あらすじ
母親と死別した坂崎莉実は、父親と二人暮らしの高校二年生。ある朝目覚めると父親の姿はなく、代わりに「うちの保険証を使って、彼女を莉実として病院へ入院させてほしい」という不可解な書き置きとともに、見知らぬ少女がいた――。本名を名のらず、やむなくリミットと呼ぶことになった少女は、どう見ても年下なのに莉実の身のまわりで起こった奇妙な出来事の話を聞くだけで、見事に謎を解いてしまう。不思議に大人びた彼女は、いったいどこの何者なのだろう? 莉実とリミット、二人の少女が送る、謎に満ちたひと月。心温まる連作ミステリ。/解説=大矢博子
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Posted by ブクログ
正直タイトルから想像する話とは全然違った。松尾作品らしくちょっと不思議なお話。謎を決定的なところまで追求しない寸止め感があるけど、そこがある意味狙いなのかも。
しかしこのお話、結局お父さんは登場しないんですね。お父さんも寸止め。
Posted by ブクログ
思ったとおりのエンディングだったが。
この不思議な時間を過ごした
莉美とリミットの2人の心には
どれほどの割り切れない思いが
残されたことだろうか。。。
最善だったとは言えない。それは確かに。
だからと言って ほかに何が出来たのか。
人はそうしたいと思えば
そうすることを選ぶしかない。
未来に対する悔やみ とか 過去への期待
などというものは なくていい。
それが当然だから。
いくつもの日常と非日常の狭間に
これほどまでに真実は見えるものなのだ。
なんとも切ない物語だった。