伊集院静のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説もきっといいに違いない、と思いつつ食指が伸びずこのシリーズだけ読んでいます。時々「ぐっ」と来たり「むっ」としたりしながら読むのが楽しい。頭を使わずさらりと読めるのがいいです。
このシリーズを読んでいるといつも感じるのは「100%男だな」ということ。匂い立つかのような「男」を感じます。
小説に食指が伸びないのは多分、この「男くささ100%」感がゆえと思います。自分は、という限定ですが。
でも、ふーんそう考えるのか男の人は、と80%くらい女である?私はたまに目からうろこが落ちます。そこが楽しい。
語りすぎず行間に様々なものが立ち込めるようで、文章というものはこういう風に書きたいものだとも思 -
Posted by ブクログ
学生時代にほんの少しだけ、作家になりたいと思ったことがありました。
こういう文章が書きたかったものです。
当然のことですが、憧れてるという段階で憧れを手にすることはできないものだと悟りました。
伊集院静さんと同じ人生を歩めば書けるかというと、そういうものでもないのでしょう。
こういう文章は、その人のどこかに正真正銘の優しさが宿っていて書けるものなんだな、と本書を読んで感じました。
そういえば、好きな歌手の歌に
追いかけて 追いかけても
つかめない ものばかりさ
という歌詞がありました。
本当にその通りだな、と。
10年前に出会っていたら…と思う本でした。
こんな風に優しく -
Posted by ブクログ
伊集院静氏の著作は何冊も読んでいるが、少し御沙汰してしまった。この「許す力」も「大人の流儀」から2つ跳んでいる。
自分は許せないんだな、ホント。心が狭いからさ。でも「許せないならそれでいい」と言っていただける。
「家人の『くれぐれも思慮に欠けた行動は・・・』」でブレーキをかける。伊集院氏といえども奥方の言葉が御自分を制御されているらしい。
氏の著作は大好きだが、どうしてあれほどの美形の女性達があんな飲んだくれの博打うちになびくのか、納得できなかった。いや、日本の女性も美しいだけじゃない、捨てたもんじゃないということだ。
飛ばした2冊、買いに行こうっと。 -
Posted by ブクログ
著者の自伝的小説。
最愛の人を亡くした「ボク」は、酒とギャンブルに溺れ、自暴自棄の日々を送っていた。
そんな中で出会った「先生」は、ギャンブルの神様と呼ばれる作家。
「先生」に誘われ一緒に「旅打ち」に出かけるようになる。そこで描かれる二人の友情が、とても切なくて優しくて、温かい。
奇妙・チャーミング・子供みたいな不思議な「先生」は、全てを寛容に受入れて認める愛深い人。
優しくて純粋な眼差しでそっと、絶望から抜け出せない「ボク」を包み込んでくれた。
「先生」との出会いで「ボク」は生きる気力を取り戻しはじめる。
言葉少なくとも存在する信頼関係と互いの想いやりが、行間からもにじみ出ている。
痛み -
Posted by ブクログ
『大人の流儀』と書かれていることが、かぶっているのでは??
と思って読み始めた私。
やはりこれも伊集院節で
自分の「理」でどんどん攻めてきます。
大人の流儀でもそうでしたが、感銘するところあり、
この人頑固すぎないか?と全く理解できないものあり…。
でも男の人で花の名前を知っていて
季節の花々に目のいく人って、私は素敵!と思ってしまいます。
(花の名前を覚えるきっかけになるエピソードも素敵です)
飲む・打つ・買うを豪語し、破天荒な行動をするように見えても、
細やかに色々世の中を眺めているし、
黙って背中を見て学べ!と突き放さず
そこまで言っちゃって大丈夫ですか?という感じの
サービス精神