市川憂人のレビュー一覧
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マリア&漣シリーズ5作目。
20年前の連続殺人犯「ヴァンプドッグ」が拘束されていた研究所から脱走し、過去の手口と同様の連続殺人が起こる。時を同じくして現金輸送車襲撃事件が起こり、逃走した犯人5人が隠れ家として潜伏した館でも同様の手口で殺人事件が起こる。厳戒態勢が敷かれた市内と閉ざされた館、すべての犯行は脱走したヴァンプドッグの仕業なのか。2つの事件の被害者たちのミッシングリンクは…?
マリア&漣が挑む最大の難事件。
上下二段になっていてかなりのボリュームだったけど先が気になってどんどん読めた。相変わらずマリアと漣のやりとりが楽しい。館での殺人はミステリの王道展開でワクワクしてしまった。最後ま -
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ネタバレタケルとコノハだけが入院する無菌病棟、通称《クレイドル》。
ある日、大嵐で貯水槽に通路を寸断され、二人は外界から隔絶される。不安を抱えながら日付を越した深夜、コノハは胸をメスで刺され、死んでいた。
二人きりのはずの無菌病棟で、外気にすら触れられない彼女を殺したのは誰なのか?
『ジェリーフィッシュは凍らない』などのマリア&漣シリーズで有名な市川さんのクローズドサークルミステリです。
無菌病棟で過ごす二人きりの患者であるタケルとコノハ。嵐で孤立した病棟で、コノハが殺される。ウイルスすら入り込めない密室のはずなのに、凶器など持ち込めないはずなのに、彼女を殺したのは誰なのか、タケルが推理 -
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市川憂人さん初読み『揺籠のアディポクル』の概要と感想になります。
概要です。
八部屋の病室を備えた最新鋭の無菌病棟は通称「クレイドル」と呼ばれ、タケルは一号室でコノハは九号室で投薬治療を受けている。初対面から人見知りを発揮するコノハであったが、ある事態から生き抜くためにタケルとコノハは身を寄せ合っていく。次第にコノハを意識するタケルであったが、無惨にも二人で助かる道は閉ざされた。
感想です。
市川憂人さんはデビュー作『ジェリーフィッシュは凍らない』から始まるシリーズが有名ですが、なぜか私は書店に並んだ本作を手に取っていました。初読み作家さんの作風を一冊だけで語るものではありませんが「気にな -
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マリア&漣シリーズ第2弾。
前作のジェリーフィッシュ同様、理系要素がまぁまぁ登場する。今回は特に遺伝子工学の分野。序盤に青バラ誕生のくだりで、この辺の説明がワンサカ出てくるが、当然門外漢なのでなかなか理解が及ばず…物語の展開にも波に乗れず…という感じだったけど、中盤のマリア,漣視点とエリック視点の違和感や、アイリスの日記の内容が出た辺りから面白くなって一気読み!
それにしても犯行に至る背景を知ると切なすぎる。
何とか平和な人生を送る方に舵を切れなかったかなぁ…と考えてしまう。
本来送れたであろう幸せな家族の日常を思うと、やっぱり切ない。 -
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ネタバレ過去作に出てきた登場人物のオンパレード。特に、前作の短編のマリアの過去と根深い。寧ろ、マリアの過去ありきで、記憶があやふやな私には不完全燃焼。
今回は内容量に対してやや説明くさく、冗長。
次作への布石としてのモリアーティ的なライバル(金に物言わせるだけの下衆で足元にも及ばないが…)登場といったところか。だが、恣意的に起こす犯罪はアンフェアで、今作以降、これは純粋な犯罪ではなく、プロモーションされた犯罪ではと素直に事件と動機を楽しめなくなるではないかと懸念。
実際に今回は犯人の小物感が半端なく残念。
さらに閉ざされた街、閉ざされた館のダブルでビッグなクローズドサークル設定なのに、吸血鬼(どちら