あらすじ
田舎から出てきた女の子が東京で暮らしていくために、同棲したり水商売を始めたりと、何とかギリギリ暮らしていくが、最後には好きな絵の仕事で認められ、作家としてデビューしていくまでを描く、感動ものがたり。
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Posted by ブクログ
西原理恵子「ものがたり」三部作の最初に当たる作品です。主人公の女の子が上京しなりふりかまわずに生きていく様子を描いた物語です。ミニスカパブの「おねいちゃん」から徐々に自分の夢を生きる姿に励まされます。
久しぶりに読み返してみました。本書は西原理恵子が大学生活を送るために上京し、なりふりかまわなかった日々を振り返ったエッセイ漫画です。ここに描かれているのは華やかなキャンパスライフからは程遠いもので、歌舞伎町のミニスカパブの「おねいちゃん」として生活費を稼ぐ日々や働かずに彼女の家に転がり込んできた男との同棲生活。そして、駆け出しの「イラストレーター」として営業として売り込みの毎日…。
主人公いわく「生きるって、なさけねぇなぁ」と自身があげたフライドチキンを猫がかじっている姿の中に見つめていたり、ミニスカパブでの客や他のおねいちゃんとのやり取りに理不尽さを受け止めながら、東京にしがみついていく彼女の姿が、当時上京してきたときの自分とオーバーラップしたりしながらページを読み進めておりました。
すべてが見所といってもいいのですが、僕が印象に残っているのはミニスカパブのバイト中に酔っ払った客が彼女に心ない言葉を投げつけるところで、彼女はそうした「しんどい言葉」を本心とは真逆の感情である笑顔で受け流す努力を続けるうちに、夜、自分の部屋で寝ているうちに顔面麻痺になってしまうところで、それを彼女の店の店長に言うと、彼は大声で
「バカヤロー。だから高い時給がもらえんだ」
と、大声で言い放つ場面で、それで彼女は
「あ。そうか」
と納得するのです。
伊集院静先生が自身の著作の中で確か『大人になるには、理不尽と遭遇することだ』というようなことを申していたかと思いますが、その言葉を連想しました。僕も実はこういう席のおねいちゃんにこのエピソードをかいつまんで話したことがあって、そのときに彼女は職業的良心かはたまた本心なのかは今となっては知る由もありませんが
「あ、それわかるー」
といっていたことも同じく思い出しました。
やがて彼女の絵が売れるようになり、絵で食べていけるようになったときに、読者の一人からこんな手紙をもらいます。
『毎日しごとがしんどくて、上司ともうまくいかなくて
家に帰っても、こころが苦しくて
ねむれなくて
そんな時にいつもあなたの本を読みます。
あははと笑って
いらいらしてた自分がもうどーでもよくなって
それでぐっすり眠れます。』
他のインタビューで、筆者が一番うれしかったと語っていた手紙です。どんなことを描いても最後はここに立ち戻ってくる。叙情系サイバラ漫画の好きな作品のひとつです。
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「女の子物語」の続編です。上京した西原理恵子を待っていたものは?得意なはずの絵では全く勝負にならないと芸大に入ったあと思い知らされます。そして歌舞伎町でのバイト、おカネがない中、部屋に転がり込んでくる男、歌舞伎町のホステスの間の愛憎、そしてエロ雑誌のカットが最初の西原理恵子の金になる仕事になったのでした。
中学生のころの自分に、「案外、面白いことが待っているよ」と言いたい、と描きます。
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東京にいったらきっと違う自分に出会えると思って上京し、美大に入りバイトをして家賃を払ってお米を買って、きれいな洋服買うお金は無いのに、ダメな男にお金を貸して、病気の猫を拾って病院に連れて行く。
そんな毎日を繰り返しながらどこかの誰かがちょっとだけ笑ってくれる事が嬉しいと思いながら漫画を書く人。
心が洗われます。
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「ぼくんち」より「いけちゃんとぼく」より、なんだか心がシーンとした。等身大の人間の、すごく本当の話。「女の子ものがたり」とこの「上京ものがたり」で、西原さんのデビュー前がわかった気がするのが怖いけど・・・・
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「〜ものがたり」シリーズはどれもいい。。。書き出しからしていい。「小さな子供のころ 年上のお姉さんはみんなキレイで私はいつああなれるのかとよく考えた。お姉さんになってみたら まわりの子はもっとキレイになっていて私にはきっとちがうものがあるから東京に行くと、毎日自分に話しかけてあげた。東京に来て最初に気づいた事は私がこの日のために用意したお気に入りのクツや洋服ぜんぶがものすごくかっこ悪かった事だ。」西原は本質をわかっている。(06/8/10)
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白サイバラが堪能できる一冊。
「はれた日は学校を休んで」に通じるところがある。
