾ってあげられるかという、ストーリーを楽しむのとは別の楽しみ方をしている自分に気づく。
ミステリーだと思って買ってはいけない。だって論理的推論なんて全然ない。
また、BL的展開もない。下半身が大変お元気なチャーリーと、その相棒である七尾は、決して交わらない。
でも、バカミスの類として、かなり気楽に読める作品として、この作風を理解したうえで読むのなら非常に面白い。
『6枚のとんかつ』を彷彿とさせるが、こちらの作品の方がよみやすいかと。