目覚めると、そこは地下室っぽいところであり、両手首は頭上で縛られていた凛。目の前には、顔を焼かれている死体がある。この状況に戸惑うばかりで、今までの記憶を辿る。また、死体の先には、見覚えのある男がいた。凛とその男は、共に政治に対するデモや運動をしており、二人は両極端の活動をしていた。死体は誰なのか?犯人は誰なのか?
今に至るまでの記憶を辿りながら、解決へと導いていく。
密室、監禁といったホラー映画「ソウ」を彷彿させるような状況に、さらに謎の死体があるという予測不能な状況にどう転がっていくのか?色んな疑問を持ちながら、ハラハラする展開で楽しめました。
凛と男・大輝の視点で、交互に進行していきます。二人に共通するのは、政治による抗議活動をしていることです。
この作品では、今日の政治についての様々な意見が紹介されています。フィクションではありますが、現実の政治とリンクする部分もあって、考えさせられました。
多数決が果たして、良い方向へと導いていくのか?
たしかに多い方が合理的な面もありますが、少数派の中にも良い方向へ導いてくれるかもしれません。
難しい問題ではありますが、多いからそれに従うという他人任せにせず、良いも悪いもしっかりとした考えをもつことが大切であると感じました。
それにしても。一つの文章で、様々な解釈ができることに、改めて共存共栄の難しさを感じました。
前半では、そういった政治的な要素が絡んでいきますが、中盤あたりからは、ミステリーとしての密室からの脱出、謎解きが楽しめます。
途中からは、謎の男の出現により、さらに面白さが増していくのですが、全員怪しすぎて、本当のことを言っているのか?疑るばかりでした。
多少強引といいましょうか、本当に上手くいく?といった疑問はあったのですが、一つずつ解明していく展開に次はどうなるんだろうと、ついついページが止まりませんでした。
死体は誰なのか?
犯人は誰なのか?
いかにして、このような状況になったのか?
電話にきた謎の男の正体は?
驚きの展開と共に様々な伏線が面白く、どれも無駄がないかのように全ての要素が活かされている印象がありました。