伊集院静のレビュー一覧

  • もう一度、歩きだすために 大人の流儀11

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    2022年初版。大人の流儀は、週刊誌に毎週掲載された著者のエッセイ。全編に通じているのは、厳しい父・愛の溢れた母・早逝した弟・前菜との思い出。家人・愛犬との日々の出来事。そして震災・コロナ・政治について、著者の歯に衣着せぬ思いをぶつけています。若干、偏りもあるようですが押し切る強さがあります。読んでいて、そこまで言うとスッキリします。そんな大人が今はいないから、著者の物言いが心地よい。もう亡くなられたことが、本当に惜しい。今の政治や大谷翔平さんのことなど著者の思いを目にしたい。

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    2024年04月29日
  • いねむり先生

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    昔から幅広い作家の本を分け隔てなく読んで来た自負があるが、中には確かに「この作家は特異だ」「コイツにだけは敵わない(まあ誰にも敵うはずもないのだが)」と、ある種「別格」の畏怖と云うか敬意を払う作家も居るには居る。
    例えば椎名誠や中島らも、そして本書の著者・伊集院静が、その数少ない例となる。
    敢えてその共通点を一言で云い表すなら;自分では真似の出来ない(真似したいとも思わない)想像を絶する原体験や実経験、もしくは超絶した感性や才能を有していると思われる人たちだ。
    本書でも、読みながら随所にそれを痛感しながら、そしてその作者への畏怖・敬意を味わいながら、一気に面白く読み終えることが出来た。さすが伊

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    2024年04月22日
  • ひとりをたのしむ 大人の流儀10

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    2021年初版。著者の亡くなられたのを、きっかけに10作品目です。「大人の流儀」というメインタイトルよりも、サブタイトルにいつも惹かれます。さらに一つ一つにつけられたエッセイのタイトルも胸を打つものが多い。「大人の流儀」というよりも正確には「伊集院静の流儀」が正しいかな。相変わらず両親・若くして亡くした弟・家人とのエピソードが中心です。いつかくるであろう東北一のバカ犬との別れ、なんだか悲しい。

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    2024年04月15日
  • ひとりで生きる 大人の流儀9

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    2019年初版。昨年、著者が亡くなられたのをキッカケに大人の流儀を読んでいます。9作目です。連載エッセイをまとめていますので、当然重複する部分も多々あります。ただ、ブレることなく自身の思う事を忖度なく書かれています。私より少し年長の著者のその姿勢が羨ましく思っています。このシリーズの魅力はタイトルです。残りの人生が小説ならば最終章に入っているであろう私にとって、何となく心に引っかかるタイトルたちです。内容としては若くして亡くした弟・前妻に関しての後悔や愛、男らしいの一言では尽くせない父・愛情深い母・そして家人・犬たちのことが綴られています。先日の送る会の報道を見て著者の交友関係の深さを実感しま

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    2024年03月24日
  • 琥珀の夢 小説 鳥居信治郎 下

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    わりと向こう見ずで猪突猛進タイプで、借金の肩代わりに優秀な片腕やら広告担当やら会計係やらが揃ってるなと。
    これこそ「神さん」の力であり人柄からついてくるモノなのだろうか。時代もあるだろうが、誰かを味方につける人は強い。

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    2024年03月12日
  • 誰かを幸せにするために 大人の流儀8

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    2018年初版。8作目まで来ました。本来、忖度と周囲の目を気にして生きてきた私が、小さな伊集院静になってきているような気がします。酒とギャンブル、時には喧嘩。そんな著者が好き勝手に自分の考えや世間に対して思うことを吐露している。それが心地よい。お母さんの凛とした姿が素敵です。そして著者の家人に対する想いや愛犬に対する想いに優しさを感じる。無茶な生き様とそんな優しさのギャップが人の心を惹きつけるのかなあ。

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    2024年03月12日
  • それでも前へ進む

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    著者の本を初めて読みました。
    理不尽なことが多いですが、少しでも減らしていけるよう、前へ進んでいきたいと思います。

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    2024年03月04日
  • それでも前へ進む

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     運命が人の行く末を決めるのではなく、人との出逢い、己以外の人の情愛が、その人に何か与えるのだと私は思う。人ひとりの力などたかが知れている。(P.40)

     人から受けた恩はその人に返すことができず、まったく違う誰かにその恩情を返すのが世の常なのだそうだ。(P.87)

     こうした心の琴線に触れる言葉の数々にに癒やされる!

