松尾由美のレビュー一覧

  • 11の秘密 ラスト・メッセージ

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    アミの会(仮)のアンソロジー。書き下ろしが毎度のことながら嬉しい。
    11人の11の話。きっとお好みがあるはず。

    私のおすすめは、「猫への遺言」「十年日記」「青い封筒」。
    「猫への遺言」は、亡くなった夫からの手紙。
    知りたくなかった秘密が明かされて、胸が痛む。
    それは妻の側からの痛みだが、一方で夫の心も少しわかる気がする。
    夫の方の胸の痛みは、甘やかな痛みと、突き刺さるような痛みの2種類。
    生きていれば、そういうこともあろうか、と思ってしまう。
    最後に伝えられる愛の言葉は、明かされた秘密への悲しみを癒してくれるだろうか。
    それとも、それはそれ、なのだろうか。
    わたしは、それも含めて、やっぱり夫

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    2023年07月17日
  • おいしい旅 初めて編

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    とても とても 旅をしたくなった。
    海外は、ハードルが高いけど、国内ならすぐ行ける気がする!下田でイルカを見たいし、糸島の塩で握ったおにぎりを食べたい。ようやく、自由に、動ける時が来たのだから。

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    2023年05月13日
  • おいしい旅 初めて編

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    すきな作家さんの旅の話は、そこに行ってみたくなる

    思い立ったときに気軽に出かけられないこともつらさを感じるけど、あったものがなくなっているのには悲しみを覚えるし、それが壊されてしまったものだったらなおさら非難してしまうだろう
    “在る”こと自体が奇跡なんだと思えてしまえば、希望を持てるだろうか、絶望するだろうか。それらもすべて自分の在り様に他ならないのかもしれない
    人生は旅に例えられるけど、心を揺さぶられること、気持ちのゆらぎこそが、人生の、旅の、読書の醍醐味かもしれない

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    2023年05月01日
  • ニャン氏の童心

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    ネタバレ

    前作(『ニャン氏の事件簿』)を好意的に受け入れられた人はこちらも当然、楽しめると思う。

    感想を投稿されている方々の多くがベストに選んでいる「猫探偵と土手の桜」は、たしかに私にとってもベストで、ああ成程と思わせつつクスリと笑える、読み終わってなんとなく幸せな気分になる名短篇だった。

    タイトルからして古典的名作のオマージュであるところの作中で(珍しく)はっきりと元ネタがあることが匂わせられ、(いじわるにも)その答えを教えてくれない「金栗庵の悲劇」は、ルビが「きんくりあん」ではなく「きんぐりあん」とふられているのと、元ネタの"悲劇"がミステリではないのに留意して、あとはお考え

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    2023年04月24日
  • ニャン氏の事件簿

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    わたしは結構好き。
    猫が安楽椅子探偵的に活躍するという、その設定が受け入れられれば、あとは超正統派のミステリ。
    「三毛猫ホームズ」は飼い主にヒントを与えるタイプの謎解きをしていたが、ニャン氏は基本的には雇っている通訳を介して語ることで差別化?が図られている(たまにホームズスタイルもとるが)。また登場人物に、猫ミステリ?の先達のオマージュ的な遊び心を感じたりも。

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    2023年04月10日
  • おいしい旅 初めて編

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    既存の作品を集めたのではなく、
    この本のために書いたんだな。
    それぞれの作品の主題というわけではないけれど、
    現在のリアルな世界が描かれている。

    数年後、読み返した時には
    どんな気持ちになるのかな。

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    2023年04月02日
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ

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    安定の面白さ!

    秘密と言えど、中身もシチュエーションも様々で、こんな発想の仕方があるのか〜と感嘆の声を漏らしながら読み進めました。

    コロナ禍の出版とあって、時世を反映しているのも特徴的。

    私的には、孤独の谷が1番すきでした。

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    2023年02月19日
  • 嵐の湯へようこそ!

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    ある日、伯父さんの経営していた銭湯を相続した姉妹。
    妹は極度の人見知りながらも名探偵を目指しているというだけあってなかなかの推理力の持ち主。
    という設定から思い浮かべる展開の思いっきり斜め上を行く流れにびっくり。
    うわ、そうくるか。
    で、それがまたなんとも面白い。舞台が銭湯っていうのも下町っぽい感じで、やってくるおじいちゃん、おばあちゃんとの会話もいかにもってのが楽しいし。
    松尾由美さん、さすがだ。
    それだけに、あそこで終わってしまったのが残念。
    ぜひとも続きを書いてほしい。

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    2023年02月04日
  • おいしい旅 初めて編

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    女性ひとりの語りみたいな話が多く、生活に何か辛いことあっても旅や美味しいもので元気になったり、変わるきっかけになったり…という話が多かったので、怖いのやファンタジーじゃない、しっとり系で手軽に手に取りたい人にオススメ。私は坂木司と近藤史恵に惹かれて読みました。
    男女関係に踏み込んだ内容もあるので、中学生からかな。際どい表現はないです。
    「下田にいるか」坂木司
    仕事行き詰まり感じてふらりと伊豆熱川に行き楽しむ僕。楽しむ僕。あー、このコースで伊豆行きたい!って思いました。
    「情熱のパイナップルケーキ」松尾由美
    台湾オフィスの下村さんのお土産はいつも李製餅家のパイナップルケーキ。そのお土産を不思議な

