山田文のレビュー一覧

  • ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

    Posted by ブクログ

    アパラチア地方の田舎町ミドルタウン。隣に住むドラッグ中毒のシングルマザーが夜中に発狂したり、友達の父親が暴力沙汰で逮捕されるようなことが日常的に起こる町。
    この本は未来に希望を見出すことのできない環境で育つと人はどんな思考回路になるのかを克明に伝えてくれる。そしてそんな環境から這い上がり、遂にはアメリカ副大統領にまでなってしまった男の自叙伝的小説である。
    ミドルタウン程ではないにしろ、労働者階層の田舎町から都会に出てきた私としては共感する所がたくさんあった。
    例えば"テストで良い点を取ることは女々しいことだと思っていた"とか、"〇〇大学は最初から受験しなかった。な

    0
    2025年04月20日
  • ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

    Posted by ブクログ

    翻訳の成果もあろうが、読みやすくベストセラーも頷ける。
    全編通して「ヒルビリー」という文化への解像度を増すことには成功しているが、その中でヴァンス自身がどう振る舞い、副大統領として世界を変えていこうとするのかという点では、他者の書評にも触れられていたが、判然としないままでもある。

    0
    2025年04月05日
  • ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ヒルビリー代表かどうかは疑義もある。
    ある家族模様を語ったものというくらいではないか。
    大学進学する前に、親戚から勧められて海兵隊で3年間過ごしたことが著者の人生を大きく動かすきっかけになったんだなと思う。それがなかったら右も左もわからぬままに大学生活に埋没していたのでは。そういう出会いやきっかけの重要性という部分が印象に残った。

    0
    2025年02月17日
  • ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     本書は、オハイオ州の小さな町で幼少期を過ごした著者のJ・D・ヴァンス氏が、自身の20代前半までの人生を振り返りながら、「ラストベルト(錆びれた地帯)」に住む人々がどのような価値観を持ち、どのような人生を送るかについて克明に記した作品であり、かつ彼自身がどのようにその環境から抜け出し、成功を掴んだのかについて克明に記した作品である。本書全体を通して非常にリアリティが高く、夢中になって読む事ができた。
     著者謂く、「ラストベルト」に住む人々の価値観の根底には、消費主義、孤立、怒り、不信感の4つがあるという。そしてさらに、保守主義者たちの言動は、「ラストベルト」に暮らす人々が抱いている負の感情を煽

    0
    2024年11月09日
  • 3つのゼロの世界 貧困0・失業0・CO2排出0の新たな経済

    Posted by ブクログ

    資本主義の否定
    仕事は創るもの
    より良い世界とは何を意味するのか

    一人ひとりが考えること
    そこから逃げないこと
    自分にできることを精一杯すること
    人のせい・環境のせいにしないこと

    教育が担う未来は大きい

    0
    2024年10月02日
  • ザ・ディスプレイスト 難民作家18人の自分と家族の物語

    Posted by ブクログ

    アニメ的な表紙に反して、重い、辛い話が続く。生きるために命がけで愛する故郷をあとにして、新たな国を目指して流浪の旅を続け、絶え間ない飢えや命の危険を超えてたどり着いた先での、さらなる差別や苦難には心が痛む。排外主義や不寛容が広がるこの世界で、難民の置かれた状況がさらに悪化しているであろうことは、想像に難くない。一人称で語られたこのようなルポを読むことで、少しは難民理解に繋がるか、いや、そもそもこのような本を手に取る人は少数派か。やりきれない思いを募らせるばかりである。

    0
    2024年09月04日
  • ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

    Posted by ブクログ

    2024年7月に感想を書いています。今年はアメリカ大統領選挙の年です。現職大統領を擁する民主党は現職大統領であるバイデンさんを党の代表に決め、共和党は前大統領であったトランプさんを党の代表に決めました。民主党では、バイデンさんのテレビ討論での失敗や、公式の場での失言が重なり、選挙戦からの撤退を表明し、現副大統領のハリスさんを党代表に掲げるようです。
    前置きが長くなりましたが、共和党党大会でトランプさんが副大統領候補として選んだのが、J.D.ヴァンスさんでした。どんな人物なのかを知りたくて、日本でもノンフィクションとして話題にもなっていた『ヒルビリー・エレジー』の著者だったので、本書を手にしまし