    単行本は読んでいたが、追悼エッセイが特別収録されているということで再読。

     第三部伊集院静の眼差しに、寄せられた追悼文。角田光代氏「彼もきっと泣いている」池井戸潤氏の「作家の眼差し」に不覚にも涙。。。

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    2024年03月03日
  • さよならの力 大人の流儀7

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    2017年初版。最近、馴染みのある有名人の方々・先輩・同級生・後輩を見送りました。「さよなら」と言う言葉の重みを感じるこの頃です。生きていくことが大事な人を見送ることだと理屈ではわかっているつもりですが、こればかりは心の準備が難しいことだと実感しています。弟との別れ・前妻との別れ。青年期や中年で、そのことに折り合いをつけることは辛い経験だったろうなあと思います。ただ、悲しむばかりではなく亡くした方の輝かしい時や美しい時を思うことが、心を癒すことなのかなあと思いました。

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    2024年02月29日
  • 琥珀の夢 小説 鳥居信治郎 上

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    丁稚奉公というシステムが面白い。
    学校が全てではないとも言える。
    ほんとかどうかわからないけれど、支度金全部使って勉強と称した一等客船旅はなかなか

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    2024年02月29日
  • それでも前へ進む

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    少し前に伊集院さんのエッセイ集を読んで、同氏のことを「かっこいい大人」と評していました。その思いは亡くなられて少し経った今も変わりはありません。この本は亡くなられた後に編集された、他の作家さん達の追悼文が収録されたエッセイ。

    若くてなりふり構わず生きていた頃、家族を失った時の喪失感、酒とギャンブルに溺れたこと、震災で多くの悲しみに向き合わざるを得なかったこと。伊集院さんは人として向き合わざるを得ない喪失感というものを否定せずそのまま受け入れ、より多くの人たちに希望を授けるようなメッセージを残してくれていた。周りの人達への気配りができる人であった。やはり、芯がぶれない人なのだ。

    この作品には

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    2024年02月23日
  • 許す力 大人の流儀4

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    2014年初版。とにかく著者の言葉には力があります。決して優等生ではない著者、今のご時世では憚れる「おんな・子ども」の連発。でも、誰もが許してしまうのではないのか。元旦の石川での地震、著者が存命であれば、どのように思うのでしょうか。報道や第三者をどのように表現するのか。当事者でなければ、他人事。そのとおりだと私も思います。阪神・淡路大震災と熊本地震の被災者も、その日が来るたび思います。歯切れの良い文章、好きです。

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    2024年02月01日
  • 作家の贅沢すぎる時間 そこで出逢った店々と人々

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    昨年亡くなられた伊集院静さんのエッセイ集。作品中の様々なシーンでかなりご自身の本音が語られている。この切り口で語られるエッセイが今後読めなくなってしまったのは悲しい限りです。

    昔から「カッコいいな!」と感じる大人の人たちがいました。例えば、古くは(というか、自分が青年の頃?は)司馬遼太郎さん、池波正太郎さん、石原慎太郎さん、曽野綾子さん等々。

    人によっていろんな見方、ご意見があると思います。私には少し憧れに似たような、カッコいい大人として見えていました。思えば自分自身の親以上の年代の方々でした。二回り以上お年上でしょうか。自分自身が作者と同じ意見なのかどうか?生き方に共感を覚えるのかどうか

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    2024年01月26日
  • 別れる力 大人の流儀3

