山田文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【アメリカは、夢想家たちによる夢の世界の創造物だ】(文中より引用)
アメリカの歴史を「ファンタジー(幻想・空想)」という視点から大胆に論じ上げた作品。建国以来、エンジンにもなればトラブルの素にもなってきたファンタジーの数々をたどりながらアメリカの本質に迫っていきます。著者は、『ニューヨーク・マガジン』誌の編集長を務めたカート・アンダーセン。訳者は、英語・フランス語の翻訳家として活躍する山田美明とイギリスで西洋社会政治思想を学んだ山田文。原題は、『Fantasyland - How America Went Haywire: A 500-Year History』。
端から見たときに「ぶっ飛んでるなぁ......」と感じられるアメリカの一側面を論理的に説明してみせた秀作だと思います。ファンタジーの有用性も見据えながらその問題点についても論じており、バランスの取れた作品であるとも感じられました。
本書以後はアメリカのエンタメ作品への見方が変わりそう☆5つ
※本レビューは上下巻を通してのものです。 -
Posted by ブクログ
著者の書いた本を読んだことがないと思い探していたら、専門分野と異なる地球環境について書かれているものを見つけたため読みました。
内容は、気候災害を防ぐために著者が各分野の専門家の話を聞き、環境保全の目標となる具体的な数字や方策や現時点での分野ごとの現況、政府視点の提案、市民視点の提案と非常にボリュームがあり読み応えのあるものでした。
日本でも気候変動の影響は、酷暑日、ゲリラ豪雨の増加などよく感じられるようになってきた。
ニュースなどでもよく取り上げられる。
しかし、国として気候変動に対して何をしているのかはあまり報道されていない。
日本には、気候変動に対応できる様々な技術を持っている。個人消費ばかりの施策ではなく、この素晴らしい技術に光があたり、世界に広がるっていく施策をもっと実行してほしいものです。
キーワード
510億トンのCO2
ものをつくる31%
電気を使う27%
もの(植物、動物)を育てる19%
移動する(飛行機、トラック、貨物船)16%
空調(暖房、冷蔵、お風呂)7%
必要な電力
世界 5,000ギガワット
アメリカ 1,000ギガワット
東京 23ギガワット 多い時50ギガワット
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Posted by ブクログ
"偽仕事"に該当するような仕事に関わる人が読むと、少し絶望感を覚えるかもしれない(実際わたしがそうなのだが)。
自分のやっている仕事に違和感を感じているものの、それを周りに共有できなかったり、自分は暇だとバレないようにするのは、会社(や社会)に自分が必要ないと思われたくないし、現代社会においては、仕事=自分というくらいに自己と密接に結びつく仕事を無意味とするのは、存在を否定するようなもので、なかなか難しい。
それでも、"偽仕事"というものを続けることは、自尊心を傷付ける行為でもあり、自分の貴重な人生の時間を"無意味"に過ごすことでもある。
わたしの仕事は本質的なのか?
改めて問いかけたいと思う。
加えて、この社会にとって必要不可欠で本質的な仕事をされている方々(看護師さん、保育士さん、介護士さん、ごみ収集をされている方など)の処遇が改善されていくことも強く願う。
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Posted by ブクログ
面白く現在のアメリカを知る参考にもなった。
J.D.ヴァンスがまだ無名の弁護士だった2017年に書かれた回想録。
田舎の荒れた地域のやんちゃだった兄ちゃんが、よき人々との出会いとサポートを得て、成長できる環境を自ら獲得し、アメリカンドリームをつかむというよくある物語だけでなく、その背景となっている貧困地域に住む白人労働者たちの日常生活が解像度の高いリアリティを持って語られている。
ひどい環境の中に埋没していると何をやってもダメだと絶望してしまう感覚が、本人の実体験をベースにしているので、とても生々しい。
ただし、諸々の歴史や環境が生む文化資本の差によって、99.9%のヒルビリーはJ.D.ヴァンスのようにはなれないことも、悲しいが現実であることも突きつけられている。 -
Posted by ブクログ
