伊集院静のレビュー一覧
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大人の流儀として、語られる言説のそれぞれには、昭和の男の価値観が伺えて、時代と社会の変遷を感じる。全てを大人の流儀として、頷き讃美することはできないが、中には人生を重ねたからこそ発せられる言葉がある。
KYという言葉、最近は聞かないが、若者の狭量な範囲の中での言葉として切り捨てていたり、
『それが世間のすれ違いであり、他人の事情だということを私は後になって学んだ。人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている』などの言葉に、人生の深みを、人間の共通性を感じる。
愛するひとの別れについては、大きな喪失とその哀しみを受け入れていく姿が静謐に語られる。
人生は続いて行くということか。
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Posted by ブクログ
ガンコ親父の、別れをテーマにした「説教」、いや失敬「教訓」本。
この年代の人達ってホントに大変な時代を生きているだけに、今の表面上の平和に余計違和感感じるのかな。
個人的には、ビートたけしに通じるキレ味があるような気がします。
この手のお本は、すごく複雑な気分になります。
やっぱり次世代の人間として、「この人頭硬いな」って思ってしまう反面、「こういう人がいる世代が終わってほしくない」と思ってしまいます。
今の世代より、よっぽど筋が通ってて、自分の生き方を貫き通すかっこよさんを持ってる。でも、それを今の時代があまり許さないのか。。
少し話しが横にそれましたが、自信が経験した別れを通じて、 -
Posted by ブクログ
伊集院静が「週刊現代」に連絡しているエッセイを、「大人の流儀」という書名で単行本化したもの。本書がその3冊目であり、2011年12月から2012年11月にかけてのものを、抜粋、修正したもの。私は1冊目も2冊目も読んでいる。
時々、「うんっ?」と思うような部分がないではないが、基本的には真っ当なことを真っ当に書いていると思う。
最近、この人が、阿佐田哲也、あるいは、色川武大について書いた「いねむり先生」を読んで非常に面白かったので、手にとってみたもの。
例えば、通勤の電車の中で、あまり頭を使わずに読む本(内容がないということではなく、文章がとても読みやすく、すっと頭に入ってくる)を探している方に -
Posted by ブクログ
作者の長年の経験や功績によって築きあげられた確固たる思考や考えが苦手で流行っていたシリーズ一冊目を買ったものの少し読んでやめてしまった流儀シリーズだが、母にこの続編の最後の方の何かが良いと勧められて読んでみた。仙台で東日本大震災を体験した作者がその体験や思いを綴っており当時の状況を思い出す。身内を失ったり家を無くしたわけではない作者が自分の事を被災者ではないと語り、被災者に寄り添った思いを読む中に、被災地に行ったことがない私に色々と考えさせられる機会を与えてくれた。流儀シリーズの一冊目には夏目雅子との死別に際した思いが綴られているようなのでどこかの機会に読んでみようと思う。
心に残った言葉の備