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    2012年初版。著者が亡くなったことをきっかけに、読んでいます。一つのテーマが5ページくらい、読みやすい。酒・ギャンブルに浸り、想像するに数々の女性とも浮き名を流してきただろう著者。独善的な文章が歯切れが良い。思っていることを忖度して嫌われることを恐れて、戦々恐々としている私からすると羨ましい限りです。「会うが別れの初め、さよならだけが人生さ」知っている言葉ですが、身に沁みます。

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    2024年01月10日
  • 女と男の絶妙な話。 悩むが花

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    色々な年代の男女からの質問に対して伊集院静さんが回答する1冊。日常の中でこのように質問形式を読む書籍な無い為、斬新な印象を受けた。
    読んでいく中では質問形式の方が真実が記載されており理解が進むように感じた。

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    2024年01月06日
  • 続・大人の流儀

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    2011年作品。なんといっても東北大震災についての記述が印象深いです。実際に被災した著者の生々しい文章に心が動きます。被災したもの以外は他人事だと書かれてます。私は阪神・淡路大震災と熊本地震の被災者です。著者と同じで地元以外の報道は全て他人事だと痛感しました。ただ、だからと言って東北での地震の際には、やっぱり少し私も他人事のように感じました。いけないことだと思いつつ、そんなものなのかなあ。歯に衣着せぬ著者の文章には共感する部分が多々あります。(少し偏った部分もあるようには思いますが)

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    2023年12月28日
  • 大人の流儀

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    2011年作品。著者は私より9歳上です。ギャンブル・酒・喧嘩・多分女性関係。まさしく思うがままに生きた方と言う印象です。全く真逆な生き方をして来た私にとっては羨ましく思ってしまいます。著者は自分の尺度でダメなことはダメだと妥協をしません。今の時勢には逆行している感じです。でも、混沌とした今、そんな大人がいても良いのかなあと思ってしまいます。この著作の中で、やはり気になったのは前妻の夏目雅子さんの存在です。儚くて悲しい。

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    2023年12月20日
  • ナポレオン街道 可愛い皇帝との旅

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    ナポレオンの歩いた路を 時間をかけ旅して
    あまり好きになれない英雄
    同じ印象なのは やはり戦争を仕掛けることは
    人を殺し 文化を踏みにじること
    旅した作家の感覚が伝わって来る
    それにしても ナポレオンの母親も凄い
    戦士だったことは 知らなかった

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    2023年12月16日
  • 別れる力 大人の流儀3

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    ネタバレ

    冒頭部分が切ない。

    『第一章 別れて始まる人生がある』の冒頭『愛する人が残してくれたもの』というエッセイは「人と人は出逢いではじまる。」という書き出しで始まる。
    その後、「私は三十五歳で若い妻を癌で亡くした。」という名前こそ出てこないが、夏目雅子さんの話へと続く。

    次の『生きることの隣に哀切がある』というエッセイでは、伊集院さんが20歳の時に16歳の弟さんを海の遭難事故で亡くした話。台風の中、友人たちと手をつないで海に入り弟さんを探したそうだ。

    別れについてだけを書かれているわけではないが、本人が経験した数々の別れを記す。

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    2023年12月15日
  • 不運と思うな。大人の流儀6 a genuine way of life

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    2016年初版。著者に対する知識は、夏目雅子さんの夫だった方・篠ひろ子のご主人であること。ギャンブル・お酒が、大好き。きっと女性にもモテる方なんだろうと言うだけです。先日、亡くなられたと言うこともあり、読んでみました。読後感としては、私の先入観どおりの方だなあと認識しました。今は死語かもしれませんが無頼な生涯を全うされたのかなあと思えました。今は、こんな生き方をする方は、あまりいないのかなあ。今後も、あまりいないのかなあと思います。私は若い頃、憧れていた生き方です。全然違う生き方をしていますが。無頼な生き方をした方のようですが、文章の端々に優しさやユーモラスな部分も溢れています。こういう大人は

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    2023年12月10日