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最愛の妻である女優と死別し、ボクは酒とギャンブルに溺れる日々にあった。そんな折、友人のKさんが、初めて人を逢わせたいと言った。とてもチャーミングな人で、ギャンブルの神様として有名な作家、色川武大(阿佐田哲也)その人だった。先生に誘われ、旅打ちに一緒に出かけるようになる。先生の不思議な温もりに包まれるうち、絶望の淵から抜け出す糸口を見出していく。自伝的長編小説の最高峰。
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Posted by ブクログ
自分は、自分の頭がこわれているという実感を大事にしている。 まず、私には"いねむり先生"に似た師が存在する。 登場するサブロー君視点で物語を読み進めて行くのだが、妙に納得してしまう箇所が多々ある。 「こうも狂人は似るのか?」と驚く反面、もし私がサブロー君なら違ったアプローチ...続きを読むをするとさえ感じた。 一つの物語を違った解釈で幾重からも読み解ける今作は秀作と言っても過言ではない。 この物語が内包する"人間の危なさ"みたいなものに憧れつつ、到底辿り着けない雀聖たちとの出会いは特別であり、羨ましい。 そんな人物が身近に"たまたま"いるが、それはとても頭を悩ませる事であり幸運な事だと常日頃から感じる。 素晴らしい作品である。
本書の題名の「いねむり先生」とは、色川武大(阿佐田哲也)のことである。妻である夏目雅子を亡くした主人公である伊集院静は、自暴自棄的な生活を送っていた。その時に知人から紹介されたのが、「いねむり先生」である色川武大だ。先生との付き合いを通じて、伊集院静立ち直ってゆく。 小説は、伊集院静が妻を亡くして2...続きを読む年後くらいから始まり、色川武大が亡くなって1年後に終わる。夏目雅子がなくなったのは1985年のことなので、小説の始まりは1987年頃のことであり、日本がバブル景気に向かおうとしていた時代だ。色川武大が亡くなったのは、1989年のことなので小説の終わりは1990年のこと。バブルの絶頂期のことである。伊集院静は1950年生まれなので、小説は、伊集院静が37歳から40歳までのこと。本書中に暗示されているが、この後、伊集院静は小説を書くことを再開し、現在のような高い評価を受ける小説家となる。また、この小説は小説すばるの2009年8月号から2011年1月号まで連載され、単行本として発行されたのが2011年4月のことであり、それは、色川武大が亡くなってから、20年以上の時を経てのことであった。 文庫本で400ページを超える、比較的長い小説である。多くの人に慕われ、好かれた色川武大について、また、色川武大の影響を受けて、伊集院静が少しずつまともになっていく様が書かれている。伊集院静が色川武大のことが好きであり、また、大きな感謝の気持ちを持っていることが400ページを使って表されている。
とても楽しい(苦しい)時間の記録。 最後はそうだろうねえ。 陳健民さんが歩いてきてもそう思うでしょう。
“サブローくん”の“先生”に対する愛情のフィルターが心地よくて、読んでいると暖かい春の日にそよ風が吹いているような感じを覚えます。 阿佐田哲也氏の本をまた読み返したくもなりますが、心地よさが懐かしくなってまたこの本に帰ってきそうな気も。汐湯の後、ベンチで居眠りしている「あんな風な先生」の方が私も好き...続きを読むです。
