伊集院静のレビュー一覧

  • いねむり先生

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    ネタバレ

     伊集院静の自伝的小説。
     妻(夏目雅子)が壮絶な闘病の末亡くなり、その後アルコールやギャンブルに溺れ、心身ともに病み、2年も働かずに放浪している主人公サブロー。彼を心配したKさん(黒鉄ヒロシ)に「会って欲しい人がいる」と言われ、酒場で眠りこけている『先生(阿佐田哲也・色川武大)』に出会う。
     ナルコレプシー(すぐ眠ってしまう病気)でどこでも突発的に寝こけてしまう先生。だらしなくて、大食漢で、ギャンブルに目がなくて。それでいて驚くべき記憶力を持ち、人に麻雀をさせている横で原稿を仕上げる。自分のことは大事にしないくせに、弱い人間にはどこかやさしい。先生の周囲にはどこからかそんな人間が寄ってきて、

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    2015年09月20日
  • いねむり先生

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    “サブローくん”の“先生”に対する愛情のフィルターが心地よくて、読んでいると暖かい春の日にそよ風が吹いているような感じを覚えます。
    阿佐田哲也氏の本をまた読み返したくもなりますが、心地よさが懐かしくなってまたこの本に帰ってきそうな気も。汐湯の後、ベンチで居眠りしている「あんな風な先生」の方が私も好きです。

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    2015年02月03日
  • 許す力 大人の流儀4

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    ネタバレ

    許すことができないと思った人はいます。そして、今でも”許せない”と思っている人もいます。
    私は、いつも”許そう”いや”許すない”という気持ちの中で揺らいでいました。それは、相手に対する気持ちだったはずですが、次第にそれは”自分自身”に心を見ている気持ちに変わってきていました。(それくらいのこと)許せない自分は、ダメな自分だと考えることも多々ありました。
    これに対し、著者:伊集院静の言葉は、やはり”大人の流儀”であろうと思った。「許せないものを持つことが人間なのだろうと思う。さらに言えば、人が生きていれば必ず。
    2016/11/11追記
    ここ3週間、ひとを許せないという思いに心が取りつかれていま

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    2016年11月11日
  • いねむり先生

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    僕はギャンブルをやりません。すごく弱いんですよ。パチンコも麻雀も、少しやってみたのですがビギナーズラックすらなくて、まったく勝てる気がしないんで、ハマらずに済んでいます。

    で、博打打ちの話にはどこか憧れを抱いてしまうのです。自分にはないスケールの大きさとか大胆さとか。なんか自分がつまらない人間のような気持ちにもなるんですけどね。

    妻を亡くした「ボク」は精神を病み、アルコールとギャンブルに溺れ、小説を書くのも辞めてしまいます。そんな時に出会った「先生」〜あの阿佐田哲也その人なんですが〜の魅力に惹かれていき、やがて二人で「旅打ち」と呼ばれる博打旅に出かけるようになります。その中で次第に明かされ

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    2014年01月30日
  • いねむり先生

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    伊集院静 『いねむり先生』 (2011年4月・集英社 / 2013年8月)

    サブローと先生。
    この二人の距離感が素晴らしい。
    互いに敬愛しあう二人ではあるが、べったりではない。
    先生はサブローに手をさしのべるが、ずかずかと踏み込むわけではない。
    二人はただ寄り添うのみである。
    お互いに病や孤独、喪失を抱える二人の、流れるような2年間の物語。

    同時にサブローの成長譚ともなってるのがなんとも心憎い。
    「狂人日記」を読み小説家の道を諦めたサブローが、先生の死後わずか1年で「三年坂」を書き、「乳房」「海峡」「受け月」を書くことになるのだから。

    当時の自分、そして先生との思い出と向き合うのに二十数

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    2013年09月06日
  • いねむり先生

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    伊集院静の自伝的小説。伊集院静の自伝というよりは、むしろ色川武大の知られざる人間的な魅力を描いた小説というべきかも知れない。

    サブローこと伊集院静は女優の妻・夏目雅子を亡くし、肉体的にも精神的にも落ち込んでいた。そんな時、Kこと黒鉄ヒロシの紹介でサブローは、先生こと色川武大と交流を深めることになる。先生との交流でサブローは少しづつ快復して行く過程が良い。

