伊集院静のレビュー一覧
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ネタバレ何気なく書店で手に取った一冊。筆者が好んだ各地の料理店についても、もちろん記載があるが、そこよりも筆者の為人や(あまり想像も及ばない)店主との関係性を気軽に楽しむことができた。未だ筆者の小説を読んだことはないが、背景情報(かなりの博打好き等)を入れた上で書籍を読むと、また違った楽しみ方ができるのでは、とも思う。
特に印象に残った箇所は以下の通り
・「「おまえ、連絡を何度もしいへんでええで。便りがないのが元気な証拠言うやろう。連絡がなければ、俺の中でおまえはずっと生きとんねん」」(p.70)
・「それでも若い時にだけ、将来のことは見えなくとも、前に踏み出さねばならない時がある。その行動をするか -
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いいエッセイだった。エッセイらしいエッセイを読むのは初めてで、図らずしていいデビューになった。
伊集院静さんは名前こそ聞いたことはあったものの、彼や彼の作品に触れることがなかったので新鮮な気持ちで読む事ができた。非常に面白い方だと感じた。
氏の「いい話」の基準がイマイチわからん。これが理解できたときが大人になったときなのかもしれないとか思った。果たして自分に理解できるのか。
小説家ともあり文体から非常に「小説」を感じる。風情と情緒に溢れた文体と昭和臭い話の内容とのギャップがどこか粋だった。
競馬と酒はどの話にも出てくる。そういった類はだらしないものとばかり思っていたが、突き抜けると逆に -
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○内容
筆者の哲学を学べる本。
旅の詳細だったり、筆者と著名人とのエピソードだったりが記されている本。
○感想
かっこいい男の生き方を参考にしたく、読んだ。
身なりにこそ気を遣うことへの大事さを教えてくれる。
ただ、自分は6割くらい読んだところで飽きてしまった。とはいえカジノへ行きたくなる本。
○学び
・カジノで買ったら靴を買う
・"ギャンブラーが勝ちうる金額は、限度があり、それはその人が生まれ持った度量である"
この一文は、心をくすぐられる内容であり、カジノへ繰り出したくなると感じた。
確かに、勝負所でBETできるかどうかは度量を試されていると感じた。ハイリスク -
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■前説
伊集院静は説教が似合う。久々に伊集院静節に翻弄され、そう実感。毎年成人の日にサントリーが新成人へ向けた新聞広告のコピーを、長らく務めた山口瞳から衣鉢を継ぐかのように伊集院静が担ったのも納得。山口瞳も伊集院静もコピーライターだっただけに心構えはさらりと、エールは手の温もりを感じるような筆致。
ただ伊集院静が亡くなり、はたして誰が引き継ぐのか。酸いも甘いもを知る人だから言える心得。上から目線からの訓示、大いに結構。毎年読むのを楽しみにしていただけに残念。
■あらすじ
本書は2章構成。第1章は忘れがたい料理と忘れ得ぬ人との交流を語る。若かりし頃、肉体労働をしていた横浜、毎晩飲んだくれて -
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忠臣蔵という話は幼い頃に祖母が見ていたドラマや
テレビで放送されていた宝塚歌劇、12月になると放送されていた「真実!忠臣蔵!」のようなスペシャル番組で知っていたので本で読もうとは考えたこともなかった。
完全なるジャケ買いというか、忠臣蔵には似つかわしくない題名に、つい手にとってしまった。
大石内蔵助の主君を想う気持ちや家老としての生きざまをしっかり読み込める物語なので、松の廊下の日の場面では史実を知っていながら「こらえて、浅野内匠頭!」と胸がキュッとなった。
浅野内匠頭の切腹から討ち入りまでの日々の赤穂浪士たちの心情や葛藤、本懐を遂げてからの覚悟、一貫して描かれる「汚名を雪ぐ」という志をじ