市川憂人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレタケルとコノハだけが入院する無菌病棟、通称《クレイドル》。
ある日、大嵐で貯水槽に通路を寸断され、二人は外界から隔絶される。不安を抱えながら日付を越した深夜、コノハは胸をメスで刺され、死んでいた。
二人きりのはずの無菌病棟で、外気にすら触れられない彼女を殺したのは誰なのか?
『ジェリーフィッシュは凍らない』などのマリア&漣シリーズで有名な市川さんのクローズドサークルミステリです。
無菌病棟で過ごす二人きりの患者であるタケルとコノハ。嵐で孤立した病棟で、コノハが殺される。ウイルスすら入り込めない密室のはずなのに、凶器など持ち込めないはずなのに、彼女を殺したのは誰なのか、タケルが推理していくストーリー。
密室や犯人、病をめぐる謎解きのスリリングさもさることながら、タケルとコノハ二人の交流や無菌病棟というままならない状況での儚く純粋な恋愛描写にぐっときます。
幸せになってほしかったな……。
ある意味作品タイトルが一番のネタバレかもしれない。
***
ちょっとこんな作品も思い出しました。
『神のロジック: 次は誰の番ですか?』西澤保彦(コスミック文庫) -
Posted by ブクログ
市川憂人さん初読み『揺籠のアディポクル』の概要と感想になります。
概要です。
八部屋の病室を備えた最新鋭の無菌病棟は通称「クレイドル」と呼ばれ、タケルは一号室でコノハは九号室で投薬治療を受けている。初対面から人見知りを発揮するコノハであったが、ある事態から生き抜くためにタケルとコノハは身を寄せ合っていく。次第にコノハを意識するタケルであったが、無惨にも二人で助かる道は閉ざされた。
感想です。
市川憂人さんはデビュー作『ジェリーフィッシュは凍らない』から始まるシリーズが有名ですが、なぜか私は書店に並んだ本作を手に取っていました。初読み作家さんの作風を一冊だけで語るものではありませんが「気になって、気になって、面白い!!」というのが本作の中盤までの印象でした。
で後半から真相は見えてくるのですが予想範囲のどんでん返しだったので、やはり本作だけで語るのは早そうですね(^_^;)
今度こそ『ジェリーフィッシュは凍らない』を手に取って、市川憂人さんの作風を感じ取っていきたいと思います♪ -
Posted by ブクログ
マリア&漣シリーズ第2弾。
前作のジェリーフィッシュ同様、理系要素がまぁまぁ登場する。今回は特に遺伝子工学の分野。序盤に青バラ誕生のくだりで、この辺の説明がワンサカ出てくるが、当然門外漢なのでなかなか理解が及ばず…物語の展開にも波に乗れず…という感じだったけど、中盤のマリア,漣視点とエリック視点の違和感や、アイリスの日記の内容が出た辺りから面白くなって一気読み!
それにしても犯行に至る背景を知ると切なすぎる。
何とか平和な人生を送る方に舵を切れなかったかなぁ…と考えてしまう。
本来送れたであろう幸せな家族の日常を思うと、やっぱり切ない。 -
Posted by ブクログ
現実世界とはちょっとずれている世界をベースにした警察小説×本格ミステリ。よくある警察小説の展開に絡めて、起こった事件がきっちりと本格ミステリ的になっていてすごい。本格ミステリの趣向はフェアであることが挙げられると思う。その意味でフェア(考えれば読者も解ける)でありながら、かつ警察小説の空気を纏っているためどちらも読めているようにお得感がある。ラストは「池井戸作品?」と思い読んでいて笑ってしまった。市川さんは初読みであったが個人的には文章の書き方や点のふりなどがあまり合わず他の作品を読むかは熟考する。
警察小説好きだからか、展開はよめてしまったのだがその過程に本格ミステリが入り込んでいるため入れ子細工的構造になっているように思う。その点は好みなのだが、如何せんストーリーがちょっとイマイチ。