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Posted by ブクログ
タイトルは「追いかけるな」だが、それにまつわる話ばかりではないことは、このシリーズが始まってからのことだから驚かない。伊集院静はタイトルと内容でオイラの期待を見事に裏切ることが時々ある、良くも悪くも。それでも楽しく読んでしまうのはオイラが贔屓にしているからだ。正しいとか正しくないとかを期待していないのかもしれない。伊集院静らしいかどうかが大事なのだ。自分らしくいることって、もちろん自分のためなんだけど、どこから切っても自分らしくいることはそんなに簡単じゃない。何かのために自分を裏切るような選択をすることもあるだろう。伊集院静だって実はそういうこともあるのかしれないけど、何のためにそうするのかがオイラみたいな利己的な理由ではないと思う。覚悟が違うのかな。伊集院静が言う男に近づきたいものだ。
Posted by ブクログ
小説もきっといいに違いない、と思いつつ食指が伸びずこのシリーズだけ読んでいます。時々「ぐっ」と来たり「むっ」としたりしながら読むのが楽しい。頭を使わずさらりと読めるのがいいです。
このシリーズを読んでいるといつも感じるのは「100%男だな」ということ。匂い立つかのような「男」を感じます。
小説に食指が伸びないのは多分、この「男くささ100%」感がゆえと思います。自分は、という限定ですが。
でも、ふーんそう考えるのか男の人は、と80%くらい女である?私はたまに目からうろこが落ちます。そこが楽しい。
語りすぎず行間に様々なものが立ち込めるようで、文章というものはこういう風に書きたいものだとも思わされます。
はじめの方の文中に、家族の病気に付き添っている人に向けて書かれた一文があります。「どんな状態でも、明るく過ごすようにすることが一番である。明朗、陽気であることはすべてのものに優る」
まさに家族の入院先への移動のバスの中でこの文を目にした時、不意に涙が落ちそうになりました。
伊集院先生と同じように考える一人ではあったけれども、やはりしんどい時もある。でも経験に裏打ちされたその言葉はとても深いところに染みました。
病中だけではなく、辛い時こそ陽気でいるべきだ、という思いを肯定された気持ちでした。
昔のエッセイを読んだことはないのでわからないのですが亡くされた前の奥様のことを書かれるようになったのはきっとそんなに昔からのことではないのではないかなと思います。
時間が経ったからこそ、今が肯定できるからこそ書けるものもあるのではないか、と感じました。
亡くされた奥様のことが書かれてある時、愛情、と一言では言い尽くせない感情が籠められているように感じられます。時間が経たなければ書けない文章、と思います。
これからも追いかけたいシリーズです。
「追いかけるな」と言われても。
Posted by ブクログ
学生時代にほんの少しだけ、作家になりたいと思ったことがありました。
こういう文章が書きたかったものです。
当然のことですが、憧れてるという段階で憧れを手にすることはできないものだと悟りました。
伊集院静さんと同じ人生を歩めば書けるかというと、そういうものでもないのでしょう。
こういう文章は、その人のどこかに正真正銘の優しさが宿っていて書けるものなんだな、と本書を読んで感じました。
そういえば、好きな歌手の歌に
追いかけて 追いかけても
つかめない ものばかりさ
という歌詞がありました。
本当にその通りだな、と。
10年前に出会っていたら…と思う本でした。
こんな風に優しく「追いかけるな」と言って欲しかったな、と。
この本では、伊集院さんが「大人の男が……」と書くところが好きです。
どこか現代の風潮の波に乗れない自分としては、心地よくも、改めての戒めにもなる言葉でした。
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小説・文芸
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