市川憂人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
現実世界とはちょっとずれている世界をベースにした警察小説×本格ミステリ。よくある警察小説の展開に絡めて、起こった事件がきっちりと本格ミステリ的になっていてすごい。本格ミステリの趣向はフェアであることが挙げられると思う。その意味でフェア(考えれば読者も解ける)でありながら、かつ警察小説の空気を纏っているためどちらも読めているようにお得感がある。ラストは「池井戸作品?」と思い読んでいて笑ってしまった。市川さんは初読みであったが個人的には文章の書き方や点のふりなどがあまり合わず他の作品を読むかは熟考する。
警察小説好きだからか、展開はよめてしまったのだがその過程に本格ミステリが入り込んでいるため入 -
Posted by ブクログ
❇︎
ジェリーフィッシュは凍らない
ブルーローズは眠らない
グラスバードは還らない
ボーンヤードは語らない
ここで嵌った市川優人さんの新作
結末が気になり、一気読み。
惑わされましたが、そこもまた良かった。
表紙の絵も素敵です。
ーーーー
警察が民営化された社会が舞台。
同僚の足を引っ張っていると悩みながら、
刑事課で必死に職務取り組む籔内唯歩(ゆいほ)。
先輩兼監督役の仲城からの指導もなく、
仕事が遅い唯歩は検挙数が増えず、
署長からも散々嫌味を言われていた。
そんな中で殺人事件が発生するが、
捜査は瞬く間に行き詰まってしまう。
唯歩の閃きがきっかけで捜査は思わぬ方向に
進展 -
Posted by ブクログ
ネタバレ――
ソリッド・シチュエーション・スリラーと云えばやっぱりSAWとかキューブとかが代表格なんだろうけど、なんとなくああいう誂えられた? 状況よりも不意にそうなってしまった、って格好の、ALONEとか127時間みたいな「あちゃーまじか」から始まる作品たちの方が好み。それは設定上ももちろんなんだけれど、その置かれた状況が日常的にあり得る、あるいはもしかしたら自分にも起こり得るんじゃないか、ってところが怖いんだろうな。その点フォーン・ブースなんかも惹かれる。
と、いった好み的にこの、なんというか作り込まれたシチュエーション=すべてトリックのために、みたいな舞台設定にはちょっと、ハマりきらな -
Posted by ブクログ
目覚めると、そこは地下室っぽいところであり、両手首は頭上で縛られていた凛。目の前には、顔を焼かれている死体がある。この状況に戸惑うばかりで、今までの記憶を辿る。また、死体の先には、見覚えのある男がいた。凛とその男は、共に政治に対するデモや運動をしており、二人は両極端の活動をしていた。死体は誰なのか?犯人は誰なのか?
今に至るまでの記憶を辿りながら、解決へと導いていく。
密室、監禁といったホラー映画「ソウ」を彷彿させるような状況に、さらに謎の死体があるという予測不能な状況にどう転がっていくのか?色んな疑問を持ちながら、ハラハラする展開で楽しめました。
凛と男・大輝の視点で、交互に進行してい