あらすじ
U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場(ボーンヤード)』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。空軍少佐のジョンは、士官候補生時代のある心残りから、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を請う。実は引き受けたマリアたちにも、過去に対峙した事件への苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した雪密室の殺人。ハイスクール時代のマリアが挑んだ、雨の夜の墜落事件の謎。そしてバディを組んだ二人が初めて捜査した、緊急通報があった家庭での悲劇の真相は? シリーズ初短編集。/【目次】ボーンヤードは語らない/赤鉛筆は要らない/レッドデビルは知らない/スケープシープは笑わない/解説=香山二三郎
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Posted by ブクログ
マリア&漣シリーズ初の短編集でジョンの視点で語られる事件、マリアと漣がそれぞれの学生時代に起こった事件、マリアと漣がバディを組んだ初めての事件など全部で4つの短編が収録されており、彼らが事件を通じて得たほろ苦く残酷な経験から正反対の二人がバディを組むようになるまでが分かるようになっており、シリーズのファンとして大満足だった。また『ジェリーフィッシュは凍らない』からシリーズを再読したくなった。
Posted by ブクログ
一番好きなシリーズでしたが、正直「短編集かぁ」と思っていました。
ですが、読んでみると今までの主要キャラの過去や人柄に迫れるストーリーばかりで物凄い没入感でした。
「ボーンヤードは語らない」
米軍基地で起きた事故を、ジョン視点で描かれ、マリアと漣による捜査依頼を経て解決へ向かう。ジョンにも米兵を目指す上で苦い過去があり、それらを想起させる事件。
「レッドデビルは知らない」
マリアが警察官を目指すきっかけとなる事件。友人を死なせてしまったことへの後悔が深く描かれ、前作迄のマリアの刑事として事件へと向かう姿勢の背景が深く見受けられる。叙述トリックもあり、本作で1番の力作だと感じられる。
「赤鉛筆はいらない」
漣の高校時代、先輩宅での事件を手紙という形で
真相解明を行う話。犯人に委ねる最後に、漣の人間臭さが感じられる作品。
「スケープシープは笑わない」
マリアと漣、初めての事件。事件としては悲しい最後とはいえ、規模としても小さいもの。しかし、上記の三作を読んだ上であれば、人種・ゴルフクラブなどなど2人の古傷を抉りながらも、深みを感じられる作品。
シリーズを読んでいる人も、ここから初めての人にもおすすめの一冊です。
キャラへの親近感、今後を楽しめました。
Posted by ブクログ
短編はあまり好きじゃないのでちょっと積んでいたけどマリア、漣が警察官になる前のエピソードと出会いたてホヤホヤの時のエピソードが読めて感無量。2つ目の「赤鉛筆は要らない」についてはタイトル回収が美しすぎました最高。このまま1作目を再読したくなりました…
Posted by ブクログ
マリア&蓮シリーズ4作目
シリーズ主要キャラクターの過去にフォーカス当てた連作にちょっと近い短編集
1作目のジェリーフィッシュ事件に繋がるまでの前日譚であり警察機構に入るまでの経緯も書かれている
どの短編集も完成度が高く、心を抉られる流れなどから印象に残りやすい
個人的にはレッドデビルとスケープシープがおすすめ
Posted by ブクログ
シリーズ4弾目にして初の短編集
そしてジェリーフィッシュの事件前後のお話もあったりで楽しめました
やっぱりこのシリーズ好きだな、マリア&漣は裏切らないなって感じた1冊です
Posted by ブクログ
やはりこのシリーズを好きなんだなと実感する。漣、そして、マリアの過去の事件、そして二人が初めてパートナーを組んだ事件などが語られる短編集。ナレーションも素晴らしい。
Posted by ブクログ
⭐︎4.7
マリアと漣の最初の事件。必読の価値あり、短編集なので、ある意味どこから読んでも面白い。
若き日のマリアと漣の事件への向き合い方や、なぜ警察官になったか。割とストレートに聞きたい質問の答えがここにある。
また長編を楽しみにしている。
Posted by ブクログ
シリーズ第4弾 4篇の短編集
ジョン、漣、マリア、それぞれの過去の事件とマリアと漣がバディとなった最初の事件。
それぞれの事件には、自分達の力ではどうすることもできないことがあり、何が最善であったのかと悩んでしまう。後悔を抱きながら、それでも自分の信じる道を行く姿はかっこよかった。
特に漣の事件は、読んだ後にタイトルに戻ると、ため息をついてしまう。
このバディが、ジェリーフィッシュの事件に携わっていくと思うと胸が熱くなります。
Posted by ブクログ
ジェリー・フィッシュのシリーズに登場するマリアと漣の短編集。空軍大佐ジョンが登場するジェリー・フィッシュのころの事件、マリアと漣それぞれの若き日の一篇。マリアと漣が出会ったときの事件、と今に続く作品群の土台となってくるような作品集で、このパラレルワールドな世界での二人のことにますます親近感がわく一冊。
Posted by ブクログ
不可解を通り越して支離滅裂とも思える状況を、細かい伏線を丁寧に拾って鮮やかに解き明かすタイプの作が並ぶ。ミステリとしての完成度は巻頭の表題作のみ微妙だが、他は問題なく高い。シリーズの愛読者としては、長編ではいろんな意味で超然としているようにも見えるマリアと蓮の人間味(?)がうかがえるところが興味深いでしょうか。
Posted by ブクログ
ジェリーフィッシュからマリアと漣の大ファンで、待望の文庫化だったのですぐに買って一気読み。
短編集だからボリュームとしてはちょっと物足りないんだけど、でもすごく面白かった。時代背景とか人種問題的な部分で全体的に暗い感じが漂ってて、少し苦しくなる部分もあるけど、だからこそマリアと漣のブレない感じが安心感があってすごくよかった。
正直、叙述トリックは後出し感がちょっとあるなぁとか思ったけど、読み応えがあって楽しめた。
今すぐジェリーフィッシュを読み直そうと思います。
Posted by ブクログ
このシリーズを読み進めているが、正直この1冊が必要だったかというと微妙でした。
マリアと蓮の過去は分かりましたが、それによって2人の人物像がより深まったという印象は自分はあまり受けませんでした。
自分はいつもの長編小説の方が好みでした。
Posted by ブクログ
シリーズものだけど前作までのストーリーをすっかり忘れているので短編集でよかった。読んでいくうちにあーこういうキャラだったわと思い出した。海外翻訳ものじゃないけど海外がテーマのミステリーって、このシリーズ以外に読んだことがないから、すこし新鮮な気持ちで読み始めた。
一番好きだったのはマリアの過去編。こういう後味が悪い話が一番心に残る。おおっと思ったのは漣の過去編。タイトルが秀逸。
ただね、これは個人的な好みの話なんだけど、セリフで改行が入るのがどうしても読みにくい!気が散る!それを踏まえての☆3つ。