松尾由美のレビュー一覧
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大変、可愛らしいSF Lovestory
魔法はきっとあると信じたくなる一冊。
画家であるオーナーの一存で入居が許されるというアパートメント〝アビダシオン・ゴドー〟の入居条件は「よそで3ヶ所以上の入居を断られた」人。
旅行代理店に勤める志織は、趣味のカメラが原因でマンションを退去させられてしまう。
たどり着いた〝アビダシオン・ゴドー〟で、ある夜、壁に開いた穴(エアコンダクト)に話しかけられる。
「北村志織さん!」
声の主は、挨拶もまともに交わしたことのない隣の住人、平野ですと名乗る。しかも一年後の!
「そちらの平野には言わないで下さい。」
「私を助けて下さい。」
未来の声、自称平野の目的は?
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Posted by ブクログ
先日読んだ『御城の事件<西日本編>』がなかなか面白かったのでこちらも読んでみた。
この<東日本編>はどちらかと言えば時代物という枠を超えた感があるが、『御城の事件』という枠は守っているので良いか。
高橋由太「大奥の幽霊」
<もののけ>シリーズで有名な作家さんだが読むのは初めて。
『大奥で赤子の幽霊が泣いておる。成仏させてくれぬか』
将軍家綱の命により大奥を探ることになった主人公の忍びが行き着いた真相とは。
てっきり明るいもののけ物だと思っていたら、意外な顛末だった。
山田彩人「安土の幻」
幻の安土城を描いたという襖絵を写しとるために絵師の芳永がやって来たのは、豊臣方の軍勢に水攻めを受けて -
Posted by ブクログ
大学休学中の佐田はバイト先で不思議な事件の話を聞くが、実業家と名乗る猫とそれに仕える秘書兼運転手の男がその謎を容易に解いてしまう。
その後も佐田の行く先々で、次々と不思議な出来事と猫のニャン氏に出くわすことになるが──。
事件のあらましを聞いた実業家の猫のニャン氏がニャーニャーと鳴くと、秘書の丸山氏がそれを通訳して事件を解決に導くという風変わりな連作短編集です。
ふざけた設定ですが、日常の謎から密室殺人まで幅広い本格推理モノで、論理的な謎解きもしっかりしています。
派手さやケレン味はないけれど、きっちりと実直な謎解きは安心して読めました。
ただ、猫が名探偵というファンタジー設定がシュール -
Posted by ブクログ
これって恋愛ものなのか?と思いながら最後までたどり着いて、平野さんの告白に思いっきりキュンとして、あーこれは王道の恋愛ものだわと心の底から納得する、そんな作品。
倉さんの「男はみんな奇跡を起こしたいと思ってる、好きになった女の人のために」というのもそうだし、平野さんの「北村さんが「本当にこれでいいのだろうか」とそんな気持ちにとらわれた時、悪いのは僕だと言うために一緒にいなければ」とか、そんなにも大切に想ってもらえるのって、すごく素敵なことだなーと思う。憧れる。
平野さんの告白はどれも真っすぐで、飾らない言葉で、とてもとてもシンプルにキュンとする。
これ、高橋一生くんがやるのか…観たいな。