松尾由美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ第二弾。
とあるファミリーレストランに現れる、幽霊のハルお婆ちゃんの謎解き譚、連作六話でございます。
前作の終盤で“ええ感じ”になっていた、主人公の真以と刑事の南野さんですが、本書では、南野さんが本庁に異動になってしまい、せっかく恋人同士になった二人がなかなか会えなくなってしまうという切ない状況になっております。
その南野さんの代わり(?)に登場するのが、デキる女刑事の小椋さん。
まさに“私、失敗しないので。”で、お馴染みの某女医的な感じで、バリキャリウーマンならではの当たりのキツさはありますが、頭脳明晰さを活かした小椋さんの推理もハル婆ちゃんの推理と共に楽しめる要素はあります。
この小椋さんにファミレスの店長・山田さんが恋する展開になっていて、山田さんってクセのある女性が好きなんですかね(以前の“婚約者”の方もちょっとクセあったし)。
さらに、ハル婆ちゃんに並々ならぬ関心を持って、グイグイ距離を詰めてくる、画家の佐伯先生も登場。
という事で、全体的にキャラが薄味だった前作に比べて、今作は濃い目キャラの二人が投入された印象です。
謎解きに関しては、それなりに楽しめはしましたが、ちょっと強引だったり、あやふやに感じる部分があって「ん?どういうこと?」と思ってしまう箇所もありました。
ですので、謎の内容に関しては前作の方が好みだったかな・・という感じです。
真以と南野さんの恋模様と、山田さんと小椋さんが今後進展するのか、この辺も気にしつつ、後日にでも3作目を読んでみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
シリーズ第二弾。
前作と語り手が変わり、出版社勤務の田宮さんの視点でお送りする連作六話の構成です。
実業家・アロイシャス・ニャン氏でもあり、童話作家・ミーミ・ニャン吉先生でもあるニャン氏。
そのニャン吉先生の担当である田宮さんが、行く先々で遭遇する謎を、ニャン吉先生ことニャン氏(ニャンニャンややこい・・苦笑)が解き明かす・・のを秘書の丸山さんが通訳するという展開はお約束。
今回は、“通訳時”の丸山さんの語尾が「・・・だニャ」ってあまり言うてないなー・・と思っていたら、第四話辺りから「ニャ」多めになっていました。
多分第三話のラストで、ニャン吉先生がリアルニャンコであることを田宮さんにカミングアウトしたのがきっかけ?と勝手に思っています。
ところで、主役は佐多くんから田宮さんに変わりましたが、前作に登場した来栖さんや岡崎さん、財前さんが登場しています。しかも来栖さんは第二話で謎解きを披露してくれていましたね。
因みに、第六話で、ニャン氏から田宮さんへのクリスマスプレゼントのセンスが“猫目線”すぎて(?)笑えました。これは・・嬉しくないですねー(笑)。代行する丸山さんのセンスもねぇ・・って感じですが、こういうことろがこのシュールコンビたる所以なのかもですね。 -
Posted by ブクログ
猫が謎解き?大学を休学中の佐多くんと猫のニャン氏が繰り広げる探偵譚、連作六話が収録されています。
主人公の佐多くんがバイト先など、行く先々で謎に遭遇するたびに、何処からともなく現れる実業家(!)の猫、アロイシャス・ニャン氏とその秘書兼運転手兼通訳の丸山さん。
ガチな猫のニャン氏が「ニャーニャニャ」と鳴き声で謎を解くのを、丸山さん(いい大人)が「~だニャ」と、通訳するという…"な ん だ こ れ w w”というシチュエーションではあるのですが、この状況をマイルドに受け入れている登場人物たちに毒されて(?)、読んでいるこちらも徐々に慣れて行く感じです。
とはいえ、謎解き部分は割りとしっかりしていて、変死事件あり、失踪や紛失などの日常系ありとバラエティーに富んだライトミステリとして楽しめました。
ニャン氏と丸山さんのシュールさが、何だかクセになりそうな感じでして、続きも出ているようですので、そちらにも手を出してみようかな。と、思った次第です。 -
Posted by ブクログ
アミの会の11人の作家さんによる短編集
「アミの会(仮)」のアンソロジー第9弾
この本で初めましての作家さんは
永嶋恵美さん、松尾由美さん、光原百合さん
さらさらと楽しみながら読めました。
ところで、なぜ「アミの会(仮)」?と思っていたら
「アミの会」の名前の由来を書かれた記述がありました。
以前、「雨の会」という若手作家集団があり
”雨の会編”のアンソロジーが出版されました。
その「雨の会」へのリスペクトも込めて、
とりあえず仮の名を「アミの会(仮)」ということにしたら
なぜかそれが一番しっくりきてしまったということなのです。
網のように広がる交友関係だとか、
フランス語でamiは友達と言う意味や
「親しげである」という形容詞だったりもします。
女性作家らしい花の名前の会も素敵ですが、
このちょっととっちらかった感じや、
「なにそれ?」みたいな引っかかりもおもしろいのではないでしょうか。
なるほど~、そういういきさつだったのね。
で~、
その「アミの会(仮)」ですが、めでたく(?)、「仮」が取れて
≪アミの会≫となったそうです!