    0
    2024年07月28日
  • ファンタジーランド(上)―狂気と幻想のアメリカ500年史

    Posted by ブクログ

    アメリカ建国から1970年代までのアメリカを総ナメする本。どの国民もファンタジーが好きだが、この国は建国された時からファンタジーなのだ
    下巻の方がより面白い

    0
    2024年06月07日
  • 地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    地球温暖化に疑いの余地はない。国連の報告書でもこの事実が確認される。
    CO2の世界の排出量は年間で510億トンでこれを2050年までに0にする必要がある
    内訳は電気を使う27パー、ものをつくる31ぱー、ものを育てる19ぱー、移動する16パー、冷やす暖める7パー。
    電気をつかう:現在世界の3分の2が化石燃料。
    太陽光や風力は間欠的エネルギーだが電気は常に必要。再エネを普及させると間欠性の問題が大きくなるため、安価なバッテリーの開発や他のエネルギー源が必要。原子力は有効な手段。
    ものをつくる:コンクリートや鋼鉄を作る際、炭素を結合する過程でCO2が発生する。
    工程の電化、炭素回収、効率的な資材活用

    0
    2024年02月25日
  • 心に、光を。 不確実な時代を生き抜く

    Posted by ブクログ

    後半の方が読み応えがあった。オバマ夫妻の信頼関係の築き方、実親との関わり関係性、バラク氏実親の人間性、実子の反抗期時代その後など、現在のミシェルオバマさんへの成り立ちへの理解が深まりクリアになる1冊。

    気高く生きるためにミシェルが心掛け実行していること。

    0
    2024年01月29日
  • 心に、光を。 不確実な時代を生き抜く

    Posted by ブクログ

    「マイ ストーリー」に続くミシェルさんの第二弾。全ての人を包み込み、その存在を認め勇気づける温かさ、庶民的な親しみやすさに、ますますファンになる。「どんな人生を送っていても、ミシェルさんになら肯定してもらえるのではないか」と誰もが思いそうな底抜けの温かさを感じる。

    マイノリティ、アウトサイダーとして育ち、そこから道を常に切り拓き続けることがどれほど茨の道であるか。知恵を駆使し努力を重ね今に至っていることがよく伝わる。読むだけで力が湧いてくるような感覚になる一冊。

    0
    2023年12月25日
  • mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    コロナもあまり騒がれなくなったので復習の一冊。

    ファイザーワクチンの製造経緯を語った本書なのだけど、実はある科学者夫婦が立ち上げたビオンテック社がメインで作り上げていた…など全然知らんことだらけだった。

    mRNAってのはタンパク質を作るように指示する設計図みたいなモノなんだけど、それをコロナに対応するようにする…というのが大筋の発想かな。mRNAワクチンの最大の特徴は、通常のワクチンと違って人の身体自身に抗体を作らせる点。生物学的薬剤とかに近い考えかもね。

    しかしワクチン供給のタイミングが妙に早いと思っていたら、こんなスゲー背景があったとはね…。どちらかというとビジネス書としての色が強い

    0
    2023年12月25日
  • サンドワーム ロシア最恐のハッカー部隊

    Posted by ブクログ

    ロシアのハッカー集団サンドワームによるものと思われる社会インフラや産業制御システムへの攻撃事例について、ウクライナ等の被害側の調査チームインタビューをもとに生々しく綴られている。技術面に偏りすぎずスパイ小説のような雰囲気もある。
    技術的レベルが非常に高く大規模なサイバー攻撃の裏には国家の影がチラつく。国防あるいは戦略兵器としての観点からサイバー攻撃の位置付けを確認できた。

    0
    2023年12月18日
  • 地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる

    Posted by ブクログ

    ビル・ゲイツさんは本気で地球を救おうとしている。迫り来る気候変動、地球温暖化という人類の問題について書かれた一見難しそうな内容。それがこの本では我々一般市民が理解できるレベルにまで分解して、シンプルな言葉で分かりやすく説明してくれている。ゲイツさんが如何に頭脳明晰で、説明上手な人なのかを思い知らされる。