サイバラ作品は読後感がすごくいいと思う。
「また明日から頑張ろう」って思えたり、とにかく前向きな気持ちになれる。センチメンタル。
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切ないくらいに弱くて、誰でもいいからそばにいないと生きていけない、そんな感じだった彼女が仕事を得て、次第に評価を経ていく過程でだんだんと強くなっていく様子を見ていると泣けて仕方なかったです。
優しすぎる人っていらぬ苦労を背負ってしまうからねぇ。
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くらたまとかいう人と西原氏は同列に語られることがありますが
これを読めば全然違うことがわかるはず
いままで「ぼくんち」がベストオブ私の人生の中のマンガでしたがこれにかわりました
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■「はれた日は学校をやすんで」を思い出す。少女マンガだよねぇ。■男だしね。地元を離れて東京へという経験がないもので、糸が切れた凧のようにどこへたどりつくのか分からない不安さや自由さというのは想像しても実感はない。それでもあえて書く。■お店に出て、男と暮らして、猫を拾って。似たような暮らしをしている女性は少なくないかもしれない。不平不満や悪口をぶつけているかもしれない。ぶつけられずに抱え込んでいるかもしれない。「…彼女は成功したから特別…」なのかもしれない。そんな女の子たちがこれを読んでぐっすり眠れればいいねぇ。■男性には特に薦めませんが、女性にも幅広くは薦めません。わかる人だけ読んでくれぃ
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私の好きなバージョンの西原さんの作品だった。基本的にあまり人生記やエッセイは読まないけど、西原さんのは読んだ後いつも心にグッとくる。適当に描いてるみたいで、でもこういう漫画は一生懸命じゃなければ描けない。
猫の描写が好きだった。いつも動物に対して少し残虐な一面を描くけど、西原さんは実は心の優しい人で、そしてとても現実的である。最後に捨て猫を拾わないで、可愛いからきっと良い人に拾われるのでちっともかわいそうじゃない、というところが良かった。
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手塚治虫文化賞短編賞受賞作。
よかったー。
西原の上京してからの自伝だと思う。苦労してるんだなあと思った。
最後はちょっと泣けた。がんばんなきゃなあと思った。
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この本には格別なひねりがないが、
それがサイバラの『上京ものがたり』そのものだったんだろう。
初めて仕事をもらったときの喜び、あれは確かに絶対忘れられない。
自分は覚えているだろうか?
初めて、手術したとき、初めて患者さんが死んだ時、あれだけ悪かった人が元気な顔で退院したとき。結構覚えてるもんだ。
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ほぼ自伝に近い感じですよね。
最近の西原ブームは、世相に便乗したとこもあるのかもしれないけど、
やっぱり読んでてぐっとくるものはありますね。
深津絵里主演の映画女の子ものがたりの原作でもアリ。
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西原さんのマンガは毒が強くて、今までは苦手でした。
最近は、泣けるマンガ(絵本)などを、多く出版していますが、この作品もやはり毒があり、そして、泣ける作品になっています。
辛い出来事を淡々と描き、かわいらしいヘタウマな絵柄で、私の心に突き刺さるモノがありました。
田舎から都会に出て来た、女のコ達に読んでもらいたいです。
きっと、どんな境遇のコでも、共感出来ると思います。
未来は希望に満ち溢れているとは思えないけど、いつかきっとありがとうと言える日が訪れると思いたいです。
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西原さんは1964年生まれとあるから僕よりもいくつか年上です。
その西原さんが高知から上京してきて、
やがて漫画家へとなっていく過程が描いてあります。
自伝のような私小説のようなマンガです。
僕はこの頃の東京のことをよく覚えています。
だから西原さんの描く風景は、
心の奥深くに沁みるように落ちていきます。
破天荒とほのぼのが交錯します。
僕がハイティーンだったその時代、
僕は自分をどうまとめたらよいのか、どんな風に生きてったらいいのか
わかりませんでした。
いつも収拾がつかない自分に手を焼いていました。
音楽や絵や小説が、僕の救いでありました。
この本を読んでいると、そのあたりがダブります。
西原マンガの出世作とのことですが
僕にとっても傑作です。
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なんか…切なくなる。強い人だと思う、西原さんも、若い頃は、やっぱりあったんだなって。いや、こういう面があるからこそ、好きなんだけど。優しい人なんだよね、たぶん。西原さんの絵が苦手って人も、これは大丈夫なんじゃないかな?読んでみて下さい。
