山田文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本屋でタイトルを見たときに、危機感を感じ購入。人間的な成長をするのは、経験が必要なのに、それが失われつつあるのかもしれないと感じたからだ。
新しいテクノロジーを受け入れる時、何を失って、何を得るのか考えるきっかけになった。料金所や受付、会計が自動化になれば、人との接触が失われる。スマホの画面と向き合っている時間は、家族との時間や対面での時間を失っている。非現実と現実の境界が曖昧になってきているにも関わらず、そのことを自覚しなくなっていることが危険信号だと思った。
経験とは、その場にいなければわからないこと。今は、媒体を通しての体験が増えてきているので、リアルの経験というのを大切にしようと感じた。 -
Posted by ブクログ
トランプ政権がなぜ誕生したのか、少し理解できた。自分たちはシリコンバレーやLA、NYのアメリカのキラキラした側面しか知らないのだなと感じた。アメリカの貧困層は白人のアメリカ人の割合が最も高いというのも自分たちが持っている先入観を覆すものだった。ラストベルトでかつて栄えアメリカを支えた地域がいまや見捨てられ、アルコールと薬物が充満し、その子供たちもアメリカンドリームなんていうのはまさに夢のまた夢になってしまった現実がある。よく考えれば日本でも地方に行った時の過疎化は惨憺たるものでより国土が広いアメリカがさらに酷いのは当然と言えば当然なのかも知れなかった。次期大統領のNo. 1候補のこの人が、次の大統領となったらアメリカは一体どうなるのだろうか。
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Posted by ブクログ
トランプに投票する人たちの気持ちを知りたくて読んだのだけれど、貧困層の生活の闇をありありと見せつけられて、ノックアウトされた。ほぼ同世代の私は、彼が海兵隊に行っていた頃、親のお金で留学していた。錆びついた工業地帯に含まれているペンシルバニアやデトロイトへは旅行で訪れたことがある。街自体は死んでいて、たまに人を見かけると明らかに薬物でキマっている人やホームレス、恐ろしく太った女性など、それはそれは恐ろしかった。今思えば、有色人種ではなく白人が多かった。私はその状況を「怖っ」と眺め、みてはいけないものとして目をそらし、別世界として線を引いた。
これまで、ニューヨークやカリフォルニア、ポートランドなど、リベラルで民主的なアメリカに憧れを持ってきた私は、トランプ政権でとても裏切られたような気がしていた。だけど、リベラル層がトランプに負けた理由は、彼らの存在を見ないふりしていたことにあるのだろう。
環境保護や気候正義、LGBTQ +、ジェンダー、人種など、誰一人取り残さない社会と謳いながら、ごっそり抜け落ちている自国の人たちがいる。貧困が進む日本でも全く同じだ。上から目線で正義や綺麗事を語る前に、この状況をお前こそ自分ごととして考えろよと、突きつけられた気がする。特権的立場から物事を見ている自分を恥ずかしくも感じた。
ただ、敵をつくることで自国を守ってるふりをするのは、愚かだ。 -
Posted by ブクログ
夏の課題図書として勧められて読む
「偽仕事」がなぜ生まれるのか、そしてそれはなぜ減らないのか、減らすにはどのようなことをすれば良いのかが理論立てて説明されている。
なぜ生まれるのかについては、技術革新による直接作業時間の減少とそれと逆の動きをしている間接作業の肥大化が原因であるとしている。労働市場が供給主導になり、専門知識のないスタッフが爆増しそれに割り当てる偽仕事が増えた。
そしてそれは一度生まれると簡単には減らない。偽仕事であると気づいていてもそれを肯定することはないし、そもそも気づかないことも多い(合理的に思えるが部分最適であるようなパターン)。
それを減らすには何ができるか。業務時間と比例して価値が上がるという神話をまずは否定し、無駄な問題解決や裏付けのない依頼を断る文化、風土を作ること。業務ローテーションはそれを根絶する良い手段であると感じた。
最後に本当の仕事は何か。それは世界と響き合う仕事である。無駄な残業の削減により生まれた時間で内省をし、そこから生まれる創造を外に発信する。そこで世界と響き合い影響を与えることこそ真の仕事である。「響き合う」というワードが分かりやすく良い表現であると感じた。相手に押し付けるでもなく、相手に触れるだけでもいけない -
Posted by ブクログ
ところどころやっぱり、リスベットはこんなこと言わないよなー、と感じてしまったものの、物語としては面白かった。
スティーグラーソンの三部作はもはや地球のマスターピースとして君臨していると思うし、あれを読み終わった後のリスベットに対する畏敬の念はすごかったわけですが、作者がもう亡くなっていて、でもあの物語が終わるのは偲びない、と思う人たちが多すぎるからこそ続いているわけで、だからと言って原作者はいないわけで、となったらもう登場人物が描く人によって育って行くのは仕方ないことなんだろうと思うし、そう言うものなんだな、と思い切った新しい視点で読んで行くのがいいんだと思う。
スミルノフさんが三部作を書き上げたら、また新しい作者がきっと引き継ぐわけで、いつまでもダヴィドラーゲルクランツの引継ぎ完璧です!
