山田文のレビュー一覧
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【アメリカは、夢想家たちによる夢の世界の創造物だ】(文中より引用)
アメリカの歴史を「ファンタジー(幻想・空想)」という視点から大胆に論じ上げた作品。建国以来、エンジンにもなればトラブルの素にもなってきたファンタジーの数々をたどりながらアメリカの本質に迫っていきます。著者は、『ニューヨーク・マガジン』誌の編集長を務めたカート・アンダーセン。訳者は、英語・フランス語の翻訳家として活躍する山田美明とイギリスで西洋社会政治思想を学んだ山田文。原題は、『Fantasyland - How America Went Haywire: A 500-Year History』。
端から見たときに「ぶっ飛 -
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地球の未来を想ってくれる力のある人がいることのありがたさを感じた。
日本の企業の多くはサラリーマン社長なので、環境のためという使命感で会社を動かすことは難しいと思う。脱炭素が単なる数値目標になってしまっているようで残念。社員もその重要性を理解し、自社の取り組みに誇りを持てると良い。CO2排出量〇%削減、といっても、その数的効果を実感するのは難しい。実感のない取組に熱をもって取り組むのは難しい。正しい知識と危機感があると、その数値の重要性が掴めるのだと思う。彼はそれをしている。
脱炭素を謳う一方で、自身が炭素排出量の多い生活をしていることに葛藤がある。この点については、脱炭素に向けた働きかけを -
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アメリカ、ラストベルトの白人労働者の文化を綴った本。民俗学と言ってもよいのかもしれない。
自分の人生なのに、自分ではどうにもならないと考え、なんでも他人のせいにしようとする。p15
「政府は生活保護をもらって何もしない連中に金を払ってる。やつらは、おれたちの社会をバカにしてる。働き者はみんな、あいつら毎日働いてるぜって笑いものにされてるんだ」p238
能力は関係ないと言いたいわけではない。もちろんあるにこしたことはない。ただ、自分を過小評価していたと気づくことと、努力不足と能力不足とを取りちがえていたと気づくこと。それにはとても大きな意味がある。p299
アメリカのヴァンス副大統領が、 -
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ネタバレなぜアメリカ人は、夢見がちで、陰謀論や儲け話に弱く、宗教熱心で、反知性主義的なのか。
そもそもの入植の時点で「そういう人たち」が入ってきたところから、議論が始まる。
上巻は、1970年代までのアメリカの文化・宗教史の解説ともいえる。
アメリカ人の個人主義と相対主義は、自分の想像よりもさらに激しいものらしい。
議論はまっとうで説得的だが、アメリカ人の半分くらいを怒らせそうではある。
「何を信じている人でも、10億もあるウェブサイトを探せば、同じものを信じている仲間が何千人と見つかる。事実と「事実」を組み合わせ、自分たちの信念を裏づけている人たちだ。インターネットが登場するまでは、おかしな考え -
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2025年現在のアメリカ副大統領が2016年に発表した半生記。
アメリカのラストベルトに暮らす、貧しい白人労働者階級の生活を描いている。
この本がアメリカでベストセラーになったのは、幼少期における貧困層の生活と、大学以降、特にエリート層が大半を占めるイェール大学での生活を比較し、そこにいる人々の特徴や人生を描いたからだろう。
この本を読んで感じるのは、貧困層から抜け出す難しさやエリート層には一般的な家庭では得られない社会的な資本があるという事。
また、良くも悪くも人生における家族の存在の大きさである。筆者は祖父母に特別な感謝を示しており、本書を書く理由として二人の存在を世界に知って欲しか -
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私が知ってるアメリカは自由で危険でいろいろ雑な国。アメリカ人はプレゼンや議論上手で立ち回りが得意だけど、地道な作業は苦手。
そんな自分が知っているアメリカとは全く違う世界を、今まで発信されてこなかった声なきアメリカ人の世界を、この本は示してくれた。
白人労働者階級、貧困層を体験して苦しんで来た著者だからこそ言える気持ちを、コミュニティやそこで住む人々に愛情を持つからこそ言える思いを、この本は示してくれた。
代々続く貧困と諦めの連鎖。離婚や家庭崩壊、ドラッグの連鎖。外を知らないからこそ、抜け出し方も分からない若者や子どもたち。虐待的な環境にいるから自分の感情コントロールも学べない子どもたち。
努 -
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自分の無知が恥ずかしくなるが、アメリカ国内で白人労働者という貧富の差があると知らなかった。
アメリカの人種差別の歴史は映画であまりにも有名だが、ヒルビリー(田舎者)やレッドネック(首すじが赤く日焼けした白人労働者)ホワイトトラッシュ(白いゴミ)という呼び名があることを知り、見識を広げるのに役立った。
トランプ大統領になぜ熱狂的な支持者がいるのか、UKスチールを日本製鐵か買収することをなぜ拒むのか、繁栄から取り残された人たちの愛国心に共感するメッセージを発しているためかと少し理解出来たように思う。
筆者は、白人労働者が成功しないのは、育った環境や無知、周りの人間の考えの影響が強いとはいえ、自 -
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