    何ともデカダンスで、奇妙な病気に悩まされながらも遊びも仕事も徹底する先生、多くの人に慕われる先生が魅力的だ。何かを教える訳でもなく、遊ぶ姿を見せることで、サブローに生きることの意味をも教えてしまう先生。本当に魅力的だ。

    この作品の評判は

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    2013年10月27日
  • いねむり先生 3

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    伊集院静の自伝小説の漫画化、第三巻。前巻からの続きで、サブローは先生と共に松山を舞台にギャンブル旅を続ける。二年前に最愛の妻を亡くしたサブローの傷心が先生との旅で少しづつ癒されていく過程が感動的。能篠純一の描く絵がとにかく素晴らしい。現代の漫画家では、谷口ジローと能篠純一が群を抜いているのではないだろうか。

    まだ原作は読んでいないのだが、近々、文庫化されるらしく、是非とも読んでみたい。

    …人は病気や事故で亡くなるんじゃないそうです 人は寿命で亡くなるそうです 深い言葉だ!

    近々、藤原竜也と西田敏行でテレビドラマ化されるようだ。

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    2013年08月20日
  • いねむり先生 2

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    何とも豪快でデカダンスないねむり先生。こういう人生の楽しみ方を見ると羨ましく思う。いねむり先生と競輪の旅を続けるサブローの心の傷が少しづつ癒されて行く。

    いねむり先生こと色川武大とサブローこと伊集院静の心の交流を描く第二弾。

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    2013年03月23日
  • いねむり先生 1

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    伊集院静の原作は読んでいないのだが、能條純一が小説を原作に描くのは珍しいと思い、手に取った。いねむり先生とは色川武大だったのか、サブローが伊集院静で、黒鉄ヒロシも井上陽水も夏目雅子も登場してると大興奮。

    妻に先立たれ、酒とギャンブルにまみれた退廃した生活を送るサブローといねむり先生の心の交流がなんとも良い。

    能條純一の絵も相変わらず素晴らしい。

    色川武大が終の住処としたのが、自分の住んでいる街であり、奇妙な縁を感じた。

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    2013年03月23日
  • いねむり先生 2

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    いねむり先生こと、色川武大(阿佐田哲也)と、伊集院 静の旅打ちの様子が描かれています。

    旅打ちの日の夜に、(最愛の妻の死に、小説が書けなくなった)静に対して、

       > こんなふうに言うと…君は気を悪くするかもしれないけど
       > 私には君の小説のよさがよぉく…わかります!!

    と、武大が言います。

    でも、それは、本当だけど、ほんとうではない言葉です。だから、二人は沈黙します。
    そして、

       > サブロー君…ごめん
       > サブロー君…私は ただ
       > サブロー君が小説を書いてくれたらいい…くれたらいい……
       >
     

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    2013年03月18日
  • いねむり先生 1

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    伊集院静のいねむり先生を、哭き竜の能篠純一が漫画化。いねむり先生こと色川武大=阿佐田哲也をコミカライズするのにこれほどピッタリの漫画家はいないよね。色川武大のあふれる魅力が画面からほとばしるように伝わってくる。

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    2013年02月22日
  • 琥珀の夢 小説 鳥居信治郎 上

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    サントリーの鳥井初代社長の商人として成長していく丁稚奉公時代から、いよいよ洋酒の商いを始める所まで。下巻が早く読みたくなる。
    お金をボンと使って、1等客船に乗り神戸から小樽まで往復の旅をした所は大商いをする人はスケールが違うなぁと楽しく読んだ。

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    2025年10月09日
  • 作家の贅沢すぎる時間 そこで出逢った店々と人々

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    前から思ってたけど、著者は人たらし。
    男女関わらず、接した人は好きになっちゃう。
    私にとっても理想のタイプの一人。ギャンブルさえしなければ。いやいやご家族は気を揉んでたいへんでしょ。
    でもお店の方々、料理、お酒への愛を感じるし、結局人柄、育ちなのかな〜人間って。
    巻末には掲載店のリストがあるけど、もう現存しないお店もありそう。
    本編に所々あるイラスト、イラストレーターの名前ないから著者が描いたのかな。カワイイ麻雀牌とか。

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    2025年09月19日
  • なぎさホテル

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    ネタバレ

    伊集院静さんのこと、作家さんとして有名なことはもちろん知ってたけど、まさか作詞家さんもされていて、わたしが好きなアーティストの楽曲やめちゃくちゃ有名な曲もいっぱい作られてるなんて、全然知らなかった〜!!

