ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

小説・文芸
1,320円 (税込)

6pt

2016年、無名の31歳の弁護士が書いた回想録がアメリカでミリオンセラーとなった。「ラストベルト(錆ついた工業地帯)」と呼ばれる、かつて鉄鋼業などで栄えた地域の荒廃、自らの家族も含めた貧しい白人労働者階級の独特の文化、悲惨な日常を描いた本書は、トランプ現象を読み解く一冊として世界中でセンセーションを巻き起こす。2020年、ロン・ハワード監督によって映画化もされた歴史的名著が、文庫で登場!

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ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    2017年に『ヒルビリー・エレジー』の邦訳が発売されて以降、非常に話題になった本作だが、まさか著者が副大統領にまで上り詰めるとは予想だにしていなかった。

    現在の副大統領であるJ・D・ヴァンスは、白人という、一見するとアメリカでは特権階級にいると思われがちな人種ではあるが、中西部オハイオ州に位置する白人の労働者階級の出身であった。

    白人労働者階級というのは、我々外国からすると、なかなか想像しがたい部分ではある。かつて工業が盛んであった時に地方都市から移住してきて一世を風靡したものの、アメリカ国内の工業の衰退とともに地元に戻ることも、新たな土地に移ることもできなくなった貧困層がその場にとどまり、貧困ゆえのドラッグの問題や家庭内暴力の問題、そうしたものに直面している姿が赤裸々に語られている。

    白人労働者階級というのは、都市部の黒人貧困層と人種は違えど、同じような生活傾向が見られることで知られている。

    母親の薬物中毒、また繰り返される結婚と離婚の中で、落ち着いた家庭環境を得られなかった作者自身も、幼少期は非常に苦しい生活を送った。だが、幸いなことに祖父母が安定した生活を与えてくれたおかげで生活を立て直し、海兵隊での兵役を挟みながら大学、そしてイェール大学のロースクールというアイビーリーグまで上り詰めることになった。

    こうした貧困層の実態というものは、今もこの世界のどこかで誰かが苦しんでいると思うものの、世の中の無関心とその状況に置かれている人たちの発信能力が限定されているからだと思う。唯一の解は、そうしたループを抜け出すことができた存在が何かしらを示すことである。そういう意味でも、本作の意義というのは非常に大きい。

    この本は、副大統領になるまでの一角の人物が書いたからすごいというものではなく、J.D.バンスという苦境をバネにしてのし上がった人、彼だからこそ書けた作品であり、かつそのパワーを持って彼が副大統領まで上り詰めたのだと思う。

    最後はややだれる部分もなくはなかったが、全体として非常に価値のある、また自分の知らない世界を見せてくれる素晴らしい本であった。

    0
    2026年10月20日

    Posted by ブクログ

    私自身はトランプも共和党も好きではないが、それでも、いや、だからこそ、この本はあらゆる人が絶対に読むべき本だと思った。アメリカ社会における労働者階級の白人の疎外と焦燥感が圧倒的にリアルに描写されている。エリート階級との比較。「共通言語が違う」ってこういうことなんだな、と痛いくらいに良く描かれてる。

    0
    2026年09月05日

    Posted by ブクログ

    トランプ政権がなぜ誕生したのか、少し理解できた。自分たちはシリコンバレーやLA、NYのアメリカのキラキラした側面しか知らないのだなと感じた。アメリカの貧困層は白人のアメリカ人の割合が最も高いというのも自分たちが持っている先入観を覆すものだった。ラストベルトでかつて栄えアメリカを支えた地域がいまや見捨てられ、アルコールと薬物が充満し、その子供たちもアメリカンドリームなんていうのはまさに夢のまた夢になってしまった現実がある。よく考えれば日本でも地方に行った時の過疎化は惨憺たるものでより国土が広いアメリカがさらに酷いのは当然と言えば当然なのかも知れなかった。次期大統領のNo. 1候補のこの人が、次の大統領となったらアメリカは一体どうなるのだろうか。

    0
    2026年08月30日

    Posted by ブクログ

    トランプに投票する人たちの気持ちを知りたくて読んだのだけれど、貧困層の生活の闇をありありと見せつけられて、ノックアウトされた。ほぼ同世代の私は、彼が海兵隊に行っていた頃、親のお金で留学していた。錆びついた工業地帯に含まれているペンシルバニアやデトロイトへは旅行で訪れたことがある。街自体は死んでいて、たまに人を見かけると明らかに薬物でキマっている人やホームレス、恐ろしく太った女性など、それはそれは恐ろしかった。今思えば、有色人種ではなく白人が多かった。私はその状況を「怖っ」と眺め、みてはいけないものとして目をそらし、別世界として線を引いた。

    これまで、ニューヨークやカリフォルニア、ポートランドなど、リベラルで民主的なアメリカに憧れを持ってきた私は、トランプ政権でとても裏切られたような気がしていた。だけど、リベラル層がトランプに負けた理由は、彼らの存在を見ないふりしていたことにあるのだろう。
    環境保護や気候正義、LGBTQ +、ジェンダー、人種など、誰一人取り残さない社会と謳いながら、ごっそり抜け落ちている自国の人たちがいる。貧困が進む日本でも全く同じだ。上から目線で正義や綺麗事を語る前に、この状況をお前こそ自分ごととして考えろよと、突きつけられた気がする。特権的立場から物事を見ている自分を恥ずかしくも感じた。

    ただ、敵をつくることで自国を守ってるふりをするのは、愚かだ。

    0
    2026年06月12日

    Posted by ブクログ

    2016年6月アメリカ、2017年3月日本で出版され、今更ながら「J.Dヴァンスってだれや?」と思い読みだした。
    とんでもない場所と境遇で育った、とんでもなく努力の人だとわかる嘘みたいな物語だ。
    チャンスをものにするだけの努力をしっかりしている。
    彼の愛する貧困が文化として根付いている「ヒルビリー」をどうするのか、今後に期待。

    0
    2026年05月04日

    Posted by ブクログ

    感動的で素晴らしい書籍だった。アメリカの白人労働者層の世界観がものすごい伝わってくる。
    バンス氏がそこから這い上がっていきながらも苦悩する人生が本当に映画みたいで感動的。
    トランプがどうして2度も大統領になれたのか、その解にも繋がる話。

    0
    2025年12月11日

    Posted by ブクログ

    ついに読み終えた米国副大統領JDヴァンスの自伝。米国内陸部で見捨てられ明日への希望のない絶望の中で暮らす白人貧困層の現実を見せつけられる。
    なぜ民主党ではなく、トランプがこうした白人貧困層から支持を得ているのか、といった疑問の根本について考えさせられる名著である。

    0
    2025年11月02日

    Posted by ブクログ

    あまりに名著だと、著名人が言うので購入。
    内容的にも読みやすく、ドンドン読み進められた。
    この本を読んだ人は、ヴァンス副大統領を応援せずにはいられないのでは?
    ご本人の政策や主張については、全然知らないので、これからフォローしていきたい。
    日本だけが大変だと思いきや、米国も深刻な状況だとわかる。

    0
    2025年10月21日

    Posted by ブクログ

    難読ではないんだけど、なんか読みにくい一冊。こういう人々がトランプ政権を支えているという勉強にはなります。

    0
    2025年09月17日

    Posted by ブクログ

    数多くの小児期逆境体験を抱えた子どもはどんな地域で育ち、どんな文化的背景の中で育つのか?がよく分かる自伝。少し切なくなってしまう物語でもある

    0
    2025年06月15日

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