松尾由美のレビュー一覧

  • モーリスのいた夏

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    死を迎えたばかりの生き物のエネルギーを摂取し体を消滅させる人くい鬼のモーリス。大人にはその姿が見えず、自ら生き物に危害を加えることもない。そんなモーリスを匿う少女とその家庭教師を担うことになった女子高生のひと夏の経験。
    いわゆる「嵐の山荘」と「死体消失」、そこに人くい鬼というファクターを加えることによって見え方ががらりと変わるのが面白いですね。しかしそれも全てモーリスと少女たちの関わりを示すための要素に過ぎないのが、この物語の肝なのでしょう。

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    2014年06月11日
  • 花束に謎のリボン

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    ネタバレ

    日常のちょっとした出来事を推理しながらお話が進む恋愛ミステリーです。

    恋愛なのに、ミステリー?というところが意外性があって面白そうなのと、
    表紙が可愛くて手に取りました。


    話の流れとしては、主に、
    花屋で働く智花さんがお客さんと接する中であったことを、
    同居している小説家の嘉信さんに話して
    どういう理由や事情があったのか推理している。
    (それだけではないが)

    お互いを大切にする恋愛をしていて、
    強い感情で恋する というより、
    大きな愛情で相手の幸せを思っている 愛 という風に感じます。

    2人の求めるものが似ているのだとは思いますが、
    こんな風な、時には喧嘩をしても、相手を大切にし続け

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    2013年11月02日
  • ハートブレイク・レストラン

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    始めての松尾由美さん作品で、
    すっごくあったかい気持ちになって、それから松尾由美さんのファンですヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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    2012年10月09日
  • ハートブレイク・レストラン

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    幽霊のおばぁちゃんが次々と謎を解いていく、ほのぼのミステリーです☆

    フリーライターの主人公が、仕事場代わりにしているファミレスに現れる幽霊のおばあちゃん「ハル様」
    ファミレスに出入りする人々の“不思議な話”の謎を、次々と解き明かしてしまいます。

    ハル様が見えることで、主人公もいろんな人と関わりを持つよぅになり、そこに恋が芽生えたりして☆

    丁寧な言葉遣いとやわらかな雰囲気を持つハル様、読んでるだけで穏やかな気持ちになれますよ♪

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    2012年09月22日
  • ハートブレイク・レストラン

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     ほのぼの、という言葉は良い日本語だなあと思う。
     優しくて暖かくて、肌触りの良い布地の様な、陽だまりの庭先のようなふわふわとした掴みどころのない心地良さ。
     それを存分に味わう事が出来る。
     短編集だが、通してみるとまとまった一つのストーリーが浮き上がってくるところが上手い。
     何しろ登場人物が魅力的だ。
     ほのぼのを体現したかのような、幽霊のおばあちゃん。お婆ちゃん、でもお祖母ちゃんでもない。「おばあちゃん」。
     ミステリーではあるが人は死なないし傷つかない。優しいお話を読みたいミステリー初心者にお勧めの一冊。

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    2012年08月12日
  • バルーン・タウンの殺人

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    『ジェンダー城の虜』と同じ作者の小説です。
    こちらもユーモアミステリ、「妊婦しかいない街」バルーン・タウンで起こる殺人事件を、妊婦探偵が解決しています。

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    2009年10月04日
  • これが最後のおたよりです

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    アミの会によるアンソロジーを読むのは4冊目ですが、これもどれもじんわり涙するお話が多かったです。特に「猫への遺言」柴田よしき著が良かったです。定年退職した老夫婦の夫がコロナに感染し、急逝してしまう。
    その後、妻がみつけた3通の遺言書。妻への遺言書は、読まれるはずのないものだったのに急逝だったために読めてしまう。知らなかった夫の本心。最後に猫への遺言書で、また涙でした。
    自分と重ねて何とも言えない気持ちになりました。
    「青い封筒」松村比呂美著も良かったです。
    あんなお手紙もらってみたい。親子、夫婦もこんなふうに、積み重ねていくものだよなと思いました。

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    2025年11月17日
  • ハートブレイク・レストラン

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    ミス・マープルの様なアームチェア・ディテクティブが幽霊の姿でファミレスの角の席に登場して事件の謎解きをする。
    この作品巻末の大矢博子さんによる解説だとオルツィという作家の「隅の老人の事件簿」のパロディになっているのだそうだ。
    内容は私の好きな日常生活ミステリー。
    そして恋もある。
    たまにはこういうホッコリとした読み物が良い。

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    2025年08月16日
  • 九月の恋と出会うまで

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    部屋の壁の穴から、1年後に生きているシラノと名乗る男性に話しかけられ、とあるお願いをされる話。
    志織と、そのお願いに関わったマンションの隣人である平野の2人は、シラノが一体誰で、何の目的があってそんなことをするのか推理する。
    そして突き詰めたある事件をきっかけに、パラドックスの回避をするために奔走する。
    彼なの?彼じゃないの?とヤキモキさせられる。
    「ちょっと失礼」の意味が分かった時はクスッとなった。
    作品の内容から、ずっと前に無料のウェブ漫画で読んでいたことを思い出した。
    まさか元が小説だったとは知らず、しかも最後まで読めてなかったので記憶もそんなになかったが、原作で読めてよかった。
    【男は

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    2025年07月12日
  • これが最後のおたよりです