    私小説的なものはあまり読んだことなかったけど、テンポが良くて読みやすかった。

    古き良き時代の雑多さと温かさが溢れている作品だった。
    なかなか今の時代では触れられない人と人との交わりや温かさというものを感じられた。

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    2025年09月15日
  • いろいろあった人へ 大人の流儀 Best Selection

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    1.著者;伊集院氏(2023年11月没)は、小説家・作詞家。電通のCMディレクターになり、松任谷由実や松田聖子のツアー演出を手掛けた。その後、作家デビュー。「乳房」で吉川英治文学新人賞、「受け月」で直木賞、「機関車先生」で柴田錬三郎賞、「ごろごろ」で吉川英治文学賞を受賞。また、伊達歩の名で作詞家としても活躍。「愚か者」で日本レコード大賞を受賞。マルチな才能を発揮した。
    2.本書;ベストセラー「大人の流儀シリーズ」の中の一冊。無頼派作家が贈る希望・勇気・励ましを綴った。帯書きから「私は、これまでの短い人生の中で、多くの人との別離を経験してきた。・・人は別れる事で何かを得る」。四章・37項目の構成

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    2025年08月19日
  • 君のいた時間 大人の流儀Special

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    初めて伊集院さんの本を読みましたが
    想像の通り
    ちょっとぶっきらぼうな雰囲気もエッセイの中に垣間見るのですが

    とっても 優しくて 家族思いの人なんだなって感じました。
    先妻の亡くなった 夏目雅子さんのことも とても大切に思っていて
    今の奥様にも 愛情を注いでいる姿が 胸を打ちました。

    そして ペットに バカ犬と呼びながらも
    一番 接し方をみていると
    とっても 大好きで 愛しているんだって感じました。

    彼の愛が 文章を通してただ漏れで
    私まで 胸キュンしちゃいました。

    家族との関係 ペットとの接し方が
    この本から めちゃくちゃいい家族だってかんじました

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    2025年07月21日
  • タダキ君、勉強してる?

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    伊集院さんの出会ってきた人々をもっと知りたくなって。幼少期から大人になっても数々の素晴らしい出会いに恵まれてきたこと、著者が彼らの言葉や生き様を学び、自分の生き方に落とし込んできたことがわかる。きっと、年齢や肩書きに依らずに尊敬できる人との出会いから素直に学ぶ姿勢を、大人になっても持ち続けていたのだろう。ある解説で、著者を「子どものような人」と評していたのは、そういうところだったのかなと思った。

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    2025年06月29日
  • いねむり先生

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    妻を亡くして自暴自棄になっていた主人公が、「いねむり先生」に出会い、その人柄に触れていくとともに、少しずつ落ち着きを取り戻していくが、やがて先生の内にも深い悩みがあることに気づく。
    妻である夏目雅子さんを亡くされた伊集院静さんが、色川武大さんとの交流を通じて、立ち直っていく姿を描いた自叙伝的作品。個人的に博奕の世界の描写はあまり好きではないので五つ星にはしなかったが、伊集院静さんの人生を垣間見つつ、深い余韻が残る良い作品でした。

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    2025年06月16日
  • 旅行鞄のガラクタ

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    根が卑しいので 気になります。 
    武豊 直筆サイン入り勝馬投票券。
    どのくらいの価値があるんだろう。

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    2025年06月10日
  • 誰かを幸せにするために 大人の流儀8

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    オトナの男はこうあるべき、生と死の無常さを語りつつ優しい視点はジーンとくる。女の人と子どもには優しく間違っている事には正面からぶつかっていく。人の気持ちを考えられる人、すぐに謝れる人、素敵な男性です。
    ※世の中に目に映らない場所で誰かが誰かのためにひたむき何かをしている。目を見開けばそんな事で溢れている。自分以外の誰かを豊かにしたいと願うのがオトナ
    ※死別した大切な人が夢に出てくれば目が覚めた時、悲しむ、涙を流す。そうゆう思いはさせたくない。亡くなった人は残された人の幸せを祈っている

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    2025年05月17日