松尾由美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
智花が運んでくるちょっとした謎を同居人の嘉信がひねくれた解釈をする、というストーリーなのだが、それよりももっと大きな謎がある。
この二人はいったいどういういきさつでつきあうようになったのか、という二人の恋愛事情。そっちのほうがずっと大きな謎だった。
つまり、ミステリのふりをした恋愛小説ということなんだろうか。
それにしては感情の描写があっさりしてるし、なんだかモヤモヤしたものばかりが残った。
松尾さんはちょっと不思議なアイテムを使ったミステリを書いてきた人なんだけど、今回はそういうのは出てこない。というか智花と嘉信の関係がいちばん不思議だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初は偶然が生んだ、ただのベタな恋愛話かと思いきや、パラレルワールドが絡むちょいと複雑なストーリーになっていく。
途中、中だるみしたものの、意外性のあるラストで一気に締め括ってくれた。もっと安易な展開を予想していただけに、意表をつかれた。まさかそうくるとは思わなかった。
最後のあの壁際のシーンはすごく切なくて、良かった。
同じ世界に存在出来ない、触れ合う事さえ叶わない。それって究極の切なさなのかもしれない。
「だから指先にありったけの思いをこめて、見えない壁に押しつける。少しだけやわらかい壁がゆがみ、おたがいの指先のとがった感触をぼんやりと伝えてくる。
幹夫の指がわたしの心に、わたしの指が