松尾由美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
心やさしいお婆ちゃん幽霊ハルさんが謎を解く!
ハートブレイク・レストランという題なので~失恋がらみの事件なのかなと思ったら、違いました。
ほとんどは日常の謎で、ある点で幽霊がらみ。
癒し系といってもいいでしょうね。
寺坂真以はあちこちの雑誌などに寄稿しているフリーのライター、28歳。
5年勤めた会社を辞め、原稿書きを本業にしようと苦労している所。
家に閉じこもって書くのも息が詰まるので、喫茶店などに出かけて書いている。
落ち着ける店で長く粘れる所を探して、見つけた~とあるファミレス。
街道沿いだが駅から少し離れているのと、何となく店員の雰囲気が明るくないせいか、客が少ないのだ。
常連客の中に、一人お婆ちゃんがいる。いつも着物で、真っ白な髪をお正月のくわいのような形に結っている可愛らしいお婆ちゃんだ。
ある日、エッセイに書こうかと思っている編集部での不思議な出来事を、携帯で友達に話していると、お婆ちゃんに声をかけられる。
手作りケーキの中から、編集長がなくした結婚指輪が出てきた謎。
それはこういうことだったのではないかと。
感心していると、その姿はうっすらとなり、消えていく…
幸田ハルという「お婆(ばば)さま」こそ、その店の主?
以来、解決出来ない問題があると、ハルお婆ちゃんに知恵を借りることになります。
「走る目覚まし時計の問題」
「不作法なストラップの問題」
「靴ひもと十五キロの問題」
「ベレー帽と花瓶の問題」
「ロボットと俳句の問題」
やはり店の常連の南野さんという男性と、ほのかな好意が芽生えていく様子も、ほのぼの。
もちろん、ハルさまが応援してくれます。
いい感じでした~。
著者は1960年金沢生まれ。
1991年「バルーンタウンの殺人」でハヤカワSFコンテストに入選、注目される。 -
Posted by ブクログ
幸薄い感じのウェイトレスが言葉少なく料理を運ぶ、
不思議な雰囲気のファミレスの禁煙ゾーン。
その、壁を背にした一番奥の席にちんまりと座り、
真っ白な髪をお正月のくわいのような形に結った和服姿の品のいいおばあちゃん。
この、癒し系フィギュアとして売り出したいくらい可愛らしいハルおばあちゃんが
空席だらけのファミレスを仕事場にしているフリーライターの真以が遭遇する事件の謎を
あくまで奥ゆかしく上品に解き明かしていく、ほのぼのとした物語なのですが、
コラムのネタにしようと目論む「ケーキと指輪」の謎に悩んでいた真以に
招き猫のようにおいでおいでをして、かぼそい声で「お呼び立てして」と謝りつつ
「僭越ながら」と微笑みながら鮮やかに謎を解いてしまったハルさんが、
真相が編集長のプライバシーに関わるため、コラムとしては書けなくなったと知ると
「何という出すぎたことを・・・」と消え入りそうに小さくなって。。。
あらまあ、なんと!
ほんとうに消えちゃった!!
幽霊だとわかってもちっとも怖くないどころか、ファミレスの店長に慕われ
名探偵として、真以や事情を知らない刑事の南野にまで頼りにされるハルさんが
どうして勇気を振り絞って真以に声をかけたのかが明かされるエピソードにほろりとして
「うだつがあがらない」と卑下する真以に、「うだつ」の由来を丁寧に説明して
刑事らしく真面目に慰めようとする南野や
ハルさんを崇拝して、いつ出没してもいいように指定席を常に空けておく店長など
心根のやさしい登場人物に胸がなごみます。
それにしても、『モーリスのいた夏』が、原題『人くい鬼モーリス』であった頃には
読んでみようとは思ってもみなかった松尾由美さん。
このお話のタイトル『ハートブレイク・レストラン』でも
よくある若い女性の失恋物語と誤解されて手に取ってもらえないのじゃないかと
ハルさんじゃないけど、「僭越ながら」気になってしまうのは私だけでしょうか。。。 -
Posted by ブクログ
猫足のベンチソファで静かに本を読む少女と
彼女にもたれてまどろむお人形のような美少女。
その足もとには意味ありげな鍵が転がっていて。。。
セピア調の色彩で描かれた表紙絵がとても綺麗で
思わず手に取ってしまった本。
途中に挿まれる2枚の挿画も、
カラーでぜひ見てみたかったと思うくらい、雰囲気があって素敵です。
避暑地の別荘で、執事や家政婦と共に過ごす10歳の芽理沙と
その家庭教師として雇われた17歳の高校生 信乃、
そして芽理沙が納屋に匿う、「人くい鬼」モーリスの、ひと夏の物語。
これは!という家庭教師を選び出すためにトラップを仕掛け
相手が思いがけない反応を見せると
「笑ってもいいですか?」と冷静に問いかける
ビスクドールのような美少女、芽理沙と
命が尽きた動物や人間の「残留思念」を食べて生きているのだけれど
けっしてそのために生き物の命を奪うことはしない
どこか悲しげな「人くい鬼」モーリスが、とても魅力的だ。
読み始めてまもなくの、家庭教師の面接シーンに
大好きなハインラインの『夏への扉』から
猫のユーモアについて書かれた部分が引用され、
そのすぐ後のモーリスの登場シーンには
またまた大好きなモーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』、
終盤にはマリー・ホール・エッツの『もりのなか』と
出てくる本の顔ぶれだけでも、うれしくなってしまう♪
途中に起こる殺人事件の謎解きは、
ミステリファンにはたぶん物足りなく感じられるでしょうが
祖父、母、芽理沙と3代にわたって愛されてきたモーリスが
芽理沙の危機に初めて見せた情愛の深さと
現実と夢のはざまにたゆたうように生きていた芽理沙が
信乃との出会いや人の死、モーリスとの別れの後に見せる成長に
心洗われる、「魔法にかかったようなあの夏」の物語です。 -
Posted by ブクログ
出版社に勤める夫と社宅のマンションで暮らしてる加奈子。
一年半前に加奈子の体に異変が起きた。
家に帰り靴を脱ぐと身長が1メートルに縮んでしまったのだ。
靴を履いて外出する時は、元の大人の身長に伸びるのだが、たまに街中でも縮んでしまう事が・・・。
夫の同僚から電話が来た。
夜に上野駅の改札で夫が乗り込んだのを見たと言う。
そしてその日は、夫が戻って来なかった。
会社に置いていった背広に残されたメモを見て、上野発の寝台列車で北に向かった事を知った加奈子は、偶然会った同級生の千紗とともに夫の足跡を追う。
夫を探すその旅は、加奈子の体の変調の原因を探る旅へと変調する。
ちょっと不思議な小説です。
ん〜小川洋子の雰囲気をちょっと持ったような感じの物語りかな?
読んでてちょっと不思議な感じがします。
文章は、読みやすく女性だと共感する事がある所もあるのでは?
ないかな?
SFちょっとちょっとファンタジーのサスペンス?かな?
ちょっとジャンル分けが難しいですが、なかなか面白かったですよ
ま〜読んでみれば解ります