松尾由美のレビュー一覧
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シリーズ第二弾。
とあるファミリーレストランに現れる、幽霊のハルお婆ちゃんの謎解き譚、連作六話でございます。
前作の終盤で“ええ感じ”になっていた、主人公の真以と刑事の南野さんですが、本書では、南野さんが本庁に異動になってしまい、せっかく恋人同士になった二人がなかなか会えなくなってしまうという切ない状況になっております。
その南野さんの代わり(?)に登場するのが、デキる女刑事の小椋さん。
まさに“私、失敗しないので。”で、お馴染みの某女医的な感じで、バリキャリウーマンならではの当たりのキツさはありますが、頭脳明晰さを活かした小椋さんの推理もハル婆ちゃんの推理と共に楽しめる要素はあります。
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シリーズ第二弾。
前作と語り手が変わり、出版社勤務の田宮さんの視点でお送りする連作六話の構成です。
実業家・アロイシャス・ニャン氏でもあり、童話作家・ミーミ・ニャン吉先生でもあるニャン氏。
そのニャン吉先生の担当である田宮さんが、行く先々で遭遇する謎を、ニャン吉先生ことニャン氏(ニャンニャンややこい・・苦笑)が解き明かす・・のを秘書の丸山さんが通訳するという展開はお約束。
今回は、“通訳時”の丸山さんの語尾が「・・・だニャ」ってあまり言うてないなー・・と思っていたら、第四話辺りから「ニャ」多めになっていました。
多分第三話のラストで、ニャン吉先生がリアルニャンコであることを田宮さんにカミン -
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猫が謎解き?大学を休学中の佐多くんと猫のニャン氏が繰り広げる探偵譚、連作六話が収録されています。
主人公の佐多くんがバイト先など、行く先々で謎に遭遇するたびに、何処からともなく現れる実業家(!)の猫、アロイシャス・ニャン氏とその秘書兼運転手兼通訳の丸山さん。
ガチな猫のニャン氏が「ニャーニャニャ」と鳴き声で謎を解くのを、丸山さん(いい大人)が「~だニャ」と、通訳するという…"な ん だ こ れ w w”というシチュエーションではあるのですが、この状況をマイルドに受け入れている登場人物たちに毒されて(?)、読んでいるこちらも徐々に慣れて行く感じです。
とはいえ、謎解き部分は割りとしっ -
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アミの会の11人の作家さんによる短編集
「アミの会(仮)」のアンソロジー第9弾
この本で初めましての作家さんは
永嶋恵美さん、松尾由美さん、光原百合さん
さらさらと楽しみながら読めました。
ところで、なぜ「アミの会(仮)」?と思っていたら
「アミの会」の名前の由来を書かれた記述がありました。
以前、「雨の会」という若手作家集団があり
”雨の会編”のアンソロジーが出版されました。
その「雨の会」へのリスペクトも込めて、
とりあえず仮の名を「アミの会(仮)」ということにしたら
なぜかそれが一番しっくりきてしまったということなのです。
網のように広がる交友関係だとか、
フランス語でamiは -
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★何しろ、現実離れしているということは、めったにお目にかかれないということであり、それだけ胸踊るということでもある。(p.221)
【感想】ニャン氏とは再会したいものです。
【内容】安楽椅子探偵系のひとつでしょう。短編集。ひらいたところがおおすぎた殺人事件。猫目院家ノートパソコン失踪事件。女優が人形になった事件。猫と掛け軸。移動した絵はがきの話。誰もいない家にひとりで入っていった老婦人が殺された。
▼簡単なメモ
【一行目】こんな日に、洗濯機を背負わなくてすむのはとても幸せなことだ。
【安野/あんの】広瀬、倉本と同じ教授の指導を受けている院生でモデルのアルバイトをしている。
【池上】大道寺の -
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シリーズ3作目
今回の主人公は製缶会社で働くバンドマンの茶谷くん
今回も収録は6編
逃げ出したヨウムと聞こえてきた歌声
銭湯で見つかった掛け軸の暗号
軟禁されていた王子の外部との連絡方法
音楽スタジオでの消えた利用履歴ノート
江戸時代でも本当に喜んでいたのか?前話の真相
ハムスター失踪・宝石盗難事件
物騒な真相もあったりするけど、日常の謎の傾向が強くなった
銭湯の暗号の話なんかは終盤の二転三転する展開はよかった
さらに、真相に関してはほのめかしで終わってるあたりも結構好みかも
前作での田宮さん、小森さんも登場したりと、シリーズを通した交流もちょっと
今回も同じような終わり方だけど -
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シリーズ2作目
主人公が変わって、出版社の児童文学担当の女性編集者 田宮宴
今回も収録は6編
袋小路で消えた警察官
フライトシミュレーター
蔵書の処分の遺言に隠された謎
和菓子消失事件
親子喧嘩と花見での不思議な和解
何度も盗まれかけるバッグ
殺人を取り扱った謎が1つだけなので、日常の謎のように思える
ただ、謎に人の悪意を感じるところがいくつかあるので、何ともねぇ……
編集長の小森さんがミステリ的な発想で推理の案を出してるのは、まぁミステリ好きとしては同意できる
ただ、有名どころといっても海外ものはほとんど読んでないので、元ネタが何かは見当がつかぬ……
ところで、童話作家としての -
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猫が探偵役の連作短編ミステリ
猫がニャニャー言い、秘書兼運転手兼通訳の丸山が通訳して事件の真相を披露するという、何ともぶっ飛んだお話
大学を休学し、家電の配送のアルバイトをしている佐多
とあるお宅の照明器具の取り付けをし、おもてなしを受けている際に、一匹の猫とその秘書と名乗る男に出会う
人が話しているのを聞いてニャーニャー言うニャン氏の言葉を通訳する秘書
そこで語られるのは事件の真相を当てていると思われる推理
収録は6編
家中の扉が開け放たれて死んでいた叔父
廃棄するパソコンを持ち出したニート
首を切られた人形を残して失踪した女優
土蔵からなくなった一対の掛け軸の片割れ
元カノの婚約 -
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ネタバレ【収録作品】「もうひとつある」 大崎 梢/「孤独の谷」 近藤 史恵/「扉を開けて」 篠田 真由美/「猫への遺言」 柴田 よしき/「キノコ煙突と港の絵」 永嶋 恵美/「十年日記」 新津 きよみ/「そのハッカーの名は」 福田 和代/「みきにはえりぬ」 松尾 由美/「青い封筒」 松村 比呂美/「黄昏飛行 時の魔法編」 光原 百合/「たからのちず」 矢崎 存美
さまざまな形で残された「ラスト・メッセージ」を巡る短編集。どれも味わい深い。
「もうひとつある」隠された幻の家訓。鷹宮家には4つの家訓が残されていたが、もう一つ隠れた家訓があるという。大学院で歴史を研究する高校時代の先輩に請われて、鷹宮家の傍 -