市川憂人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マリアと漣が挑む史上最大の難事件!
大人気本格ミステリシリーズ第五弾。
U国MD州で現金輸送車襲撃事件が発生。
襲撃犯一味のワゴン車が乗捨てられていたのは、遠く離れたA州だった。
応援要請を受け、マリアと漣は州都フェニックス市へ向かう。
警察と軍の検問や空からの監視が行われる市内。
だがその真の理由は、研究所から脱走した、二十年以上前に連続殺人を犯した男『ヴァンプドッグ』を捕らえるためだった。
しかし、『ヴァンプドッグ』の過去の手口と同様の殺人が次々と起きてしまう。
一方、フェニックス市内の隠れ家に潜伏していた襲撃犯人五人は、厳重な警戒態勢のため身動きが取れずにいたが、仲間の一人が邸内 -
Posted by ブクログ
一番好きなシリーズでしたが、正直「短編集かぁ」と思っていました。
ですが、読んでみると今までの主要キャラの過去や人柄に迫れるストーリーばかりで物凄い没入感でした。
「ボーンヤードは語らない」
米軍基地で起きた事故を、ジョン視点で描かれ、マリアと漣による捜査依頼を経て解決へ向かう。ジョンにも米兵を目指す上で苦い過去があり、それらを想起させる事件。
「レッドデビルは知らない」
マリアが警察官を目指すきっかけとなる事件。友人を死なせてしまったことへの後悔が深く描かれ、前作迄のマリアの刑事として事件へと向かう姿勢の背景が深く見受けられる。叙述トリックもあり、本作で1番の力作だと感じられる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ以下超ネタバレ
いやーおもろかったなあ。
弁護士のヴィクターが犯人なのは予想通りだったけど、パメラが共犯とか、硝子鳥が人間とかは見破れなかった。
確かに序盤からエルヤのことを「彼女」と描写するから、「なんで雌だとわかるの?」と思いながら読んでいた。
硝子鳥の説明が明らかに鳥を連想させたから、実は人間でしたなんてのは「そんなのアリかよ」と思ったけれども、最後まで読んだ結果、伏線を色々と考慮すると確かにミスリードだと納得できたかな。
いやーブルーローズも面白いけど、グラスバードも負けてないなぁ。最後の金髪エルヤの描写も美しいし。エルヤはいずれ別の作品で再登場するなこれ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレガラスの透過の話が出たところで迷彩布のトリックは察した。でもそれだけで終わらないのが「らないシリーズ」の凄いところ。グラスバードは本当に鳥なのか?一回は頭を過ったとは思う。でもそれだけでまんまと騙されてしまった。口惜しいなぁ。犯行現場とビルが別の場所では?という問いも立てられた。でも死体の数の問題が出てくる。色々推察できながらもグラスバードの正体に辿り着かなければ解明できない、ここがこの話の凄いところ。「らないシリーズ」はトリックに「ズレ」を用いる。ここまで大胆にネタバレしつおいて尚面白いのは市川さんの凄さだろうと思う。「らないシリーズ」はバッドエンドが多い。次に待つ謎は一体何だろう。