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    タイトル通りラストレターというか、最後のメッセージをテーマとした短編集。個人的には「猫への遺言」がよかったなぁ。これまでは猫を見送ることばかりだったので、猫に言葉を残すという発想がなかった。人間いつ死ぬかわからないしね。

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    2025年07月10日
  • おいしい旅 初めて編

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    旅と食がテーマの作家さん達の短編集。まんまと食べたく、行きたくなっていますw
    ちょうど季節や状況が、一緒の作品が多くて、するりと作品に入って ご飯共にもぐもぐしたかのようでした。

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    2025年04月12日
  • バルーン・タウンの殺人

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    人工子宮の使用が当たり前になった世の中で、あえて自らの身体で妊娠・出産を経験しようという妊婦たちが集められたバルーン・タウンを舞台にした連作ミステリ。妊婦ならではの着眼点やトリック満載の作品です。
    妊婦たちが平和に日常を送るバルーン・タウンだけれど、人間の営みの中で必ず事件は起こるもの(笑)。幸いにしてそれほどに物騒で凄惨な事件は起こらないものの、社会への痛烈な皮肉なんかもあって、軽くはない読み心地です。
    お気に入りは「バルーン・タウンの密室」。ほぼ密室で起こった知事襲撃事件、犯人の出入り可能な空間はあったものの、容疑者たちはサイズ的に誰も通ることができなかった、というシンプルなようで難解な謎

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    2025年02月15日
  • おいしい旅 初めて編

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    旅と、食の思い出にまつわるエトセトラ。”初めて”と副題にあるだけあって、非日常。旅に出るきっかけもひとそれぞれ。
    下田に行ってみたくなった。
    台湾へは派遣で働いている彼女が一人旅、のはずが会社のお使いもする羽目に。
    函館はカフェめぐり。函館の話の内容は重たかったけれど、カフェには行ってみたいな。NHKの”ふるカフェ系 ハルさんの休日”を思い出した。
    糸島の彼女たち。出かける前の後ではさぞ印象が変わったことだろう。

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    2024年03月13日
  • おいしい旅 初めて編

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    「アミの会」のアンソロジー。
    『初めて編』ということで、七編のストーリーは、初めて訪れる旅先での初めての食べ物が登場する。

    料理が美味しそうだったのは、乗り鉄・食べ鉄にも嬉しい「下田にいるか」坂木司さん。なんと言っても下田なら行けそう!と思えるのが嬉しい。観光も楽しそう。

    もうひとつは、サハリンでのロシア料理がたっぷりの「地の果ては、隣」永嶋恵美さん。初めて読む作家さん。作中では、既にロシアとウクライナの戦争の気配が描かれていて、今は…まだ、いつになったらロシアに旅行に行こうと思えるのかわからないけれど。

    コロナ禍のあと、旅に出る物語が描きにくくなっただろうと思うけれど、むしろ、だからこ

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    2024年01月27日
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ

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    大好きなアミの会(仮)のアンソロジー。ラストメッセージという副題でなんとなく遺書を思い浮かべたけど、そうかぁこんなに色んな最後のメッセージてのがあるもんだ、としみじみしてしまった。近藤史恵さんの久々にゾワッとする怖い話も、福田和代さんのカッコいい刑事さんの話も、楽しんで読めた本。

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    2024年01月06日
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ

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    ネタバレ

    もうひとつある鷹宮家四訓/大崎梢
    大切な人を思いやる気持ちが温かくて良い話だった。

    孤独の谷/近藤史恵
    言葉を使えば使うほど死に近づいていくなんて、なんと恐ろしい。。。本当に孤独で寂しい。ラストがちょっとホラーだった。

    猫への遺言/柴田よしき
    コロナで急逝した夫が隠していた秘密が、読まれるはずのなかった遺言書によって妻が知ることになってしまう。なんとも言えないが、夫に共感できるところはあるなぁ。

    十年日記/新津きよみ
    良い話。すごくホッコリした。真央さんにまんまとやられた。ってか勝手に勘違いした。

    そのハッカーの名は/福田和代
    ネタバラシの前に見抜けなかったのめっちゃ悔しい!

    青い封

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    2023年09月24日
  • おいしい旅 初めて編

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    思い出編の感想で、小説内でコロナ取り上げられるの苦手って書いたけど前言撤回。

    下田にいるか、すごい良かった。絶妙な閉塞感と解放感。光を掴めた感じがして励まされる。


    情熱のパイナップルケーキ、糸島の塩、が好きだったかな。遠くの縁側も面白かった。(近藤史恵が好きだから、期待しすぎてしまった)
    初めて編の方が好きなの多かったかも。

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    2023年09月13日
  • おいしい旅 初めて編

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    とにかく皆さんの作品読みやすいです。そして人々の感情や、周りの環境、美味しそうな食事たちなど情景の描写が想像しやすくわかりやすい。綺麗でほっこりする作品が多く心が落ち着き好きな本でした。

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    2023年09月08日
  • ニャン氏の憂鬱

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    「ニャン氏」第3弾はまさかの?バンドを巡る人間ドラマで、心なしかニャン氏の影が薄い気すらするが、まあそれはそれで。
    各章のタイトルが洋ロックのスタンダード曲のもじりになっているのが、楽しい。

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    2023年08月09日
  • おいしい旅 初めて編

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    アミの会という女性作家達の集団の作ったおいしい旅をテーマにした短編集。
    知らない作家さんが多かったがどれもこころあたたまる話だった。
    坂木司は、覆面作家なのに女性作家集団に入っているのかと驚いたら、ゲストなのだそう…

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    2023年08月05日