西原理恵子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
毎日新聞で連載されているので「毎日かあさん」。
この度めでたくカニ母編で文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞なさったそうです。
カニ母編からちょうど1年、お入学編が出ました。
色んなところへ出向いては電波少年さながらの漫画を描いている西原理恵子さん。
できるかなV3で「手塚治虫賞狙い」と描いてありましたが、今までの作品のなかで一番読む人を選ばないまろやかな作品の様に思います。
特別なことをした体験記ではなく、日常の中で感じたことや出来事が絵日記風に描かれてます。
「母」を中心に語られていたカニ母編ですが、今回は小学校に入学した息子の話題が中心です。
どぶで遊んでいたり海に服のまま入ろうとしていた息子くん。
小学生になっても相変わらず台風の日に傘も差さずに鉄棒に噛り付いてたり二階から飛び降りたりと腕白です。
息子が語られる一方で妹にも自我が出てきて「自分が一番でないとダメな姫様」な性格が出てきました。
私は次女でも初めから割とほっとかれて育ったので姫体質にはなりませんでしたが、入学するときにあれこれ買ってもらう上の子をうらやむ気持ちは同じだなぁと共感しました。
語られている内容は殆どが笑い話、けれど芯にあるテーマはあくまで家族。
誰にでもわかりやすい笑い話から入るからこそ心に染みるものがあります。
知識から得た教訓ではなく、体験したからこそ言える言葉。
西原理恵子さんの人生経験に勝てる人は、早々いないのではと思います。
是非ご一読を。
カニ母編は、「できるかなV3」と合わせて読むとより解りやすく裏話の様に繋がるので面白いと思います。 -
Posted by ブクログ
■「はれた日は学校をやすんで」を思い出す。少女マンガだよねぇ。■男だしね。地元を離れて東京へという経験がないもので、糸が切れた凧のようにどこへたどりつくのか分からない不安さや自由さというのは想像しても実感はない。それでもあえて書く。■お店に出て、男と暮らして、猫を拾って。似たような暮らしをしている女性は少なくないかもしれない。不平不満や悪口をぶつけているかもしれない。ぶつけられずに抱え込んでいるかもしれない。「…彼女は成功したから特別…」なのかもしれない。そんな女の子たちがこれを読んでぐっすり眠れればいいねぇ。■男性には特に薦めませんが、女性にも幅広くは薦めません。わかる人だけ読んでくれぃ
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Posted by ブクログ
前回読んだのは、お金について考える本だった。
今回は、そこからガラッと変わって、女たちの恋の話。
西原理恵子さんの『パーマネント野ばら』は、町の小さな美容室に集まる女性たちが、それぞれの恋や男の話を語っていく漫画だ。
「こんな男に引っかかっちゃった」
「こんなことしちゃった」
「忘れたいのに、忘れられない」
そんな、ちょっと人には言いにくいような話まで、女同士で笑い話にしてしまう。
読んでいて、女って不思議な生き物だなと思った。
男性が自分の恋愛の失敗や、どうしようもない恋の話を、こんなふうに人に話すイメージは、私にはあまりない。
でも女同士だと、笑い話になったり、懺悔になったりする。
「私もそうだった」
「わかる、わかる」
そんなふうに誰かと共有することで、少しだけ気持ちが軽くなる。
どうしようもない恋なのに、忘れられない。
もうやめたほうがいいとわかっているのに、ずっと思っている。
そんな寂しさまで含めて、みんなで笑ってしまう。
そして、その笑いの中から、また明日を生きる力をもらっているような気がした。
女たちの恋愛話を読んでいるだけのようで、実はもっと深いところにあるものを、この本は描いているのかもしれない。
特に心に残ったのが、この言葉。
「人はな、二回死ぬで。一回目は生きるのをやめてしまうとき。二回目は人に忘れられてしまうとき。」
この言葉が、最後に残った。
人はいつか死ぬ。
それは、この世から身体がなくなるということ。
でも、本当に寂しいのは、その人が誰の記憶からも消えてしまうことなのかもしれない。
私は、自分が死んだあとも、この世のどこかに「私」という存在が残っていてほしいと思った。
大げさなことじゃなくていい。
誰かの記憶の中に、一滴でもいい。
