山田文のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
アパラチア地方の田舎町ミドルタウン。隣に住むドラッグ中毒のシングルマザーが夜中に発狂したり、友達の父親が暴力沙汰で逮捕されるようなことが日常的に起こる町。
この本は未来に希望を見出すことのできない環境で育つと人はどんな思考回路になるのかを克明に伝えてくれる。そしてそんな環境から這い上がり、遂にはアメリカ副大統領にまでなってしまった男の自叙伝的小説である。
ミドルタウン程ではないにしろ、労働者階層の田舎町から都会に出てきた私としては共感する所がたくさんあった。
例えば"テストで良い点を取ることは女々しいことだと思っていた"とか、"〇〇大学は最初から受験しなかった。な -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は、オハイオ州の小さな町で幼少期を過ごした著者のJ・D・ヴァンス氏が、自身の20代前半までの人生を振り返りながら、「ラストベルト(錆びれた地帯)」に住む人々がどのような価値観を持ち、どのような人生を送るかについて克明に記した作品であり、かつ彼自身がどのようにその環境から抜け出し、成功を掴んだのかについて克明に記した作品である。本書全体を通して非常にリアリティが高く、夢中になって読む事ができた。
著者謂く、「ラストベルト」に住む人々の価値観の根底には、消費主義、孤立、怒り、不信感の4つがあるという。そしてさらに、保守主義者たちの言動は、「ラストベルト」に暮らす人々が抱いている負の感情を煽 -
-
Posted by ブクログ
2024年7月に感想を書いています。今年はアメリカ大統領選挙の年です。現職大統領を擁する民主党は現職大統領であるバイデンさんを党の代表に決め、共和党は前大統領であったトランプさんを党の代表に決めました。民主党では、バイデンさんのテレビ討論での失敗や、公式の場での失言が重なり、選挙戦からの撤退を表明し、現副大統領のハリスさんを党代表に掲げるようです。
前置きが長くなりましたが、共和党党大会でトランプさんが副大統領候補として選んだのが、J.D.ヴァンスさんでした。どんな人物なのかを知りたくて、日本でもノンフィクションとして話題にもなっていた『ヒルビリー・エレジー』の著者だったので、本書を手にしまし -
Posted by ブクログ
ネタバレ地球温暖化に疑いの余地はない。国連の報告書でもこの事実が確認される。
CO2の世界の排出量は年間で510億トンでこれを2050年までに0にする必要がある
内訳は電気を使う27パー、ものをつくる31ぱー、ものを育てる19ぱー、移動する16パー、冷やす暖める7パー。
電気をつかう:現在世界の3分の2が化石燃料。
太陽光や風力は間欠的エネルギーだが電気は常に必要。再エネを普及させると間欠性の問題が大きくなるため、安価なバッテリーの開発や他のエネルギー源が必要。原子力は有効な手段。
ものをつくる:コンクリートや鋼鉄を作る際、炭素を結合する過程でCO2が発生する。
工程の電化、炭素回収、効率的な資材活用 -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナもあまり騒がれなくなったので復習の一冊。
ファイザーワクチンの製造経緯を語った本書なのだけど、実はある科学者夫婦が立ち上げたビオンテック社がメインで作り上げていた…など全然知らんことだらけだった。
mRNAってのはタンパク質を作るように指示する設計図みたいなモノなんだけど、それをコロナに対応するようにする…というのが大筋の発想かな。mRNAワクチンの最大の特徴は、通常のワクチンと違って人の身体自身に抗体を作らせる点。生物学的薬剤とかに近い考えかもね。
しかしワクチン供給のタイミングが妙に早いと思っていたら、こんなスゲー背景があったとはね…。どちらかというとビジネス書としての色が強い -
-
Posted by ブクログ
ビル・ゲイツさんは本気で地球を救おうとしている。迫り来る気候変動、地球温暖化という人類の問題について書かれた一見難しそうな内容。それがこの本では我々一般市民が理解できるレベルにまで分解して、シンプルな言葉で分かりやすく説明してくれている。ゲイツさんが如何に頭脳明晰で、説明上手な人なのかを思い知らされる。
地球温暖化に歯止めをかけるには、温室効果ガスの排出をゼロにしなければいけない。そのために各国、そして我々がすべきことは何か。ゲイツさんが歳月をかけて学び蓄積した知識を、わずか二千円弱で読めるなんて凄いことだと改めて思う。
アメリカ、日本、中国など高・中所得国の話ばかりではなく、低所得国に重 -
Posted by ブクログ
主にロシアからとされるサイバー攻撃に関する過去10年ほどのトレンドや背景がまとめられた一冊。
ウクライナに対しての攻撃のみでなく、エストニア、ジョージアなどへの攻撃についても言及している。
DOS攻撃からワイパー的な攻撃への変遷など、サイバー攻撃の高度化の流れについても分かりやすい。
アメリカ、イスラエルからイランに対する攻撃である、いわゆるスタックスネットについても制御システムへのサイバー攻撃のパンドラの箱を開けた例として触れている。
産業用制御システムを含めて、インターネットに接続されたものが如何に脆弱であるかを示すストーリーが多い。
電力など、インフラへの攻撃が如何に深刻になるか警告し -
Posted by ブクログ
これほど世界に勇気と優しさを与えてくれた、立派な女性でも、不安に押しつぶされて逃げたくなる時があるのだと知って、勇気づけられた。
自分が不安に負けないように、自分から自分へ、ポジティブな言葉をかけること。
そして、他人に不安を与えないこと。特に子どもは、大人の顔色に敏感だから、笑顔でハグして「あなたの存在まるごと認めている」ということを分かりやすく伝えること。
小さな成功が不安を和らげること。
どれも困難や悲しみ、ストレスにぶつかったときに、私を助けてくれそうな言葉や対処法。常に心に留めておこう。
特に彼女の母が、いつでも彼女の心の支えになっていることに感動した。私の母もそうであるように、いく -
Posted by ブクログ
2010年、ビルゲイツがTEDの講演で「ワクチンで人口増加を抑制する」というスピーチをした。これは、発展途上国では乳幼児の死亡率と出生率が高いことを踏まえて、ワクチンで乳幼児の死亡率を抑えれば、出生率も低下して人口爆発が防げるという意味。合わせて、核兵器以上にウイルスによるパンデミックをリスク想定すべきだと。これが抜き取られ、コロナウイルスを恰もビルゲイツ財団が自作自演で引き起こしたかのような陰謀論が生まれた。
半信半疑、というと情け無いが、よく分からなくなっていた。金持ちの心理が読めない。際限なく金銭を保有しても仕方ないから、金満物欲には限りがあり、人は善的行為に傾いていく筈だ、という、充