市川憂人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一番好きなシリーズでしたが、正直「短編集かぁ」と思っていました。
ですが、読んでみると今までの主要キャラの過去や人柄に迫れるストーリーばかりで物凄い没入感でした。
「ボーンヤードは語らない」
米軍基地で起きた事故を、ジョン視点で描かれ、マリアと漣による捜査依頼を経て解決へ向かう。ジョンにも米兵を目指す上で苦い過去があり、それらを想起させる事件。
「レッドデビルは知らない」
マリアが警察官を目指すきっかけとなる事件。友人を死なせてしまったことへの後悔が深く描かれ、前作迄のマリアの刑事として事件へと向かう姿勢の背景が深く見受けられる。叙述トリックもあり、本作で1番の力作だと感じられる。
「赤鉛筆はいらない」
漣の高校時代、先輩宅での事件を手紙という形で
真相解明を行う話。犯人に委ねる最後に、漣の人間臭さが感じられる作品。
「スケープシープは笑わない」
マリアと漣、初めての事件。事件としては悲しい最後とはいえ、規模としても小さいもの。しかし、上記の三作を読んだ上であれば、人種・ゴルフクラブなどなど2人の古傷を抉りながらも、深みを感じられる作品。
シリーズを読んでいる人も、ここから初めての人にもおすすめの一冊です。
キャラへの親近感、今後を楽しめました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以下超ネタバレ
いやーおもろかったなあ。
弁護士のヴィクターが犯人なのは予想通りだったけど、パメラが共犯とか、硝子鳥が人間とかは見破れなかった。
確かに序盤からエルヤのことを「彼女」と描写するから、「なんで雌だとわかるの?」と思いながら読んでいた。
硝子鳥の説明が明らかに鳥を連想させたから、実は人間でしたなんてのは「そんなのアリかよ」と思ったけれども、最後まで読んだ結果、伏線を色々と考慮すると確かにミスリードだと納得できたかな。
いやーブルーローズも面白いけど、グラスバードも負けてないなぁ。最後の金髪エルヤの描写も美しいし。エルヤはいずれ別の作品で再登場するなこれ。 -
Posted by ブクログ
冒頭まではありきたりな警察ミステリーだと思っていた。登場人物も癖がありそうだが、これまでの筆者の作品よりは薄味かなと感じており、一章、ニ章とトリックや事件自体は興味深いものだったが、僕自身の脳細胞を刺激する様子ではなかったんだ。気になっていたのは、モノローグや章の合間の挿話が特殊で、どの様に本筋と絡んでくるのかという事だった。
しかし、市川憂人は単純な警察ミステリーではおわらなかった。
ミステリー好きだと、少なからず物語の行く先を邪推してしまい、結末を知ったときがっかりしてしまう事も多いが、今作では僕が邪推した流れをいとも簡単に、嘲笑うかの様に超えていき、全く予想だにしていない結末へと物語を展開していった。
主人公の藪内唯歩のキャラクター設定はここ最近読んだ小説の中でもずば抜けて魅力があり、ある意味でネガティブな(エピローグで語られる先輩達とのやり取りは思わず微笑んでしまった。)それでいて芯のところで強さを感じさせる人物像は、主人公然とする設定にピッタリだった。
その他、他の組織メンバーは、序盤、人物像が捉え難く余り心に残らなかったが、終盤一気に魅力が溢れて、僕を惹きつけていった。
密室シリーズから少しづつ離れながら、途方もないストーリーを生み出して進化を続けている筆者から今後も目が離せないだろう。 -
Posted by ブクログ
呪詛がある世界を舞台にした特殊設定ミステリ。
呪詛といっても、いわゆる呪いとか魔術ではなく、身体機能や認知機能を喪失した障碍者を「呪詛持ち」と呼んでいます。
呪詛持ちの住む貧民街と呪詛なしの人々が住む中心街とで、貧富の差によって明確に住む場所が別れており、世界は殺伐としています。
そんな世界で、便利屋をしている主人公の壮耶と居候のヒカルの2人はとある荷物を届ける仕事を請け負います。そして、到着した呪詛持ちの人々の療養施設で、不可思議な現象と殺人事件に巻き込まれることになります。
詳しく書くとネタバレになるのですが、設定がめちゃくちゃ複雑で…かなり注意深く読んだのですが、それでも大分混乱しました。こういうのをスっと理解できる頭がほしい…。
でも、話自体はとても面白かったです。
とある仕掛けがあるんですが、完全に騙されました。
それにしても、どうやったらこんな設定を思いつくんだろうなぁ。