感情タグBEST3
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P129
不幸のどん底にいる者と、幸福の絶頂にいる者が隣り合わせになることがある。
だから、大人ははしゃぐなというのだ。
P188
人はさまざまな事情をかかえて、それでも平然と生きている。
許せないのなら許さなくていい。新たに許せないものに出逢ったら、これは私には許せないな、とつぶやきポケットに入れてしまえばいい。
許せないものをいちいちひっぱり出して凝視しないこと。
すばらしく男らしい、考え方だと思う。
ところどころ、いまどき?と思うところもあるが、いつも同じスタンスで語るので、特に不自然にも感じない。私はこんな人、好きだな。
シリーズすべて、一貫した主張があり、心に染み入る。
いいお母さんなのでしょうね。
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2011年作品。なんといっても東北大震災についての記述が印象深いです。実際に被災した著者の生々しい文章に心が動きます。被災したもの以外は他人事だと書かれてます。私は阪神・淡路大震災と熊本地震の被災者です。著者と同じで地元以外の報道は全て他人事だと痛感しました。ただ、だからと言って東北での地震の際には、やっぱり少し私も他人事のように感じました。いけないことだと思いつつ、そんなものなのかなあ。歯に衣着せぬ著者の文章には共感する部分が多々あります。(少し偏った部分もあるようには思いますが)
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「幸せのかたちは共通点が多いが、哀しみのかたち、表情は一つ一つが皆違っているし、他人には計れないということを承知しておくことだ。それがたしなみである。」
ほんとにそうだなあと思った。
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父の考え方に近い気がして、賛同できる。現代は何か得体の知れない窮屈感や価値観に支配されておりそれに対して言及されている様に思う。まずお金が全てではない。そんなこと言う人も少なくなった。そんな空気が醸成されたこの時代は、どこか寂しい。
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「若い時期にだけ出会える恩人がいる」
時期によって感銘を受ける言葉や人は異なり、その時期その時期にしか出会えないものがある。
「世の中とは、不幸せの底にあるものと、幸せの絶頂にある者が隣り合わせに立つことが日常的に起こるものだ」
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最後の章の「星~被災地から見たこの国」が心に残った。伊集院静の見解がすべて正しいかどうかはわからない。ひょっとしたら怒りの矛先を間違っているのかもしれない。でも怒らずにはいられないのだろう。伊集院アニキなら、神様にだって一言申すかもしれない。神奈川県にいたオイラはテレビのニュースで信じられない被災風景を見ていたけど伊集院アニキの言うように「喉元すげれば」って感じになっていたと思う。毎日増える被災志望者数を見ても実感がなかった。死というものを普段から考えてこなかったからだ。オイラは本当に近しい人の死を知らない。情けないが両親の死をきちんと受け止められるか自信がない。しっかりしろ、オレ!
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"伊集院静さんのエッセイ。大震災の経験も含むエッセイ。
印象に残った言葉は、「大人ははしゃぐな」。
このエッセイを読むと、何だか「素直な自分でいいんだよ」と励まされている気分になる。"
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今回もまたコメンテーターのような愚痴のような事ばかり…笑
個人的にはこうゆうのは嫌い。
しかし、要所要所で大人はこうあるべきというという箇所がありかなり響いた。特に155ページ。
特に後半の震災の話には頭に想像できる程の実体験があった。
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『大人の流儀』と書かれていることが、かぶっているのでは??
と思って読み始めた私。
やはりこれも伊集院節で
自分の「理」でどんどん攻めてきます。
大人の流儀でもそうでしたが、感銘するところあり、
この人頑固すぎないか?と全く理解できないものあり…。
でも男の人で花の名前を知っていて
季節の花々に目のいく人って、私は素敵!と思ってしまいます。
(花の名前を覚えるきっかけになるエピソードも素敵です)
飲む・打つ・買うを豪語し、破天荒な行動をするように見えても、
細やかに色々世の中を眺めているし、
黙って背中を見て学べ!と突き放さず
そこまで言っちゃって大丈夫ですか?という感じの
サービス精神旺盛な文章。
そういうギャップが魅力なのかもしれません。
なぜ「続」を出したのか。
それはやはり東日本大震災があったからなのではと思います。
仙台に住んでいる作家からの震災の記録。
私みたいに想像力が欠ける者には、その時にそこにいた人の文章で
ストレートに記録されたものを読まないと…
読んでもほんの少ししかわからないかもしれないけれど
感じることをやめてはいけない気がとてもしました。
風雨が強い日に、伊集院家の庭に咲く木槿の白い花のように
身を美しく「躾」なければと思う一冊です。
伊集院というペンネームはこんな理由だったのかというのも、驚愕です。でも、私は理由を知り、このペンネームがもっと好きになりましたけど。
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ちょうど震災をまたぐ。震災以降の吠えがすさまじい。人格は震災前のままに、等身大のリアルな頑固じじいが、思うままに綴っている。巻末の少し背筋を伸ばし、震災についてのくだりよりも、本文がむしろ胸を突く。