みたいなノリでは続かないと思うので。
あと、リスベットこんなこと言わないよなー、に、翻訳の仕方もあるのかなーとは思った。
加えて読みにくさについても、皆さんの大ブーイングはとてもよく分かる。笑
けども、わたしは上に書いたことを踏まえて、全体を通して面白いミステリだなと思うし、続きも気になる。
でもリスベットの天才ハッカーぷりとか、もっと強いよね?とかミレニアムなくなっちゃったんかーい、ミカエルのかっこよさはどこに?的なのは続きに期待なのだろうか?
と言う点に於いての面白さには欠けたかもしれない…。暴力的なものは決して求めてないけどリスベットの孤高の強さが好きなので。
姪のスヴァラは結構好きだった。今後も出るんだろうとは思うので期待。
リスベットの母性に関しては…多少の違和感はありながら、実際そう言う存在がいたら、リスベットは優しいからな、とは思った。表現的に言葉的に気になる点はあるけども。
上の感想にも同じこと書いたけど、スティーグラーソンは三部作で伺えるように女性の地位を引き上げることに強い意志を持っていたと思うので、その点に於いて女性作家になって、今後どうなって行くか?はやはり気になるところではある。
同じジャーナリスト繋がりという点に於いても。 -
Posted by ブクログ
本書『mRNAワクチンの衝撃: コロナ制圧と医療の未来』は コロナワクチンを開発した会社の1つであるドイツのビオンテックを取り上げたノンフィクションだ。 日本では同じようにmRNAを用いたワクチン開発会社であるモデルナはよく知られているが、ビオンテックについてはあまり知られていないかもしれない。本書にも詳しく買いてあるが、それほど規模が大きくなかったビオンテックはワクチン配布にあたってはファイザーと提携しており、日本では”ファイザー”ワクチンと呼ばれていたからだ。
生物を真面目に勉強した人をのぞいて、コロナワクチンが広く利用されるようになるまではRNAという単語を知っている人はほとんどいなかったと思う。DNAについてはエンタメや親子関係の確定に広く使われているために普通の単語になっているが、RNAはそういった広まり方をしていないからだ。
このRNAというすごく簡単にいうと、DNAの情報をコピーするために使われている(正確に言えば体内に存在するので、”使う”という表現は正しくないが・・)。
本書によればこのRNAを用いて病気治療を行おうとする考え方は長い間存在していたらしい。mRNAを用いて体内の免疫系を利用する治療方法が確立すれば、よりテーラーメイドな医療を提供することが可能となると考えられていたからだ。
一方でmRANを 利用した治療は、コロナ禍が起こるまではまだ先の話だと考えられていたと本書には書かれている。 これまでにない新しい治療方法であるために、当局の審査や認可を受けるのは簡単ではないし、創薬には莫大な費用がかかるからだ。
ビオンテックは もともとは、感染症に対するワクチンを開発するためのスタートアップではなく、このRNAを用いて がん患者への治療薬を開発することを目的に作られたスタートアップだった。 そのためビオンテックはコロナウイルスが発生した段階においては、すでに上場を果たしており、有望なスタートアップとしてみなされていたらしい。一方でmRNAを用いた新たなプラットフォームを開発するには研究開発資金が十分ではなく、何らかの方法で資金を集めることが必要だったらしい。
コロナワクチンが開発され世の中に広まっていく過程では、このmRNA と言う技術は、まるで突然天から降ってきた発明のように報道されることもあった。自分も含めてバイオ技術を積極的に追い続けていない人間にとっては、 この技術は、当然学校で習ったこともなく、初めて聞く技術だったからだ。
ところが本書を読むと、このmRNAと言う技術は長い間活用のアイデアが温められ、それほど多くはないとはいえ研究が続けられていたことがよくわかる。実用化されなかったのは、適切なタイミングがなかったということと、もっといえば予算がなかったからだ。
本書を読めばわかるとおり、何かものすごい危機やチャンスが発生したからといって、突然新しい発明やアイディアが実現すると言う事は現実世界ではありえないということなのだ。 日の目を見るずっと前からそこに情熱を傾けている人間がおり、あるいは(広い意味での)リスクにかける投資家が何度も倒れた先に、初めて社会を変えるようなイノベーションは実現するのだということを、本書は(そしてmRNAの実用化という例は)教えてくれる。