「あの人、こんなこと言ってたな」
「こんな本が好きだったな」
そんなふうに、誰かの心の片隅に残っていたらいい。
そんなことを、町のおばちゃんたちの恋愛話を読みながら考えた。
どうしようもない男の話。
忘れたいのに忘れられない恋。
笑ってしまうような失敗。
そんな小さな記憶の積み重ねの中に、人が生きてきた証があるように感じた。
小説というより漫画なので、たくさんの絵と短い言葉で物語が進んでいく。
読みやすいのに、ふとした一言が刺さる。
「なんだ、この人たち」と思いながら読んでいたのに、気がつけば、その人たちの寂しさや、どうしようもなさが愛おしくなっていた。
一見、どうってことのない女たちの恋愛話。
でも、その中に、人が生きることや、誰かに覚えていてもらうことについての大切なメッセージがあった。
読んでよかったな、と思える一冊だった。
この本との出会いは、『洋子さんの本棚』で紹介されていたことがきっかけだったと思う。
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Posted by ブクログ
『この世でいちばん大事なカネの話』を読み終えた。
最初は表紙のイラストがかわいくて、もう少しやわらかい内容を想像していた。でも実際に読んでみると、中身は想像以上に濃く、お金と生きることについて深く考えさせられる一冊だった。
この本を読んで改めて思ったのは、お金があれば幸せになれるわけではないということ。でも、お金がなければ幸せになることも難しいということだった。
お金そのものが幸せを運んでくるわけではない。けれど、お金がなければ幸せがやってきても受け取れないことがある。そんな不思議で複雑な存在がお金なのかもしれない。
また、親ガチャという言葉を耳にすることがあるけれど、生まれ育った環境がお金との向き合い方に大きな影響を与えることも感じた。同時に、今こうして働けること、収入を得られることが当たり前ではないことにも気づかされた。
印象に残ったのは、西原理恵子さんがお金そのものだけではなく、「働くこと」の価値を語っていたことだ。
働くことは単にお金を得るためだけではない。働き続けることが、自分を前向きに動かすエネルギーになる。作中にあった「自家発電」という表現がとても好きだった。誰かから与えられるのではなく、自分でエネルギーを生み出しながら生きていく。その感覚は、今の私にも少し重なる気がした。
本を読み終えたあと、ふとこんな質問をされた。
「毎月100万円もらえるのと、一括で10億円もらえるのならどっちを選ぶ?」
私は迷わず「毎月100万円」と答えた。
でも後で考えてみると、10億円をうまく運用すれば、毎月100万円以上の価値を生み出せる可能性がある。それなのに、私は目の前の100万円に飛びついた。
なぜだろう。
そこには、お金がなくなることへの不安や、安定した収入が途切れることへの恐れがあるのかもしれない。
この本を読んで、お金についての答えが見つかったわけではない。むしろ、お金とは何か、働くとは何か、豊かさとは何かという問いが増えた気がする。
今年は『人を動かす』を読みながら、人との関わりについて学んでいる。そしてこれからは、お金についても少しずつ学び、向き合っていきたい。
『この世でいちばん大事なカネの話』は、お金の知識を教えてくれる本というより、お金と人生について考えるきっかけを与えてくれた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
漫画家の西原理恵子の自伝であり、働くこととお金についてのエッセイ。
貧しさは、様々な物を奪い、人の心に諦めを与えて、心の中にやり場のない怒りがたまっていく。
その怒りが、弱いもの(子供や女性)に向かっていくのが、暴力に繋がる。
高校時代から劣等生だったからこそ、自分の得意なものと自分の限界点を知り、そこで勝負出来たこと。
夢は、どうやって好きなことで、稼ぐことが出来るか考えることで現実にしていける。
一人暮らしをすることで、毎月の限られたお金でやりくりすることで、しっかりした金銭感覚を身につけることが出来る。
働くことで、自分の弱点や長所を知り、広い世界を知ることが出来る。
「カネとストレス」「カネとやりがい」の真ん中に、自分にとってのバランスの良いところを探すことが、大事など、貧しさや世間で辛酸を舐め尽くしたからこそ、学んだリアルな「お金」と「働くこと」の真実が分かる珠玉の人生論です。