伊集院静のレビュー一覧
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昔から幅広い作家の本を分け隔てなく読んで来た自負があるが、中には確かに「この作家は特異だ」「コイツにだけは敵わない(まあ誰にも敵うはずもないのだが)」と、ある種「別格」の畏怖と云うか敬意を払う作家も居るには居る。
例えば椎名誠や中島らも、そして本書の著者・伊集院静が、その数少ない例となる。
敢えてその共通点を一言で云い表すなら;自分では真似の出来ない(真似したいとも思わない)想像を絶する原体験や実経験、もしくは超絶した感性や才能を有していると思われる人たちだ。
本書でも、読みながら随所にそれを痛感しながら、そしてその作者への畏怖・敬意を味わいながら、一気に面白く読み終えることが出来た。さすが伊 -
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2019年初版。昨年、著者が亡くなられたのをキッカケに大人の流儀を読んでいます。9作目です。連載エッセイをまとめていますので、当然重複する部分も多々あります。ただ、ブレることなく自身の思う事を忖度なく書かれています。私より少し年長の著者のその姿勢が羨ましく思っています。このシリーズの魅力はタイトルです。残りの人生が小説ならば最終章に入っているであろう私にとって、何となく心に引っかかるタイトルたちです。内容としては若くして亡くした弟・前妻に関しての後悔や愛、男らしいの一言では尽くせない父・愛情深い母・そして家人・犬たちのことが綴られています。先日の送る会の報道を見て著者の交友関係の深さを実感しま
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少し前に伊集院さんのエッセイ集を読んで、同氏のことを「かっこいい大人」と評していました。その思いは亡くなられて少し経った今も変わりはありません。この本は亡くなられた後に編集された、他の作家さん達の追悼文が収録されたエッセイ。
若くてなりふり構わず生きていた頃、家族を失った時の喪失感、酒とギャンブルに溺れたこと、震災で多くの悲しみに向き合わざるを得なかったこと。伊集院さんは人として向き合わざるを得ない喪失感というものを否定せずそのまま受け入れ、より多くの人たちに希望を授けるようなメッセージを残してくれていた。周りの人達への気配りができる人であった。やはり、芯がぶれない人なのだ。
この作品には -
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昨年亡くなられた伊集院静さんのエッセイ集。作品中の様々なシーンでかなりご自身の本音が語られている。この切り口で語られるエッセイが今後読めなくなってしまったのは悲しい限りです。
昔から「カッコいいな!」と感じる大人の人たちがいました。例えば、古くは(というか、自分が青年の頃?は)司馬遼太郎さん、池波正太郎さん、石原慎太郎さん、曽野綾子さん等々。
人によっていろんな見方、ご意見があると思います。私には少し憧れに似たような、カッコいい大人として見えていました。思えば自分自身の親以上の年代の方々でした。二回り以上お年上でしょうか。自分自身が作者と同じ意見なのかどうか?生き方に共感を覚えるのかどうか -
Posted by ブクログ
2016年初版。著者に対する知識は、夏目雅子さんの夫だった方・篠ひろ子のご主人であること。ギャンブル・お酒が、大好き。きっと女性にもモテる方なんだろうと言うだけです。先日、亡くなられたと言うこともあり、読んでみました。読後感としては、私の先入観どおりの方だなあと認識しました。今は死語かもしれませんが無頼な生涯を全うされたのかなあと思えました。今は、こんな生き方をする方は、あまりいないのかなあ。今後も、あまりいないのかなあと思います。私は若い頃、憧れていた生き方です。全然違う生き方をしていますが。無頼な生き方をした方のようですが、文章の端々に優しさやユーモラスな部分も溢れています。こういう大人は