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チェック項目4箇所。若い者に暇を与えると碌なことにならない、昔、私の実家のある瀬戸内海沿いの港町に、盆、暮れになると休みを与えられた船員が陸に揚がり、その連中がよくひと悶着起こし、警察の世話になっていた。”~手紙は思い立った時に書くのがいいと誰かに聞いた気がするので、君に今……”さすがと思ったが、純粋と達人のどちらなのかは、私にはわからない。人間の死の迎え方はさまざまであるが、尊ばれるべき立場にあるのは、その家族、近親者である、彼等に対する礼儀を外すことはやはり人間として許されるべきことではない、悔やみの言葉も態度もどんなに慎重に選んでも、近しい人を失くした人にはおそらく足りないのが気遣いである。幸せのかたちは共通点が多いが、哀しみのかたち、表情はひとつひとつが皆違っているし、他人には計れないということを承知しておくことだ、それがたしなみである。
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こういう大人、周りにいないなぁ…
見習ってはいけないところもあるだろうけど、そういうのひっくるめて、こういう大人は必要な存在なんだろな。上司だったらどうだろう、とは思うけど。笑
東日本大震災被災の瞬間の様子や、その後の様子を痛切に批判する文言は、遠い愛知に住む私に改めて衝撃を与える内容でした。最後の「星」はうるうる来てしまった。
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他人が困っているときに優しくできるか。
幸福のすぐ隣に哀しみがあると知れ。
大人になるとは、そういうことだ。
35万部ベストセラーの第二弾。
「最後の無頼派」が教える、大人として生きるための流儀。
目次より
・鮨屋に子供を連れていくな
・若い修業の身がなぜ休む?
・イイ人はなぜか皆貧乏である
・花見を自粛するのは間違っている
・高収入のスポーツ選手がそんなに偉いか
・若い時期にだけ出会える恩人がいる
・どんな手紙がこころを動かすのか
・大人が口にすべきではない言葉がある
・世間の人の、当たり前のことに意味がある
・男は死に際が肝心だ 他
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大人の男にだけ許される場所と時間というものがある。それを理解しているのと、理解していないのは大きな違いがあるだろう。もっと一人の時間を楽しまなければいけない。世の中には、不条理なことが多いけど、そういう経験をするからこそ、人間は成長できるというもの。そういう人に会えるのは大切だし、自分もそういう人にならないといけない。
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前作に引き続き、成人の日を前にしたこの時期に急いで読み終えました。反発を感じる部分もときにあるけど、こういうオヤジがいないとなぁと感じる部分も。若輩が「大人」から受ける理不尽は多いけど、そういうところからこそ学ぶべきものが多いのかもしれない。巻末の「星~被災地から見たこの国」は徐々に記憶が薄れゆくけども、日本人皆が風化させてはいけないできごとだと感じさせてくれる。また本シリーズ3冊目を年末に読みたい。
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伊集院静の作品、2つ目です。
最初の作品は「いねむり先生」。
まったく、さっぱりわからなかった。
ギャンブル、という世界に身を置く人によりそうことができないのです。
しかし、本作はおもしろい!
2つ目はなぜか「続」から読みましたが、
特に問題はありません。
ほろりと、にやり、ひやり。
いろいろなエピソードが詰まっていて、
前作ではまったく感じなかった著者の人柄がぐっと身近に感じられました。
そして、あの大震災のときに、自宅の仙台にいた著者は、
「そのとき」を書き残す。
恐怖、怒り、憤り。
今も実際に「被災地」にいる人の声だ。
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【風】【花】【雪】【月】
そして【星】の章からなっているエッセイ。
【星】は震災後の記録。
普段、口にしているアタシの言葉も。
本当は使えないなぁ。
と、感じた。
~「一度、言葉を噛んでから口にするものだ」~
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作者は仙台在住で、昨年の東日本大震災のとき被災した様子の随筆が多い。
いろいろと感じたことはあったが、被災者のメディアに対する思いが「ニュースは、原発報道と菅直人下ろしを繰り返していた。震災を忘れたのか。」の箇所からも伺える。
酒についてのエッセイも前作に引き続き多い。
特に、「人類が地上にあらわれ、社会という、人生という、不条理をともなうものを生きはじめ、酒というものを祖先が発見したのを、私は必然だと考える。」の箇所に納得した。
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福島沖地震のときの話がかなり衝撃的だった。仙台のお家にお住まいだったとは。そしてやっぱり文学者の書く自身の描写ってすごいなぁ。読むと怖くなってきて、ちゃんと備えなくてはという思いも起きた。のに、なかなか水を大量買いして備蓄したいのにできていない。
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著者の自叙伝的小説「海峡」を読んで、ご両親への大きな尊敬の念を感じていたが、その思いを片時も忘れずに生きているのだなぁという一冊であった。