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    2023年01月27日
  • おいしい旅 初めて編

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    アミの会による旅行本。下田、糸島、函館、サハリン、台湾、オランダ…。知らない場所、美味しそうな食べ物。こんな本読んだら旅行行きたくなっちゃうじゃん!特に良かったのは糸島の話。思わず検索して半ば本気で行きたくなった。

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    2023年01月24日
  • おいしい旅 初めて編

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    ネタバレ

    唐突な飯テロ作品もあるので
    空腹時に読むのはきついかもよ…(誉め言葉)

    良かったのは、報われない恋をしている女性が
    それに手を出した場合、もうダメな時点になって
    勧誘した女性に救われる物語。

    こういう手法って本当にあるんだよね。
    多分実際にあったんだろうね。
    その女性のおかげで彼女は救われるんですよね。
    本当の「彼女」を取り戻したのですから。

    そして最後に出てくるのはこれまた闇を抱えた人。
    時折その描写は出てくるけど
    そこにいる彼女は底抜けに明るい。
    そして友達がたくさんいる。
    食べ物を通して、ね。

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    2023年01月17日
  • おいしい旅 初めて編

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    旅と美味しいものがテーマのアンソロジー。
    糸島の塩、台湾のパイナップルケーキ&北京ダック、アムステルダムのコロッケ。
    旅で食べるものは、その空気感ごといただくので、何倍にも美味しくなる。一期一会で出会う人、風景、温度、時に音楽…様々な要素が絡み合って、思い出しても幸せな気分になる。

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    2022年12月18日
  • ハートブレイク・レストラン

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    個人的に好きな作品でした。
    ミステリー要素を出され、それを解決する。。。
    人の話からミステリーを説くのは難しいけど、それをやっちゃうフィクションさ。
    良かったです。
    気軽に読める作品だと思います。

    でも、タイトルが気になります。

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    2022年12月02日
  • 嵐の湯へようこそ!

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    ほんのりファンタジー、ひっそりミステリー。
    どことなく切ない恋愛と、ほっこりする人情。
    亡き伯父が営んでいた銭湯を、引き継いだ姉妹が主役。
    引きこもりがちな妹の紗央が安楽椅子探偵風で、翻訳業兼銭湯の番台係の姉の莉央がストーリー回し。
    常連さんたちの日常のミステリーを推理してスッキリさせたりもする。
    莉央の恋模様なども織り交ぜつつ、事故で亡くなったはずの伯父について、意外なことがわかってきたり。

    刺激も控えめで起伏が少ないので、好みは分かれるかも。
    私はこの程よい感じは、わりと好き。

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    2022年11月25日
  • アンソロジー 隠す

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    毛色の違う短編を作家の分だけ読めるお得さ。
    表のテーマである「隠す」と裏テーマでまとまるそれぞれのお話は、とても魅力に溢れていました。

    アミの会(仮)面白いかも。

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    2022年10月21日
  • おいしい旅 初めて編

    購入済み

    旅に出て美味しいものを食べたい

    旅行に行きたい!
    多くの人が、そう思っているだろうな。
    観光して、美味しいもの食べて…
    そこには「人」がいる。
    コロナ禍を過ごしてきたから、その大切さが理解できる。

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    2022年10月14日
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ

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    ネタバレ

    読みにくい話もあり、読み終えるまで時間がかかりました。印象に残ったのは、そのハッカーの名はと青い封筒。

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    2022年07月28日
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ

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    ネタバレ

    表紙のタイトルが気に入って読んだ。短編物は一般小説を読んでいるとどうしても物足りなくて、かといって短編だけど、一つ一つが最後につながって..といったものもそろそろ読み飽きてって思ってましたが、いい意味で裏切られました。一話一話はボリュームがないはずなのに奥深くていろいろ考えさせられる、それでいて、結末に驚かされる。決して小粒ではない短編なのに読み応えのある大粒の傑作集でした。女性作家が集まって作られた作品ということもあり、優しく包み込まれるような話ばかりで、一気に読むよりは一日一話づつちょっとづつ読むのがいいのかもしれません。

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    2022年06月19日
  • 九月の恋と出会うまで

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    とても凝った内容。
    だってエアコンの室外機用の穴から一年後の住人の声が聞こえてくるなんて。

    その相手から、同じマンションに住む平野という男性を尾行して欲しいとお願いされ。

    どこに向かっているのだろうか、まったくちんぷんかんぷんだったけど、その声が聞こえなくなり、平野に訳を言って謎を解いていくあたりから面白くなってきて。

    私の大好きな「シラノ・ド・ベルジュラック」の話も絡んできて益々面白く。

    なかなか良かったです。

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    2022年05月11日
  • アンソロジー 隠す

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    「隠す」というお題なので薄暗い犯罪ものだと思ったが、癒し系など色んなタイプを楽しめる短編集で、どの話もぐいぐいと世界観に引っ張っていくものが多いので短編でも充分な満足感があった。

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    2022年05月10日