    地球温暖化に歯止めをかけるには、温室効果ガスの排出をゼロにしなければいけない。そのために各国、そして我々がすべきことは何か。ゲイツさんが歳月をかけて学び蓄積した知識を、わずか二千円弱で読めるなんて凄いことだと改めて思う。

    アメリカ、日本、中国など高・中所得国の話ばかりではなく、低所得国に重

    0
    2023年11月22日
  • 地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる

    Posted by ブクログ

    ビルゲイツのトイレのプロジェクト規模が、
    凄すぎて、参考にも何もならないけど
    ビルゲイツ財団の取り組み方や、コストの調整
    世界を巻き込むチカラ、実行力
    どれとっても素晴らしい!
    ビルゲイツの奥さんも素晴らしい人だ。

    地球規模かー。ビルゲイツの生きてる、
    同じ時代に生きてる事が嬉しい。

    0
    2023年09月11日
  • サンドワーム ロシア最恐のハッカー部隊

    Posted by ブクログ

    主にロシアからとされるサイバー攻撃に関する過去10年ほどのトレンドや背景がまとめられた一冊。

    ウクライナに対しての攻撃のみでなく、エストニア、ジョージアなどへの攻撃についても言及している。
    DOS攻撃からワイパー的な攻撃への変遷など、サイバー攻撃の高度化の流れについても分かりやすい。
    アメリカ、イスラエルからイランに対する攻撃である、いわゆるスタックスネットについても制御システムへのサイバー攻撃のパンドラの箱を開けた例として触れている。
    産業用制御システムを含めて、インターネットに接続されたものが如何に脆弱であるかを示すストーリーが多い。
    電力など、インフラへの攻撃が如何に深刻になるか警告し

    0
    2023年08月19日
  • 心に、光を。 不確実な時代を生き抜く

    Posted by ブクログ

    これほど世界に勇気と優しさを与えてくれた、立派な女性でも、不安に押しつぶされて逃げたくなる時があるのだと知って、勇気づけられた。
    自分が不安に負けないように、自分から自分へ、ポジティブな言葉をかけること。
    そして、他人に不安を与えないこと。特に子どもは、大人の顔色に敏感だから、笑顔でハグして「あなたの存在まるごと認めている」ということを分かりやすく伝えること。
    小さな成功が不安を和らげること。
    どれも困難や悲しみ、ストレスにぶつかったときに、私を助けてくれそうな言葉や対処法。常に心に留めておこう。
    特に彼女の母が、いつでも彼女の心の支えになっていることに感動した。私の母もそうであるように、いく

    0
    2023年08月22日
  • パンデミックなき未来へ 僕たちにできること

    Posted by ブクログ

    書いてあることは全うなのですが、ワクチンの新興国への供給云々に関しては、流石に最初に開発した企業の国優先とかになるのは仕方ないと思いますし、人の行き来とかの問題とかを考えるとどうなのか?と思う面もありました。
    ヘルスケア関連のベンチャーも含めてブレイクスルーや成長の余地を感じました。

    0
    2023年07月25日
  • 地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる

    Posted by ブクログ

    気候大災害を防ぐために必要なことについて、誠実に理知的にわかりやすく書かれた良い本。
    個人的には以下の点も掘り下げてほしかった。
    ・このままCO2を出し続ければ気候大災害が起こるとの検証
    ・時間稼ぎの手段として触れられているジオエンジリアリング(雲に粒子をまいて太陽光を遮る)による対応(・・・この方が現実的に感じた)

    0
    2023年02月07日
  • パンデミックなき未来へ 僕たちにできること

    Posted by ブクログ

    2010年、ビルゲイツがTEDの講演で「ワクチンで人口増加を抑制する」というスピーチをした。これは、発展途上国では乳幼児の死亡率と出生率が高いことを踏まえて、ワクチンで乳幼児の死亡率を抑えれば、出生率も低下して人口爆発が防げるという意味。合わせて、核兵器以上にウイルスによるパンデミックをリスク想定すべきだと。これが抜き取られ、コロナウイルスを恰もビルゲイツ財団が自作自演で引き起こしたかのような陰謀論が生まれた。

    半信半疑、というと情け無いが、よく分からなくなっていた。金持ちの心理が読めない。際限なく金銭を保有しても仕方ないから、金満物欲には限りがあり、人は善的行為に傾いていく筈だ、という、充

    0
    2022年12月24日