伊集院静のレビュー一覧
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伊集院 静氏の書に何故 僕は引き込まれるのだろう。それは、優しさ、男らしさ、生き抜く厳しさを与えてくれるからであろう。
本書でも、至る所でそれを感じさせてくれる。
・勘違いとほうまん傲慢は、その人の成長をたちまち止まらせる。
・近しい人の死の意味は、残った人が幸せに生きる以外何もない。
・不安を解消するために(中略)一番イケナイのは、やろうとしていることを放り出すことである。
・生きる実践とは、生きているという真剣な現場である。
・・・これだけで、僕には相当なパワーを与えてくれるのである。
先月1月に病に倒れ 闘病中と思われる著者がまた強く戻ってくることを祈るばかりだ。 -
Posted by ブクログ
伊集院さんの作品はこちらが初めてです。
故 夏目雅子さんとの別れ
愛犬との別れなどは、
涙を流しながら
読み進めました。
自分にも近い将来必ず悲しい別れが訪れます。
普段、その事を考えるだけで
涙が溢れて来ます。
別れはどの人にとっても辛く悲しいもの。
悲しむ時間の長さは人それぞれだけれど、
時が経てば悲しみは癒される。
別れた人はいなくなってしまったのではなく
ずっと自分の中で生き続け
いつも優しく見守っていてくれる
その事が生きる力となり
また前を向いて歩いていける。
伊集院さんの経験から生まれた言葉が
強く優しく、背中を押してくれるように感じました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ2018/11/21Mリクエスト
近しい人の死は、生き残った人のためにある。
過ぎてしまえば笑う時間も訪れる。それが人間の生き死にてある。死んでしまいたい、と思わなかった人はいない。そうでない人は、よほど天の恵みを受けたのである。
人は誰でも自分のことが可愛いと書いた。それでいいのである。それでも生き続ければ、それだけで誰かを救っているのかもしれない。
誰かを幸せにするために。
もしあの笑顔がなかったら、209日という日々はどんなに切ない時間になっていただろう。
あの日々、彼女は私を笑って見返した。どんな時でも笑っていた。あの笑顔は、彼女が楽しくて、そうしていたのではないはずだ。
彼女 -
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「別れる」という意味を早合点していた。様々な「別れ」があって、それぞれに意味があり、大人の男としての対処があるということなのだ。すっかり離婚のことだと勘違いをしていた。悩めるオイラはこの本で頼りになる伊集院の兄貴から教えを乞うことができると張り切っていた。が、浮気というものが理解できないとあり、離婚などというものが肯定的に語られる訳がない。さすがである。
この人をつくった父親、母親は素晴らしい。父親は父親らしく、母親は母親らしい。実にシンプル。正しいのかどうかはわからない。でも、確かに迷いがなくて言い切る力強さがある。なにが正義かなんて立場によって変わってくるものだから、せめて自分自身にとっ -
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ネタバレP129
不幸のどん底にいる者と、幸福の絶頂にいる者が隣り合わせになることがある。
だから、大人ははしゃぐなというのだ。
P188
人はさまざまな事情をかかえて、それでも平然と生きている。
許せないのなら許さなくていい。新たに許せないものに出逢ったら、これは私には許せないな、とつぶやきポケットに入れてしまえばいい。
許せないものをいちいちひっぱり出して凝視しないこと。
すばらしく男らしい、考え方だと思う。
ところどころ、いまどき?と思うところもあるが、いつも同じスタンスで語るので、特に不自然にも感じない。私はこんな人、好きだな。
シリーズすべて、一貫した主張があり、心に染み入る。
いいお -
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ネタバレこのシリーズ読むたびに、男の中の男だと思う。今の時代には、流行らないけど、私は好き。
かっこいい。
厳しいこと書いてあるけど、事実そうだと思う。
そして優しい文章。
P20
不運と考えた瞬間から生きる力が停滞する。もっと辛い人は世の中にゴマンといる。今その苦しい時間が必ず君を成長させる。世間、社会、他人を見る目が広く深くなる。
P121
不幸の最中にはいかなる声をかけても哀しみを救える適切な言葉はない。
時間だけがそれをやわらげる。子を失った親の哀しみは生涯続く。親子とはそういうものだ。しかし哀しみに寄り添うことはできる。たとえ哀しみの淵にいても誰かに手を差し伸べてもらえたことは、その人たち -
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ネタバレメディアなし リクエスト
なぜ彼、彼女がこんな目にと思った。
その動揺は、なぜ自分だけが? という感情になった。
ところがそういうものと向き合っていると、
やがて別離を経験した人にしか見えないものが見えて来る。
それは彼等が生きていた時間へのいつくしみであり、
生き抜くしかないという自分への叱咤かもしれない。
前書きどおり。
悲しむだけでなく、悲しさから見えてくるものがある。納得のいく文章でした。
身近な人を失った経験があるので、そのときに読めたら、あんなに苦しまず、荷物をおろせたかもしれないと感じた。この文章は、その経験をした人ならではだと感じ、嬉しかった。
いい本です。読み終 -
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ネタバレ2016年、42冊目です。
このシリーズも6冊目になります。
毎回、読んでいますが、必ず、いくつか私の琴線にふれる文章がある。
最近、伊集院静が小説家になる時に、6年間のホテル住まいをしていた「なぎさホテル」という作品を読んだが、こんなに苛烈な前半生を生きた人なんだと改めて思いました。その上で、このシリーズ6冊目を読後見返してみると、その言葉に重厚感を感じてしまう。男尊女卑の考えとか、前時代的とか、いろいろ非難めいた評価をされる作家ではあるけど、私は彼の考え方が好きだし共感できる。
なぜかな?私が時代遅れの価値観を持つ人がんだからかもしれないね。多分間違いないな。それはいつどこで育まれたのか -
Posted by ブクログ
ネタバレ本としてはかなり毒を吐いている部類です。
若者蔑視とか取られそうだけれども
一部だけですね。
というか、そういう人たちは行動がまずいのでは?
と思ってはいますが
2点ほどすっきりとしたのは
スマホに関する批判。
あれは正直同年代だろうが見ていて
気持ちいいものではないですよ。
目の前で事故起こしかけていた人もいますし。
それと成金に関して。
すべてがすべてでないでしょうが
得てして物を言わせる人間が多いこと。
まあ、某海外逃亡詐欺師がそうですね。
日本に帰ったら殺されますしね(笑)
評価は二分するはず。
ウッ、とは思ったけど気にするほどじゃなかったよ? -
Posted by ブクログ
ネタバレ2015年の55冊目です。
大人の流儀シリーズは、最初からすべて読んでいるので、著者の考え方や表現方法には、全く抵抗感を持っていないと思います。
「大人の流儀」とありますが、「大人の男の流儀」が副題だろう感じます。
・大人の男が、行列をして物を買うな!
・大人は騒ぐな!
・男はやせ我慢
・男は、人前で腹が空いたと言わない
ここまで達観した考え方を通している大人も今は、ほとんどいないと思う。
彼の前半生は、挫折と放蕩みたいに思えるが、そこで人間の本性を知り尽くしたのかもしれない。また随所に、ご自分の両親の生き方が、今の自分に影響を与えていることを記されている。自分の生き方に自信が持てる男(人間)