七尾与史のレビュー一覧
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神保町はすずらん通りにある新刊書店が舞台のミステリ、第二弾。
いわゆる“書店もの”とはちょっと方向が違っている。
本好きな人たちが本への愛や薀蓄をこれでもかと語る傾向にあるのが書店ものの特徴だと思っているけれど、この本屋さんの場合、結局最後には、
「今日のベルサイユ(書房)はたいへんな人ですこと!」
ということになってしまうのだ。
今回は5枚の写真を追ううち、消去法と芋づる式に(芋はつながっていないのだが)いくつもの真相を探り当てることになり、最後は怒涛の展開となる。
読者は必死で手繰り寄せる芋づるに様々な形の実がなっていることに驚きながら、最後に「ギャッ!」と言って手を離すことになる。
続 -
Posted by ブクログ
自己中心的な理由を吐く男に対して、掲示板は大炎上。
調べていくと、その男は死んでしまっていて…。
さらに別の事件で死んだ女が、男が…と
どういう繋がりなのか、と悩みたくなる内容。
要所要所に、小学生の話も入っていて、一体なんなのか。
と思っていたら、ようやく全貌が…みたいな状態に。
これは、ものすごくミスリードをしれくれる内容でした。
騙された、というよりは、そっちに転ぶのか! と。
お色気たっぷりの、不倫万歳の肉食刑事も出てきますが
一生その恋愛観がばれないようにしてもらいたいです…。
善意のバトンリレーって、よい考えではありますが
その人にとって何が善意なのか、が考えさせられます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろかったー。
これも、ラノベ?
主人公や「ベルサイユ書房」の人たちはそれぞれ「濃いキャラクタ設定」なはずなのに、キャラクタ性が説明調でしか描かれないので、人物描写が浅くて残念。
キャラクタをつくりこむ、っていうのは、読み手が勝手にいくらでもそのキャラクタをつかって二次創作できちゃうようなことなんだとおもう。
ちゃんとつくりこまれたキャラクタは、だれでもそのキャラクタを扱えて自在にアレンジできるんだよね。
そういう意味では主人公とその周辺の重要キャラは「よわい」んだけど。
その他の、もろもろの事件にからむ登場人物たちの設定にはいろいろと深みがあって、それでこの小説をものすごいおもしろ -
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マヤはフィクションのキャラとしては面白いんだけど、刑事なのにこの行動は許されるの…?という疑問が終始まとわりついて離れず。
なので最後にツンデレっぷりを見せられても可愛さが半減してしまったのが少し残念。
そして相対的に代官山君は語り手で出ずっぱりなのに個性なさ過ぎてイケメンという事さえ忘れ切っていて、最後でそう言えばそうだったとやっと思い出したり。
それでもサブタイトルである風が吹けば桶屋が儲かる、バタフライエフェクトな事件の仕組みとその描き方は素直に面白かった。
人が死に過ぎてはいるけれど、全ての真相が繋がった時は読み手として爽快な気分になりました。 -
Posted by ブクログ
思わず笑ってしまうダジャレタイトル、カバーイラストは大好きなカスヤナガトさん。これでは読まずにはいられない。タイトルからは想像できない色んな要素が詰まった緻密で面白いミステリでした。おススメ!!
あらすじ(背表紙より)
ある夜、八木沼真知の部屋を見知らぬ男が訪ねてきた。初対面にもかかわらず、彼はなぜか真知の昔からのあだ名や好物を知っていた。一方、周囲で不可解なことが起きているのに気付く美門玲二。どうやら眠っている間に、別人格が勝手に行動しているようなのだ。本来交わるはずのない二人の運命を結び付けるのは、半年前のとある転落事故―。真知は恋人を失ったその事故について調べ始める。