執筆時期が3.11前後で、自宅の仙台での被災状況は言葉にできないものだった。
「私は被災者ではない。」
自分ではない人たちへの配慮がとてつもない。
黙ってやれ。
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作者の長年の経験や功績によって築きあげられた確固たる思考や考えが苦手で流行っていたシリーズ一冊目を買ったものの少し読んでやめてしまった流儀シリーズだが、母にこの続編の最後の方の何かが良いと勧められて読んでみた。仙台で東日本大震災を体験した作者がその体験や思いを綴っており当時の状況を思い出す。身内を失ったり家を無くしたわけではない作者が自分の事を被災者ではないと語り、被災者に寄り添った思いを読む中に、被災地に行ったことがない私に色々と考えさせられる機会を与えてくれた。流儀シリーズの一冊目には夏目雅子との死別に際した思いが綴られているようなのでどこかの機会に読んでみようと思う。
心に残った言葉の備忘録
「幸せのかたちは共通点が多いが、哀しみのかたち、表情はひとつひとつが皆違っているし、他人には計りしれないということを承知しておくことだ。それがたしなみである」
「希望の光というものは万人に同じかたちで差すものではないが、それでもいつかは誰にも差すものだ」
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親または祖父母世代の男性は、このように考えるのかと知るのに良い本だった。
著者の考え方ひとつを、「この世代の考え方」とひとくくりにしてはいけないと思いつつ、いまだこのような「女性だから〇〇、男性だから〇〇」という思考を持つ人はいるのだな、と思った。
今はそのようなことを公言するのは憚られる空気があるが、こういう価値観を詳しく読めるのは、ありがたい。
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人類が地上に現れ社会という、人生という不条理を伴うものを生き始め、酒というものを発見したのを私は必然だと考える。いっぱいの酒でほろ酔ったやわらかなひとときでどれだけの人が救われたのかと思う。
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・子供を鮨屋に連れていくな。大人が2人、「これでお前と逢えるのも最後になるのか」といってお酒を酌み交わしている横で、子供が「トロのさび抜きお願い」などと言っていたら無条件でひっぱたくのは自然なこと。
・金さえ払えばその席に座れると思っているのが間違い。世の中には金を払っていようがいまいが女、子供がいてはいけない場所がいくらでもある。
→こういった考えはなかった。公共マナーを守れないやつは来るなっていう主張でもなさそう。理屈はいまいちわからない。
・大人には口に出してはいけないことがある。言ってもどうしようもないことは「一度言葉を口に噛んでから」話す。
→言わなきゃわからないことがあるのと同時に、言わずもがななこともある。粋の部分なのかな。
・人が社会や人生といった不条理なことがあった時に、酒が棘だらけの感情を受け入れ、ゆっくり和らげてくれる。これでどれだけの人が救われただろうと思う。しかも美味い。
→しかも美味いってのが素直でいいね。
・大人のおしゃれは靴に出る。靴を見ればツケを踏み倒す客か否かがわかる。
→不変の真理なのかしら。
大人の流儀に続く第二段。エピソードは異なれど、言いことや主張は前回とそんなに変わらないかなぁと。こういったおやじや爺さんがたくさんいることを知っておくことも大切。理不尽言ってるところもあるけど、身に染みる話もある。
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世の中から”大人”が居なくなって久しいですね。
私もおっさんになってしまいましたが、大人としての振る舞いが分からずにいます。
「飲む打つ買う」ができる甲斐性もないので、中途半端にやるつもりはありませんが、
大人として見苦しくないようにはしたいものです。
巻末の震災当日の手記を読んで、あの時の気持ちが蘇りました。
そして、それを忘れて日々暮らしていた自分に気づきました。
また気持ちを新たに、今日から生きていきたいと思いました。
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人気シリーズの2冊め。週刊現代の連載ということもあり、その読者層に向けつつも社会全体を風刺するかのような切れ味。自分自身が決して尊敬できるような人間でないことを認めつつも、全体的には上から目線で書いているので受け入れられない人には駄目な感じかも。自分としてはこういう意見もあるよな、と、そしてオジサン世代が言い難いことをぶった斬れるのはこういう立ち位置の人だからこそ、ということで評価できますけども。
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「大人の流儀」ということで、二十歳になった記念に読みました。作者はまだまだ近づけない「大人」だと感じました。各章の題名と抜粋の文が素敵です。また、震災当初の記述は臨場感があり、2011年3月の気持ちを思い出します。
Posted by ブクログ
「大人の流儀」が好評だったようで(未読だけど)これはその続編。
今この人の本が売れているらしい。
その理由に関する本人の弁にクスっと笑う。
こんなタイプ(って存じ上げているわけでもないのでただの印象ですが)の人はいまやすごく少数になってきているのではないか。
今や人も規格内に収まることを要求されることが多く、それに苦しむ人も多い中で、この人のエッセイを読んでちょっとすっきりするっていう部分があるんじゃないかな。
みんなが彼のようでも困る(失礼)けれど、彼のような人もいていいんじゃないか。
色々な人がいるのが社会ってものじゃないか、と思う。
それにしても彼の奥様方はやはり相当懐の深い方々であろう、と感じた次第です。