パチパチパチパチ~! -
Posted by ブクログ
★何しろ、現実離れしているということは、めったにお目にかかれないということであり、それだけ胸踊るということでもある。(p.221)
【感想】ニャン氏とは再会したいものです。
【内容】安楽椅子探偵系のひとつでしょう。短編集。ひらいたところがおおすぎた殺人事件。猫目院家ノートパソコン失踪事件。女優が人形になった事件。猫と掛け軸。移動した絵はがきの話。誰もいない家にひとりで入っていった老婦人が殺された。
▼簡単なメモ
【一行目】こんな日に、洗濯機を背負わなくてすむのはとても幸せなことだ。
【安野/あんの】広瀬、倉本と同じ教授の指導を受けている院生でモデルのアルバイトをしている。
【池上】大道寺の弁護士。
【岡崎】佐田くんのバイト先のドライバー。ぬいぐるみの熊みたいな風貌でおしゃべり。半袖ポロシャツの似合う男選手権で上位に入りそう。ゴージャスで立体的な女性が好き。
【軽い】《何はともあれ、軽いというのはすばらしいことなのである。》p.11
【川村】村瀬ミナの撮影に参加していた無名の俳優と思われる。極度の猫嫌いのようだ。
【倉本】立花実佳の婚約者。
【来栖亜紗子/くるす・あさこ】柳瀬薫子さんちでメイドのアルバイトをしていた。表情はあまり変わらないが瞳の輝きとかは変わる。美大の二年。
【現実離れ】《何しろ、現実離れしているということは、めったにお目にかかれないということであり、それだけ胸踊るということでもある。》p.221
【サーシャ】タレント猫。ロシアンブルー。
【財前善行/ざいぜん・よしゆき】大邸宅の主。普通のサラリーマンに見える。
【佐多俊英/さた・としひで】大学生で休学中。家電配送のアルバイトをしている。母方の祖父は大企業の創業者。
【惇子/じゅんこ】猫目院修造の姪。亡くなった兄の娘。ゴージャスで立体的なすごい美女。
【城之内】亡くなった女性経営者。大道寺をしてやり方が汚いと言わしめた。
【菅井】高原リゾートホテルに毎夏滞在する男性。
【大道寺修/だいどうじ・おさむ】大富豪。佐多の母方の祖父。そのことが皆にバレたのが大学に行けなくなった理由でもある。
【立花実佳/たちばな・みか】かつて佐多とつきあっていた女子学生。かわいい。
【寺川】広瀬、倉本と同じ教授の指導を受けている院生。生真面目な委員長タイプ。
【仁木】高原リゾートホテルの喫茶店のウエイトレス。若く見えるがそこそこの年齢で既婚者。
【ニャン】実業家。フルネームはアロイシャス・ニャン。タキシードをまとったような猫。「ミーミ・ニャン吉」の名前で童話も執筆している。
【猫目院家】平安時代に都で地震があったとき逃げ出した、中宮の猫をなんとなくで見つけ出した怠け者を開祖とする。オッドアイだったらしい。
【猫目院修造/ねこめいん・しゅうぞう】古い館の主。ノートパソコンを注文した。亡くなった父親はニャン氏と面識があった。
【猫目院養造/ようぞう】猫目院修造の双子の弟であごひげを伸ばしている。オッドアイ。
【広瀬】立花実佳のいとこ。
【深沢】柳瀬薫子さんの叔父。現在の柳瀬家で殺された。
【丸山】柳瀬家で休ませてくれと言ってきた実業家の秘書兼運転手。兼通訳。四十くらいの痩せた男で顔立ちもたたずまいも見苦しくない。
【村瀬ミナ】人気モデル。
【柳瀬薫子/やなせ・かおるこ】七十歳くらいの上品な女性。
【理念】ニャン氏の理念は《みずからの幸福と快適を最大限に追求しつつ、その過程における他者の幸福と快適の侵害を最小限にとどめる》p.213。ぼくの理念に近いかもね。前半部はほどほどに追求しつつ、で、後半部はそのまんまかな。 -
Posted by ブクログ
シリーズ3作目
今回の主人公は製缶会社で働くバンドマンの茶谷くん
今回も収録は6編
逃げ出したヨウムと聞こえてきた歌声
銭湯で見つかった掛け軸の暗号
軟禁されていた王子の外部との連絡方法
音楽スタジオでの消えた利用履歴ノート
江戸時代でも本当に喜んでいたのか?前話の真相
ハムスター失踪・宝石盗難事件
物騒な真相もあったりするけど、日常の謎の傾向が強くなった
銭湯の暗号の話なんかは終盤の二転三転する展開はよかった
さらに、真相に関してはほのめかしで終わってるあたりも結構好みかも
前作での田宮さん、小森さんも登場したりと、シリーズを通した交流もちょっと
今回も同じような終わり方だけど。さらなる続編は出るのか? -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目
主人公が変わって、出版社の児童文学担当の女性編集者 田宮宴
