市川憂人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まるで地震を体現したかのような小説。
序盤から小さな違和感が何度も積み重なる。写実的なのに、時代背景や風景の描写は乏しく、どこか不安定。度々唐突に現れる粗さが前震のように揺さぶる。そして終盤、本震が訪れるかのように積み上げられた違和感が全く別の意味を帯びる瞬間は衝撃的だった。映像化は不可能なように思えた。
登場人物の内面はあまり深掘りされず、犯人の動機すら表層を掬うように描かれる。それは他者に視線を向ける余裕のない世界を映す意図的な表現のように思えた。
そこに死者さえ「数」として情報や記録に残され、現実にいつ訪れてもおかしくないディストピアを感じた。けれどそんな中でも人は誰しも誰かの記憶 -
Posted by ブクログ
よい読後感 そして誰もいなくなった、十角館の殺人系ミステリー。
読みやすい文体でサクサク読み進められました。
ジェリーフィッシュというオリジナル要素を持ち込み、また、1980年代として技術的制約を持たせることで、推理が面白い。
客室は3つしかないのに各人1部屋といったような記述など、冒頭から違和感は散りばめられていましたが、読み進めるうちに忘れてしまうような部分も、推理パートの図解などで作中マリアが持っていない情報として浮かび上がる面白さ。
犯人の推測はしやすく警察推理パートでやっぱりそうだよね、と答え合わせをする面がつよいためそこは少し物足りなさも?
レベッカへの思いで知識をモノにする、 -
Posted by ブクログ
名探偵にはなれそうもないけど、読者への挑戦がはさまれた作品は大好き。
推理に必要なものが全て提示されてからの真相の開示。
うん、楽しい。
東川篤哉と麻耶雄嵩や法月林太郎を1冊で読めるのはアンソロジーならではの贅沢さ。この、ある意味真逆ともいえる作品を立て続けに楽しませてもらった。
麻耶さんの作品は、ミステリはミステリでも、推理小説でない方のミステリっぽくてぞくぞくしたし、法月作品は親子で軽口たたいてるようでいて、なかなかに重いし。
市川憂人さんは、たぶん、初読み。雪の密室で、ちょっと切ないラストがよかった。米澤穂信さんのは、たぶん、小市民シリーズかな。名前だけは知ってても未読だのこのシリーズ、