トランプ政権の副大統領J・D・ヴァンスの自叙伝。いわゆる社会から取り残された白人層。グローバル化による格差拡大の最も大きな影響を受けたラストベルトと呼ばれる地域の白人とともに、オハイオ州ミドルタウンおよびケンタッキー州ジャクソンはアパラチアのいわゆる「ヒルビリー」(田舎者)と呼ばれる独特の白人たちの居住地域で、ヴァンスはそこで育った。西海岸や東部の白人たちとは全く価値観の違う社会で、薬物中毒で次々に男を変えて行く母親の元でさまざまなトラウマを抱えながら成長するヴァンス少年。しかし、彼を救い人生の成功者の道へ導く盾になってくれたのは彼の祖父母(特に祖母)や姉(リンジー)である。祖母の保護もおかげで精神的に安定して高校生活を過ごすことができたヴァンスは海兵隊に入隊(当時、アメリカはイラク戦争の最中であったので祖母は大反対であったが)し、そこでの厳しい訓練と生活で鍛え直されることで、今までとは違う人生に対する前向きな価値観を獲得する。その後、オハイオ州立大学からイェール大学のロースクールに進学することが出来た彼は「ヒルビリー」からの「エリート」の道を進むことに成功した稀有な存在である。しかし、そんな経歴の彼であるから、取り残された白人層の実態や心理を嫌というほど理解できており、また、海兵隊員としてイラクに派遣された際に戦争に巻き込まれた現地の子供達を暖かく見守る思いやりのある人柄であることから、彼が、ポストトランプの次期大統領になる事でアメリカ社会の再建の可能性に期待できる希望が持てた。ウクライナ大統領のゼレンスキーとの口論から、あまり良い印象を持っていなかったが、本書を読むことでヴァンス氏に対する認識が大きく変わることになる。
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Posted by ブクログ
地球の未来を想ってくれる力のある人がいることのありがたさを感じた。
日本の企業の多くはサラリーマン社長なので、環境のためという使命感で会社を動かすことは難しいと思う。脱炭素が単なる数値目標になってしまっているようで残念。社員もその重要性を理解し、自社の取り組みに誇りを持てると良い。CO2排出量〇%削減、といっても、その数的効果を実感するのは難しい。実感のない取組に熱をもって取り組むのは難しい。正しい知識と危機感があると、その数値の重要性が掴めるのだと思う。彼はそれをしている。
脱炭素を謳う一方で、自身が炭素排出量の多い生活をしていることに葛藤がある。この点については、脱炭素に向けた働きかけを行うことで、削減が排出を補っていると考えている。といった記載があった。自身を客観視しつつ、ポジティブな面を見出して原動力にしていくことの重要性を感じた。脱炭素のトピックに関わらず、自身が何かを実行しようとすると、無駄に自分を客観視したつもりで卑下して行動を止めてしまうことがあるから。
干ばつ洪水
DAC炭素吸引
グリーンプレミアム、 -
Posted by ブクログ
アメリカ、ラストベルトの白人労働者の文化を綴った本。民俗学と言ってもよいのかもしれない。
自分の人生なのに、自分ではどうにもならないと考え、なんでも他人のせいにしようとする。p15
「政府は生活保護をもらって何もしない連中に金を払ってる。やつらは、おれたちの社会をバカにしてる。働き者はみんな、あいつら毎日働いてるぜって笑いものにされてるんだ」p238
能力は関係ないと言いたいわけではない。もちろんあるにこしたことはない。ただ、自分を過小評価していたと気づくことと、努力不足と能力不足とを取りちがえていたと気づくこと。それにはとても大きな意味がある。p299
アメリカのヴァンス副大統領が、この世界の文化で育ち、そこから抜け出していくストーリー。
面白い。
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Posted by ブクログ
なぜアメリカ人は、夢見がちで、陰謀論や儲け話に弱く、宗教熱心で、反知性主義的なのか。
そもそもの入植の時点で「そういう人たち」が入ってきたところから、議論が始まる。
上巻は、1970年代までのアメリカの文化・宗教史の解説ともいえる。
アメリカ人の個人主義と相対主義は、自分の想像よりもさらに激しいものらしい。
議論はまっとうで説得的だが、アメリカ人の半分くらいを怒らせそうではある。
「何を信じている人でも、10億もあるウェブサイトを探せば、同じものを信じている仲間が何千人と見つかる。事実と「事実」を組み合わせ、自分たちの信念を裏づけている人たちだ。インターネットが登場するまでは、おかしな考えの持ち主はたいてい孤立し、自分だけの現実を確信し続けるのにも苦労した。」(13頁)
「ユダヤ人がアメリカを動かしているのではないかという不安は、ユダヤ人の人口が2パーセントを超えるころから本格化した(1世紀前には、カトリックの人口が2パーセントを超えたころに反カトリックのヒステリー症状が始まっている)」(209頁)
…現代日本の外国人人口の割合を考えると、日本にも同じような現象が発生しても不思議ではない。
「アメリカでは1960年代以降、法律が一人ひとりを同一に扱うだけでなく、一人ひとりが信じていることはどれも一様に正しいというところまで、平等の意味が拡大された。絶対的な個人の自由を容認するのがわが国の文化の原則となり、国民の心理として内面化された。自分が信じていることは正しいと思っているのであれば、それは正しい。こうして個人主義は、自己中心主義となって蔓延した。」(314頁)