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サクセスストーリーなのに嫌味がないのは、忘れてはならないものを消して忘れない西原さんだからこそ。主人公の表情が本当に豊かになったのは、娘さんのおかげかしら。生きるつらさと喜びにあふれています。
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好きなブログさんで紹介されていたので読んでみました。さらっと読める……んだけど、とても共感出来る重さがあって。確かにもっと若い時、私は他のものになれると思っていた。けれどその後は多分フォロワーになるだろうな、と思っていた。フォロワーにもなれない私は一体どこへ行き着けるのか、ちょっと寂しくなった。
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西原理恵子が状況し大学に通っていた時の話。
メランコリックな、センチメンタルな話
ダメな男とつきあって、水商売しながら明日の見えない生活をする。
というのは、女流漫画では意外とよくあるタイプの話だと思う。
その日常をカラーのエッセイ風の漫画で表現しているのが、当時としては面白かったのではないか。
いまや、サイバラ節というのは確立されたジャンルのような趣なので、新鮮さよりも、大家が自分の青春時代をウェットに振り返っているかのように見えてしまう。
良くも悪くも自伝風なので、成功を収めた(?)サイバラさんが書いたというよりも、誰でもない未来があるとも思えない一女性がいました。というようなフィクションの方がグッとくるのでは。
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試写会が当たったので、観てきました!!
この夏公開の映画、北乃きい主演、『上京ものがたり』!!
(※DVD化されるまでここに記録しておきます。)
私はもともと育ちは埼玉(≒東京)かつ実家なので、上京って感覚はピンとは来ない。はっきりと断れない主人公・菜都美とはあまり似てもいない。だから、すごーく共感したか、と問われれば、違う、といえる。
ただ、この映画、夢を追う菜都美を叱咤激励し、温かく見守る、先輩ホステス・吹雪がかっこいい。
――最下位には最下位の戦い方がある
吹雪のような人になりたい、と思わせる。
ネタバレになるので書かないけれど、ほろりと泣かされるシーンもある。
可愛らしく健気な吹雪の娘、沙希。彼女が『絵、描いて』と、差し出すシーンは切ない。そして、夢を追う菜都美にどれだけ勇気を与えたことか。
がむしゃらに頑張る菜都美の姿、それを見守る人々。頑張ろう、と思える作品。
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古き良き時代を西原さんが体験した美化しないで描いた作品。
淡々と少しの幸せとたくさんの不幸をこなしていく。
心折れる描写が少なかったのが救い。
リアルではもっと壮絶に辛かったと思う。
最後、彼女が評価され、世間受けしていることを評価され、彼女の存在に救われる人が。
本音が少し漏れてるけど、幸せそうな笑顔が描かれていて嬉しかった。
しない方が良い経験ではあるけど、決して無駄ではない経験。
淡々と、しんみりと、ほっこりと。
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落ち込む(笑)
"あこがれの街トーキョー"の薄汚れたところ。
きらきらしてて活気があってお洒落で華やかで…
っていうイメージの裏にある泥臭〜いえげつな〜い辛気くさ〜い、
できれば一生関わりたくないような生活。
作品全体を覆う陰気な雰囲気。
私の抱いていた西原理恵子のイメージとはちょっと違った。
(他の作品あんまり読んでない)
きらびやかな分汚いところはめちゃくちゃどす黒いんやろなあと。
大都市東京。カオストーキョー。
それにしても、
田舎の人が劇的な変化を東京に求める感覚はやっぱりちょっとだけしかわからない。
とりあえずやみくもに東京行きたがる娘さんにはこの本読ましたらいいよ親御さん。
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女の子や上京者はちょっとだけこんなだったり、こんなじゃなかったりする。最初に読んだときは痛かったけど、二度目はもう少し受け止められた。自分が客観視できるようになったってことかな。
Posted by ブクログ
「毎日かあさん」シリーズ以外で読んだ初めての本です。西原さんが上京してからの心模様が描かれていて、いろいろな事があったんだなぁ、と思いました。こうして自分の事を漫画にするということは、彼女が自分を見つめなおし、前に進んでいく力になっているのではないかなぁ。楽しい思い出ばかりではないかもしれないけれど、彼女はそれを否定することなく受け止めていて、それが彼女を成長させている気がします。(勝手なこといって、西原さんすいません。)自分の力で生きて、仕事を探し、少しずつ認められていく。頑張ったんだなぁ。