今回も収録は6編
袋小路で消えた警察官
フライトシミュレーター
蔵書の処分の遺言に隠された謎
和菓子消失事件
親子喧嘩と花見での不思議な和解
何度も盗まれかけるバッグ
殺人を取り扱った謎が1つだけなので、日常の謎のように思える
ただ、謎に人の悪意を感じるところがいくつかあるので、何ともねぇ……
編集長の小森さんがミステリ的な発想で推理の案を出してるのは、まぁミステリ好きとしては同意できる
ただ、有名どころといっても海外ものはほとんど読んでないので、元ネタが何かは見当がつかぬ……
ところで、童話作家としてのペンネーム ミーミ・ニャン吉
明らかに新美南吉をもじってるよな
最終的には、主人公は1巻と同じように別の道を選ばずというね
ま、そんな様式美を狙っているのでしょうね
とりあえず、次の巻も買ってあるので読む -
Posted by ブクログ
猫が探偵役の連作短編ミステリ
猫がニャニャー言い、秘書兼運転手兼通訳の丸山が通訳して事件の真相を披露するという、何ともぶっ飛んだお話
大学を休学し、家電の配送のアルバイトをしている佐多
とあるお宅の照明器具の取り付けをし、おもてなしを受けている際に、一匹の猫とその秘書と名乗る男に出会う
人が話しているのを聞いてニャーニャー言うニャン氏の言葉を通訳する秘書
そこで語られるのは事件の真相を当てていると思われる推理
収録は6編
家中の扉が開け放たれて死んでいた叔父
廃棄するパソコンを持ち出したニート
首を切られた人形を残して失踪した女優
土蔵からなくなった一対の掛け軸の片割れ
元カノの婚約者からの相談 婚約者が大学院のゼミで起こった出来事の不信感
誰もいない家に一人で入って殺された人
実業家、絵本作家だというニャン氏
話している内容も、丸山がそう主張しているだけで、決定的にニャン氏の意向と思われる描写はない
ないんだけど、まぁ登場人物達も自然に猫に意見を促したりしているところからも、やはりファンタジーと割り切った方がよいのでしょうね
ってか、推理の内容も、猫だからこその発想はあるものの、猫である必然性はなくない?
普通のミステリのネタを猫が探偵役の話に無理やり当てはめているだけにも思える
それよりも、終盤の佐多くんの悩みに関してのエピソードはよかった
雑誌の連載は4編で最後の2編は描き下ろしというあたり、元々書籍化の際に追加する事を想定してたんんだろうなぁと思ってしまう
続編もあるけど、ここからどうやって続けるんだろ?
佐多くんとの関係でまた何か深めていく要素があるんだろうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】「もうひとつある」 大崎 梢/「孤独の谷」 近藤 史恵/「扉を開けて」 篠田 真由美/「猫への遺言」 柴田 よしき/「キノコ煙突と港の絵」 永嶋 恵美/「十年日記」 新津 きよみ/「そのハッカーの名は」 福田 和代/「みきにはえりぬ」 松尾 由美/「青い封筒」 松村 比呂美/「黄昏飛行 時の魔法編」 光原 百合/「たからのちず」 矢崎 存美
さまざまな形で残された「ラスト・メッセージ」を巡る短編集。どれも味わい深い。
「もうひとつある」隠された幻の家訓。鷹宮家には4つの家訓が残されていたが、もう一つ隠れた家訓があるという。大学院で歴史を研究する高校時代の先輩に請われて、鷹宮家の傍流に属する絵茉は共にその家訓を探す。
「孤独の谷」ある一族の謎めいた掟。誰かが謎めいた死を遂げると、一族は離散しなければならないという。教え子から相談を受けた大学講師がその謎を探る。
「扉を開けて」『万国古物取扱 銀猫堂』を訪れた「私」。店主に、鍵の掛かった遺品を見るために開けようとする女性を止めてくれと頼む。
「猫への遺言」コロナ禍で死んだ夫の遺言状を読んだ妻の思い。
「キノコ煙突と…」戦時中の樺太から話が始まる。そして現代へ。
「十年日記」九十歳で亡くなった祖母がずっと付けていた日記。心残りは拾った指輪を返せなかったこと、と書かれていた。
「そのハッカーの名は」警視庁サイバー犯罪対策課の増崎はハッカーの「豆歌」を追い、自給自足の生活をしている老人の元を訪れる。
「みきにはえりぬ」亡き母が歌っていた歌に隠された秘密。
「青い封筒」真穂子は、高校生の息子と頻繁に夕食を食べに来る友人たちとの距離感を図りかねている。
「黄昏飛行」コミュニティFMに勤める永瀬真尋の元にはさまざまなリスナーから手紙が送られてくる。
「たからのちず」亡くなった祖母の遺品から出てきた、自分が書いたと思しき「たからのちず」。覚えのない香月はその場所を探す。