伊集院静のレビュー一覧
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鳥井信治郎の商人としての凄さが形を成して行く後半部分。長男や兄との別れ。戦後からの復興。読み終わった時、彼の一生を一緒に生きた気持ちがする。社員を家族のように大切にし、社員の家族にまで目を配る。奨学金で若い人を支える。神様を信心しあらゆる神様に寄付を行う。そして日本のウイスキーの最高峰をブレンドして、価値を持たせて売っていく。なんとパワーのあるすごい人なんだろうと思う。そして息子や孫たちが会社を支えるように影響を与えたり育てたりしているのは、やはり鳥井信治郎が優れた人物であり、その周囲の人が薫陶を受けていったからなんだろうと感じる。
あの経営の神様の松下幸之助を戦後助けた所もさすがと感じた。そ -
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ネタバレ人間が集団で行動するのは、生き続ける能力が極めて脆弱だからである。集団で動けば、当然のごとく何かの役割をさせられるが、することになる。そうしないものは、集団からはじき出され、さっき書いたように死ぬしかない。食物も与えられないし、女も、家族も手に入らない
死別、別離への私の考えは、距離の理由を考えるな。である。何故か?それは別離には、特に死別には答えがないからである。あるのは相手が死んだと言う事実だけである。それだけのことだ
人間はよほどの人である以外は、依るべきところ、依るべきものを持っていないと生きていけないのではないかと私は、この頃思うようになった
人生の早いうちに、自分が何者でもないこと -
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素晴らしい本と出会えて嬉しいです!
現在のプレミアムモルツが完成するまでの軌跡。
正直ビールはアサヒスーパードライ派なのですが、100%麦芽ビールのプレモルだからあんなに重めなのか!と納得しました!
世界にまで愛される商品を1からつくり、従業員を家族として迎え入れ手厚い福利厚生の原点をつくった鳥井信治郎、それを守り抜く次の世代。
サントリーのキャッチコピー
〖水と生きる〗
の意味も知り、普通に泣けました…(心の中で)
鳥井信治郎という人間の人生を覗き見して自分の為になった気がします。
考え方も素敵だし、色々な困難の中立ち向かって夢を諦めない姿、尊敬します。
そしてそこまでの情熱 -
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ネタバレ長く一緒に暮らした犬を亡くして
気持ちの置きどころに戸惑っているときに
近所の小さな医院の待合室で手にとりました。
父に言われた男らしく生きることを
信条としながらもかわいらしくも思える
犬へのあふれる愛情がアンバランスで
人間味のあふれる作者に興味がわきます。
「不在を問いかけない不在を口にしない」
自分がこれまで乗り越えられたのは
このせいだと妙に納得。
読み終わって久しぶりにうちのかわいい子を
思ってひと泣きしました。
それにしても家人(篠ひろ子さん?)は
どれだけ素敵な方なのでしょう。
見事な出会いと人生を羨ましく思いました。 -
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昨年亡くなられた伊集院静さんの作品。「大人の流儀」シリーズなど、彼のエッセイは多く読んだが、小説は久しぶり(名作「乳房」以来か?)。
夏目漱石の生涯を描いた作品。近代日本を代表する大秀才であることは言うまでもないが、本作で描かれる漱石は、人間に対して優しく、人生に対して真摯である。親友、正岡子規との友情を中心に描かれた青年時代に多くの紙幅が割かれている。漱石の人生において、子規との日々が精神的にも、仕事の面でも、ものすごく大切なものだったのだなと。「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「草枕」などの大名作が執筆された背景を読むと、あらためて読み返したくなる。
人間、漱石に出会える素晴らしい作品です -
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昨年亡くなられた伊集院静さんの作品。「大人の流儀」シリーズなど、彼のエッセイは多く読んだが、小説は久しぶり(名作「乳房」以来か?)。
夏目漱石の生涯を描いた作品。近代日本を代表する大秀才であることは言うまでもないが、本作で描かれる漱石は、人間に対して優しく、人生に対して真摯である。親友、正岡子規との友情を中心に描かれた青年時代に多くの紙幅が割かれている。漱石の人生において、子規との日々が精神的にも、仕事の面でも、ものすごく大切なものだったのだなと。「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「草枕」などの大名作が執筆された背景を読むと、あらためて読み返したくなる。
人間、漱石に出会える素晴らしい作品です -
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内容を忘れているけれど、過去に「乳房」を読んでいます。
雑誌や芸能界で私生活を垣間見ると華やかでカッコいい方だなぁと思っていました。昨年、訃報が伝えられた時はびっくりでした。頑丈な方のようにみえましたから。追悼文が掲載されていますがどの方も悲しくて残念でならない思いが伝わります。追悼文に選ばれた方々は文学界で活躍されるこれからの作家さんばかりです。どうか、伊集院氏の描かれた文学世界を引き継いていかれますように。
全く内容と関係無いことを書いています。それほど、伊集院氏の「それでも前へ進む」はたいへん心に沁みました。
第一部
車窓にうつる記憶
第二部
それでも前に進む
第三部
伊集院静の眼差し