僕はギャンブルをやりません。すごく弱いんですよ。パチンコも麻雀も、少しやってみたのですがビギナーズラックすらなくて、まったく勝てる気がしないんで、ハマらずに済んでいます。 で、博打打ちの話にはどこか憧れを抱いてしまうのです。自分にはないスケールの大きさとか大胆さとか。なんか自分がつまらない人間のよ...続きを読むうな気持ちにもなるんですけどね。 妻を亡くした「ボク」は精神を病み、アルコールとギャンブルに溺れ、小説を書くのも辞めてしまいます。そんな時に出会った「先生」〜あの阿佐田哲也その人なんですが〜の魅力に惹かれていき、やがて二人で「旅打ち」と呼ばれる博打旅に出かけるようになります。その中で次第に明かされる「先生」の心の傷。同じ傷を抱えた二人はギャンブルの旅の中で癒しあっているような、哀しさとあたたかさがじんわりと伝わってきます。 久しぶりに、小説で心をぐっと掴まれた気がします。 僕の故郷の街の競輪場が出てくる場面もあり、そこの食堂の女将の一言が懐かしい尾張弁で。こういうの、ちょっと嬉しいですね。 読後感がとてもいい小説でした。
伊集院静 『いねむり先生』 (2011年4月・集英社 / 2013年8月) サブローと先生。 この二人の距離感が素晴らしい。 互いに敬愛しあう二人ではあるが、べったりではない。 先生はサブローに手をさしのべるが、ずかずかと踏み込むわけではない。 二人はただ寄り添うのみである。 お互いに病や孤独、喪...続きを読む失を抱える二人の、流れるような2年間の物語。 同時にサブローの成長譚ともなってるのがなんとも心憎い。 「狂人日記」を読み小説家の道を諦めたサブローが、先生の死後わずか1年で「三年坂」を書き、「乳房」「海峡」「受け月」を書くことになるのだから。 当時の自分、そして先生との思い出と向き合うのに二十数年という時間を要したのも納得。 作中の先生の言葉が胸に沁みる。 『人は病気や事故で亡くなるんじゃないそうです。人は寿命で亡くなるそうです』 あのときからのサブローの作品はすべて、消えてしまった先生に向けて書かれたものなのかもしれない。 90点(100点満点)。
伊集院静の自伝的小説。伊集院静の自伝というよりは、むしろ色川武大の知られざる人間的な魅力を描いた小説というべきかも知れない。 サブローこと伊集院静は女優の妻・夏目雅子を亡くし、肉体的にも精神的にも落ち込んでいた。そんな時、Kこと黒鉄ヒロシの紹介でサブローは、先生こと色川武大と交流を深めることになる...続きを読む。先生との交流でサブローは少しづつ快復して行く過程が良い。 何ともデカダンスで、奇妙な病気に悩まされながらも遊びも仕事も徹底する先生、多くの人に慕われる先生が魅力的だ。何かを教える訳でもなく、遊ぶ姿を見せることで、サブローに生きることの意味をも教えてしまう先生。本当に魅力的だ。 この作品の評判は以前から耳にしていたのだが、なかなか手を出せずにいた。読んでみると自分が住んでいる街と所縁の深い色川武大のことを描いており、非常に驚いた。読もうと思ったのは最近、能條純一の漫画化された作品を読み、非常に興味を持ったからである。
妻を亡くして自暴自棄になっていた主人公が、「いねむり先生」に出会い、その人柄に触れていくとともに、少しずつ落ち着きを取り戻していくが、やがて先生の内にも深い悩みがあることに気づく。 妻である夏目雅子さんを亡くされた伊集院静さんが、色川武大さんとの交流を通じて、立ち直っていく姿を描いた自叙伝的作品。個...続きを読む人的に博奕の世界の描写はあまり好きではないので五つ星にはしなかったが、伊集院静さんの人生を垣間見つつ、深い余韻が残る良い作品でした。
なぎさホテルを久々に読み返し、物語の続きを読みたくなって。結婚間も無く妻を亡くし、失意の底で酒と博打に溺れるサブローくんに寄り添い、再び立ち上がるのを支えた先生。かつては雀聖と呼ばれ、いまは人気作家でもある先生との旅打ちを重なる中で、痛みを知る人の優しさにふれたことが、サブローくんの心を解いた。伊集...続きを読む院静さんの、人に寄り添う文章はこうした体験から生まれたのだと感じた。
伊集院静氏の昭和の温かさ、厳しさ、無秩序、秩序が人との関わりでじわりと沁みてくる。 ギャンブルの世界で名を馳せた人を私は知る由もなく、それでもただただいつの間にかいねむり先生の人柄に惹かれていった
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