伊集院静のレビュー一覧
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大人って、大人に自然になるものではない。
歳をとれば、大人になるというわけでもない。
確かに、愚痴を言わないで、きちんと流儀を語ることは難しい。
若いものを批判することが、大人の流儀でもない。
世の中、幼稚すぎたり、軽薄すぎたり、いつの間にか
薄っぺらくなってきている。
人間は、ほとんど水分でできているが、
水よりも軽い存在になっているような 大人。
大人とは、いろんなものを味わい、噛み締めて、
そして、やっと 「ぼそり」と言えるものかもしれない。
伊集院静の この大人の流儀を読みながら、
不思議に、自分が 大人になりたいと思えるのがいい。
歳をとって、老人になっても、
大人になれてない自分に驚く。 -
Posted by ブクログ
最後の章の「星~被災地から見たこの国」が心に残った。伊集院静の見解がすべて正しいかどうかはわからない。ひょっとしたら怒りの矛先を間違っているのかもしれない。でも怒らずにはいられないのだろう。伊集院アニキなら、神様にだって一言申すかもしれない。神奈川県にいたオイラはテレビのニュースで信じられない被災風景を見ていたけど伊集院アニキの言うように「喉元すげれば」って感じになっていたと思う。毎日増える被災志望者数を見ても実感がなかった。死というものを普段から考えてこなかったからだ。オイラは本当に近しい人の死を知らない。情けないが両親の死をきちんと受け止められるか自信がない。しっかりしろ、オレ!
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タイトルは「追いかけるな」だが、それにまつわる話ばかりではないことは、このシリーズが始まってからのことだから驚かない。伊集院静はタイトルと内容でオイラの期待を見事に裏切ることが時々ある、良くも悪くも。それでも楽しく読んでしまうのはオイラが贔屓にしているからだ。正しいとか正しくないとかを期待していないのかもしれない。伊集院静らしいかどうかが大事なのだ。自分らしくいることって、もちろん自分のためなんだけど、どこから切っても自分らしくいることはそんなに簡単じゃない。何かのために自分を裏切るような選択をすることもあるだろう。伊集院静だって実はそういうこともあるのかしれないけど、何のためにそうするのかがオイラみたいな利己的な理由ではないと思う。覚悟が違うのかな。伊集院静が言う男に近づきたいものだ。
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Posted by ブクログ
I支配人に見初められた伊集院静はオーラがあったんだろうな。当時は趙を名乗っていたしまだ作詞の仕事もしていなかった訳だから、I支配人にもY女史にも驚くばかりだ。しかもなぎさホテルは会社のもので彼らの持ち物ではない訳だし。
伊集院静は当時、定職もない、金もなかったと言うけどオイラの貧乏とはちょっとレベルが違うだろうな。中古でベンツとランチヤと言うけど、買えないよ。伊集院静の貧乏には悲壮感がないんだよな、あと緊張感も。生まれながら持ってる余裕なのかな。そして粋な時代だったのだと思うど、伊集院静は今も相変わらずな訳だから時代に関係なくやっぱり生きる力が半端ないってことだと思う。いざとなったら少々ヤバい仕事もやっちゃう覚悟があるし、それができる身体も持っている。オイラが伊集院静に惚れたのは、そんな身体を持ち、その力を持て余し、でも母親譲りの繊細さも持ち合わせてるギャップだ。それがなかったら、この人はヤバかったんじゃないかなと思う。そんなところも含めて好きなんだけど、男として。
高校時代の恩師M先生がまたカッコいい。昔を懐かしむ伊集院静に「私だって学生時代が一番懐かしいし、自分の時間もまぶしかったように思うもの。でも私は今を諦めていないよ。君たちとずっと競い合って行こうと思っているもの……」と言う。歳を理由に若い者と競わずに任せてしまったりするのはオイラはズルいと思う。だって、後輩たちは最後まで競い合ってくれないと先輩をいつまで経っても越えられない。年長者は後輩に負けた姿を見せず、ホッとしている、負けた(越された)ところを見せずに済んだって。「こういうのは若い者がやらないとね」とか言って任せるんじゃなくてボロボロになるまで頑張るところを見せてほしいと思う。人生の最後までとことん生きる方がカッコいいのに。そういうところも含めて伊集院静は大好きだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文春の連載をずっと読んでいて、重い話でもじっとりとしつこい感じではなく、冷静に淡々とした文章にしてしまう筆者の表現が好きだった。
書店のポップで久しぶりにお顔を拝見したのと、いろいろあった人へというタイトルに惹かれて手に取った。
前の奥様や弟さんの死など、ご本人自身がいろいろご苦労されたのだと思うし、私自身まだ若いうちに身内の死が続いたこともあって、勝手に筆者に共感を覚えるところが多い。また、私の思うこの方の最大の魅力は、良い意味でいくつになっても大人になりきれない純粋さと憔悴感だと思っているのだが、この作品でもその部分が感じられて、読み終えて、自分も筆者以上に大人にはなりきれていないけれども、それでも現実に目の前にある物事に向かっていかなければ、と励まされたような気持ちになった。